
ここんとこの読了本。
山本博文『日本史の一級史料』(光文社新書、2006年5月)
本書では、「一級史料」を題材に、歴史家がどのように史料を読み、歴史を描き出していくのか探っていきます。そのうえで、教科書や歴史書の記述を鵜呑みにしない、自分なりの「歴史感覚」の身につけ方を学んでいきます。
上記で紹介されているような感じの本でした。
自分の著作の
自身の来歴にも少なくないページが使われており、著者個人に関心がある方 にはオススメです。
斎藤美奈子『冠婚葬祭のひみつ』(岩波新書、2006年5月)
「少婚多死」時代を迎え、家族の形が多様化した今、冠婚葬祭文化はどこへ向かうのか。現在の結婚と葬送をめぐる膨大な情報を整理し、「これから」にふさわしい儀礼の形を具体的に考える。
これまた、上述の紹介のような本です。
巻末の「あとがき」で
実用書の編集をしていた頃、私自身も冠婚葬祭関係の本の編集に携わったことがある。その経験も踏まえていうと、冠婚葬祭マニュアルの編集は、きわめて手間ひまのかかる、そして高度な編集の腕が要求される仕事である。それに比べたら人文書や文芸書の編集は貴族のお仕事に等しい。「ただの実用書」「単なる実用ではなく」みたいなことをいわれると、だから私は噴き出したくなるのである。貴族は困ったもんだな、と。
と専門書を誉め讃えておきながら、無数の専門書からの引用で論が進められるという
こんな誇り高い著者による専門書(貴族 ですからな)なので、昨今のセレモニーの本末転倒ぶりや不毛さを嘲笑するくだりは爽快ですらあります。
その箇所に関しては、本当にオモシロイ ので、後半部分を立ち読みして流し読みするのがオススメです。
うーん、こんなんで終わるのもなんなので、ムスメの食事に際して下に敷いてあった新聞に掲載されていたジョン・ダワー氏の言葉でも紹介しておきます。
私は二種類の愛国心があると思います。ひとつは、正しかろうが悪かろうが祖国を愛するという態度。自分の国がやることは何でも正しいという考えです。もうひとつの愛国心は、自分の国をもっとよくしたいので、過去の失敗から学ぶという態度です。より平和な世界を築いてゆくためには、後者が唯一の道だと思っています。(2006年5月25日『朝日新聞』「歴史と向き合う ジョン・ダワー氏に聞く」より)
えー話だなーとか思いますけど、これはこれで、ちょっと極論ですよね。
(´∀`)ハハハ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます