つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

道草と買喰い@東美濃。

2023年11月14日 14時22分22秒 | 旅行
                   
過去二度に亘り、東美濃小旅行について投稿した。
前々回は「城歩き」。
前回は「まち歩き」。
今回はその二つの合間に楽しんだ「道草と買喰い」の記録である。



旅の最初に立ち寄ったのは「ボートレースチケットショップ養老」。
平成29年(2017年)3月にオープン。
岐阜県初、現在は唯一の場外舟券発売場である。
大垣市‐桑名市を結ぶ国道258号沿いにあり、
大垣市の中心地から車で10分、名神高速・大垣I.C.からも同程度。
アクセスがよく、施設もキレイ。
三重県の「津 競艇」が運営している。
目当ての投票を済ませ、夜、ホテルで飲みながら観戦。
--- 結果は、ちょっとプラス。
いい「おつまみ」になった?!



岩村の城下町で買い求めた「かんから餅」。
創業は、嘉永年間。
6代目の岩村藩主が名付け親だという。
殿様が店に立ち寄って餅を所望した際、美味しさを絶賛。
そのタイミングがちょうど五月の節句。
鯉幟の矢車が「かんから、かんから」と音を立てていたので、
『コレは「かんから餅」じゃな』と命名したとかしないとか--- 。



餅は柔らかく舌触り滑らか。
腹持ちもよく食べ応え充分。
画像向かって左から、こしあん、すり胡麻、きな粉を塗してある。
甘味すっきり、餅好きには堪えられない逸品だった。



宿泊地の恵那市は岐阜県南東部。
東には恵那山、南には焼山、北には笠置山に囲まれ、
市域の殆どは「美濃三河高原」に位置し、平均標高およそ300mで山がちな地勢。
秋~初冬にかけて「霧」が多く出現する。



目覚めると、草鞋を脱いだ「ホテル ルートイン恵那」は霞の中。
前日訪れた恵那市内の山城「岩村城」の別名が<霧ヶ城>なのも、
なるほど言い得て妙と納得する。
JR恵那駅へ向かい、辺りを散策した。







足を踏み入れた駅前の良い雰囲気の小路で、
ご当地名物「五平餅」の文字を視止めるも、あいにく早朝のため営業時間外。
ここで食べ損ねてしまったのが残念だ。



駅前の近くに「中山道」が通っていることは、
地元商店の軒先に下がる「吊灯籠」型の目印が教えてくれる。
ここから旧街道を辿り中津川宿へ向かう。
行程10数キロを換算すると四里強。
徒歩なら半日はかかるところだが、車なら40~50分あまり。
江戸時代の成人男子の場合、1日およそ八里から十里を歩いた。
しかも足元は草鞋履き。
昔の人は想像以上に健脚と言える。

江戸後期は「旅ブーム」。
社会が成熟し、街道や宿屋などの交通インフラが整備され、
庶民が娯楽として旅へ出かけられる環境が揃っていたのだ。



中山道を往く旅人の疲れを癒し英気を養ったのが「五平餅」。
炊きたてのご飯を八分づきくらいにすり潰しているから消化にいい。
串に刺しカリっと焼き上げ、甘めの味付けで食欲をそそる。

五平餅は、わらじ型、だんご型、きりたんぽ型など、地域によって様々な形があるが、
岐阜県の中津川市と恵那市を含む恵北地域(恵那郡北部)はだんご型が主流という。
名称の由来は「五平さん」が広めた説。
神事の際の「御幣」に似ている説などが伝わるが、真相は定かではない。

上掲画像は中津川駅前のお店「喜楽(きらく)」で撮影。
こちらのタレは、醤油ベース。
醤油、砂糖、みりんを炊いて、胡麻、砕いた胡桃・落花生を合わせて掻き混ぜ、
味噌のようなとろみとコクが出る。
これも旨かった!



続いては、やはり中津川駅前で食べた「かつ丼」。
駅の改札を抜けてすぐの地元飲食店「食事処 平和」で撮影。

中津川ご当地グルメに「しょうゆかつ丼」があると聞いていた。
とんかつに飴色の照りを湛えた「特製しょうゆだれ」をかけて、
香ばしく一風変わった味わいだという。
それを期待したが「平和」のかつ丼は、
出汁の効いた卵が乗ったオーソドックスなスタイル。
着丼まで時間を要したから、注文を受けてからトンカツを揚げているのかもしれない。
美味しくいただいた。



ラストは、岐阜県・中津川地域で誕生した和菓子「栗きんとん」。

「栗きんとん」と聞くと、黄金色のねっとりとした餡の中に栗の甘露煮が入った
お節料理を想像するかもしれないが、中津川のそれは別物。
蒸した栗の実を砂糖で炊き上げ、ホロホロに崩し、布巾で栗の形に整える。
口に含むと、栗の風味を存分に味わえる菓子だ。
栗を一度分解し、甘味を引き出し、再構築したような印象。
シンプルだが、実に贅沢である。

原材料の収穫時期が秋のため、
中津川では栗きんとんの販売は、毎年9月~翌1月ごろまで。
市内に50軒あまりも点在する和菓子店からは、蒸し栗の甘い香りが漂い、
店頭には「新栗 栗きんとんアリ〼」の張り紙も見かける。
地元の方にとって、愛すべき欠かせない存在なのが窺えた。

兎にも角にも、ご馳走様でした!!
東美濃の旅、旨くて楽しくて大満足でした!!
                      

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4 コメント

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Unknown (ゆうか)
2023-11-16 01:44:51
りくすけ様

懐かしの光景に、しみじみしています。

初めて知ったのですが、
お餅大好きなわたしにとって、
かんから餅はまさにストライクでした!

そして、まさかまさか〜の、あまから屋さん!
あぁ、思い出が溢れます。
(前回のコメントに、お店がソウルフードと
書いていましたが(^^ゞ
や、もう本当にお餅だけでなく)
この路地、店構えに郷愁をかき立てられます。

この前行った時は一串90円でしたが、
値上がりしたんですね。
近い内にまたふらっと寄ってみたくなりました。

ほんのり甘い、胡桃醤油の香りが
漂ってきそうです☺️

では、また。
Unknown (象が転んだ)
2023-11-16 03:41:18
餅に、串団子に、カツ丼に、栗きんとん
ですか・・・
夜中というのに、よだれが出てきそうです。

旅に、競艇に、シンプルだけど贅沢な食事に
こういうのを
至福の時と空間と言うんですかね。
では・・・
ゆうか様へ。 (りくすけ)
2023-11-16 07:28:04
コメントありがとうございます。

前回ちょうだいしたコメントに、
“恵那駅前の五平餅屋さんが思い出の味”とありましたので、
偶然撮影した通りの店がそれかもしれないと思いましたが、
的中したようで嬉しく思います。
今回の旅では「あまから屋」さんの味は体験できませんでしたが、
次の機会に買い求めてみようと思います。

かんから餅、美味でした。
岩村訪問のタイミングがあれば是非!

では、また。
象が転んだ様へ。 (りくすけ)
2023-11-16 07:33:02
コメントありがとうございます。

競艇と歴史探訪とB級グルメ。
最近の僕の旅のスタイルです。
おっしゃるとおり至福の時間と空間と思っています。
旅も競艇も「非日常」。
「旅打ち」は楽しいものです。

では、また。

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