六甲1号の出撃にっき

撮影ロケの出撃模様のほか、日々の雑感なんかも綴ったものです。

37年ぶりに再び愛工大名電倒して報徳の校歌を歌う

2018-08-17 | スポーツ
 夏の全国高校野球大会も佳境に入り、猛暑の中、白熱した熱戦が連日繰り広げられていましたが、そんな中、ある対戦カードを見て、これは絶対に行かなければ!と思い起こされました。
 それは第12日目の第一試合が、報徳学園×愛工大名電 の組み合わせに決まったことです。これは奇しくも37年前の私が高1の夏に対戦したカードですが、両チームのエースである金村さんと、名古屋電気の工藤さんが対戦して話題を呼びました。

 .なぜ報徳?
 その年の春に報徳学園の高校入試に合格はしたのですが、県立高校にも受かったので報徳は入学金は納めたものの辞退し、(事実上の母子家庭で私学の学費は結構重荷だったので)県立高校の生徒として過ごしたのですが、いざその年の夏の甲子園が始まって報徳が1回戦を勝った次の日辺りに私の所に電話が掛かってきて、『報徳のブラバンがハワイへ遠征に行って、1年生が数人しか残ってないので、誰でもいいから手伝ってくれ。』というもので、当時マーチングの指導をしていた横山さんという方が教えていた西宮・神戸市内の中学のOBに声を掛けて20人位が集まりましたが、現代の楽曲からすると非常に貧弱なバンドであったのは確かでした。 高校で現役でブラバンを続けている人は、県大会が控えていて無理なので、高校に入って別の部活に入るなどして、暇を持て余してそうな人を中心に声を掛けていたようです。
 急遽寄せ集めて、
 ① 曲は編曲せずに楽譜どおり、でも楽譜は無いからで吹いてね。
 ② もちろん練習無しのぶっつけ本番です。
 ③ セカンド・サード無しの全員ファースト。
 ④ 校歌は覚えやすいので、その場で覚えながら吹いて下さい。
で、この時代はレパートリーも限られた物でしたが、これでも何とか乗り切れ、あれよあれよという間に決勝まで進み、遂には全国制覇を達成したのてした。

 ですから、ここで演奏したメンバーば全員が『報徳のファースト〇〇』として甲子園優勝経験をした事になり、ほんと僕らのお陰で金村さんが胴上げ出来たと豪語は・・・しますw、いや感謝してます。(〇〇にはTrとかTbなどの記号が入ります)
 でも夏休み明けに学校に登校したら、自分の学校の野球部の子らに『おい、テレビ見たぞ~お前、何勝手に報徳応援してんねん!』どうやら自分がトランペット吹いてる姿が映って放映されたのを見られていたようです。何せ決勝戦まで何試合かありますから、その間の何処かの試合で映ってたようで、結構気まずかったです。あちゃー(笑) まぁウチの高校はほぼ1回戦負けばかりで自校のブラバンすら応援に行かない弱小野球部でしたから。
 そういうわけで、私と報徳とのつながりは短いひと夏の1コマ(いや5コマかな?)です。あっ、その前に出願手続・入学試験・合格発表で3回位行ってました、試験の帰りに途中にある畑の肥溜めに落とされそうになった凄い時代でした。

 .そして甲子園へ出撃
 今週はたまたま16・17日は週休日なので、報徳×愛工大名電の試合を見に、本当に久々に甲子園に行く事にしました。プロ野球を見にこの球場に来ることは無いので、あの時以来の37年ぶりの甲子園です。(前を阪神電車でしょっちゅう通ってるのですが)
 ベスト8をかけて16強が激突する、実は準々決勝よりも面白い対戦が組まれてたりする日程で、12日目は地元報徳学園の他に大阪桐蔭も出るとあって、入場券が手に入るかが心配です。

 朝、石屋川発4:40の始発電車に乗ります。六甲の実家からは歩いて40分近く掛かりますが、これが一番早い方法です。

 甲子園駅に5時ちょうどに到着したら、既に凄い行列で、この人らは徹夜したか、タクシーや車で送って貰ったかの何れかになります。
 ここで入場券発売まで待つのですが、7時の開門の予定は混雑が予想される日は繰り上げになるので、この日も6時20分の入場券発売開始&開門となりました。

 列が動き出していよいよ入場券の購入が近づいて来ました。
 先述の報徳学園のブラバンとしての入場の他に、小学生の時には県岐商の応援団として田舎の爺ちゃんが来るので、岐商の応援団に入れてもらって団体入場した事もありましたが、何れも入場券を買う事はなかったので、一般の観客として入場券を手に入れるのは本当に体力勝負なことです。
 一緒の列に並んでた西宮市内から自転車で来たという初老のオッサンは、「とにかくチケット確保したら、家に帰って休んで夕方の桐蔭だけ見に来んねん。」と。いやいや西宮市民なら第1試合見ていけやと思いましたが、私の後ろに並んでいた東京葛飾から来たという若い女の子も桐蔭目当てだと。もう何じゃそれ。
 なので、これだけ並んでいても、第1試合は意外と余裕で入れるのかも知れません。

 そして発売開始から30分程でようやく購入の番が回って来ました。
 アルプス席800円は安い。

 ようやく手にした入場券。これを持ってアルプス席の入場口へ向かいます。

 今日は一塁側に報徳・二松学舎・済美そして〆は大阪桐蔭と、なかなか見応えがあるカードが並んでいますが、天気予報が午前8時には雨になるとか書いており、途中で降雨コールドとかのリスクもありました。

 7時、スタンドに入ると、一部を除いて空席ばかりです。
 やはり大半が桐蔭のためのチケット確保狙いで並んでたようです。

 ここがブラバン席の区画。
 37年前は私もここに立ってラッパを吹いていたんですわ。懐かしい。

 空席の心配もよそに、続々と観客が入ってきて、席もほとんど埋まってきます。
 そして、ブラバン・生徒の専用入場口から生徒たちが。あれ?女の子たちがいる?男子校なのに!

 その謎はテレビで報じられていました。
 私らの頃は縦のネットワークで人集めをしていたのですが、いつまでもこの方式では無理があるのと、予め確保しておいた方がお互いによい事から、今は4校程まとめて提携しているようです。
 これだと人数もいるので複雑な和音構成の曲も吹けていいですし、事前に練習もしていれば、現地でも心配もありません。

 試合前の選手達のノックが始まります。
 やっぱりクリームに緑のユニフォームはいいですね。

 試合開始を前にアルプス前へ選手たちが挨拶に来ます。よっしゃー頑張って行けよ~っと暖かい拍手が沸き起こります。
 報徳の特徴は大応援団を組まないことで、皆が自宅から自転車で来れる感覚で来れるのと、花見か盆踊りかというような気軽さで入ってこれる(切符さえ手に入れば)ので、応援バスの中で選手別応援歌の練習をしたりとか、そういうのが無いので、統率の取れた強い声での応援はないのが以前の特徴でしたが、さて最近はどうでしょうか?

 このように大きなプラカードを出して、曲名や選手名をバンドだけではなく、保護者や生徒にも見えるように掲示していますが、私らが吹いていた時は、B5位の小さな紙に、HT(阪神汎用)・阪急(ブレーブス汎用)・タイガー(タイガーラグ)・西部(西部警察)・・・などと、それも細っそいボールペンでゴシゴシ太字を作ろうと書いてたようで、しかめっ面で凝視して曲名を認識していました。今はプリンターや拡大コピーがあるので、ほんとにいい時代になりました。

 さぁ選手が勢い良く飛び出してきて試合開始です。

 試合に先立ち、始球式として板東英二さんが玉を投げられました。見事なショートバウンド!
 板東さんは、何と前日にブルペンで50球も投げ込みをしてたそうです。凄い。

 試合は立ちあがりを名電打線につかまり、早々と先制を許す展開で、エラーが2つ続いたので、今回はダメかなぁと思いましたが、そこは逆転の報徳、その後は点を重ねて一気に逆転。

 4回表に名電の選手に一発ソロ本塁打を許しましたが、その後は点を返せず、逆に報徳が3点追加してボコボコに仕掛ける、ちょっと名電が可哀想な程の展開になってしまいました。

 最後まで健気に声援を送る名電の生徒さんには可哀想ですが、これが実力の差というものなんでしょうか?

 結局試合は7対2で報徳が再び愛工大名電を下しました。
 そして待ってました、校歌が流れる瞬間です。

 ↓ 動画はこちら 校歌斉唱は1:50過ぎから

 『はろばろひらく 武庫の野や~ 』 あ~久しぶりに歌いました。
 お恥ずかしながら自分が通っていた県立高校では、自分とこの校歌を歌う機会は3年間居ても数回程しかなく、そのためメロディーは覚えてるものの、歌詞はもうすっかり忘れてしまいました。
 それに対し報徳の校歌は81年(最も校歌を覚えやすい1年生の時)の夏に5試合出て何度も吹いて・歌ってでしたから、こっちの方が今でも覚えていても仕方ないのかも知れません。入学金の前納分として10万円も寄付してるしw

 よくやったぞ、報徳ナイン!
 愛工大名電、次こそいい試合を待ってるよ。何か可哀想なんで、次当たったら名電応援してしまうかも知れないわ。

 というわけで、昔自分がこの甲子園のアルプスでラッパを吹いていたあの夏の記憶に戻って、少しだけ感慨に浸りました。学校単位で友情応援で出る事はよくありますが、私らが経験したようなケースはレアなケースではないでしょうか?
 さて報徳が37年前と同じく深紅の大優勝旗を手にするかどうか、2日後の準々決勝は魔法の合言葉のあの学校です。魔法掛けられたらどうしょう・・・。

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