リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

311. 17回目のドイツ旅行(39) ウィーンからリンツへ移動

2023年02月22日 | 旅行

▶今日はリンツに移動します。



リンツ、新大聖堂(教会・修道院㊿)


▶今日はウィーンからリンツに移動し、ここで2泊します。

 今日は月曜日のため美術館、博物館は開いていません。そのため、今日の目的はリンツ市内の教会や史跡をたずねて明日に備えます。明日訪ねたいフラウエンシュタインに行くにはリンツから列車とバスを乗り継いで行くのが一番便利そうだったからです。

◆2022年10月10日(月曜日)10577歩
 朝6時ごろに目覚めて残り物で朝食とお昼のサンドイッチを作り、冷蔵庫の中をからっぽにしました。片づけておいた珈琲メーカーを元の場所に戻し、原状復帰OK。着るものにはここ数日悩まされましたが、基本は厚着に、暑くなったら脱げば良いと考えて出発しました。

 8時40分頃ホテルを出て一歩外に出たら冷たい風でやはり寒いのです。厚着で良かった。窓から腕を出しただけではあまり風の冷たさはわかりませんね。列車は9時15分発のドルトムント中央駅行きの ICE です。始発なので早めに行き、後部車両に乗るとまだ空いていました。パッサウからの予約席が空いていたので、その手前のリンツ/ドナウ中央駅で下りる私たちはテーブル席に座ることができました。これなら安心してサンドイッチも食べられるのに、今日は10時11分には下車です。回ってきた車掌は私たちを日本人とみて「ありがとう」と笑顔で言うので周りに笑いが起きました。でもなんで日本人だと思ったのでしょうね。アジア系の人間は判別しにくいと思うのですが。ユーレイルパスには国籍まで出ないので不思議です。


▶ホテルはとても親切でした。

 今回のホテル Hotel Lokomotive は駅から少し奥まっていて、見つけるまで時間がかかりました。駅のそばで赤い蔦の葉を集めていた老婦人がそれとなく私たちを見守ってくれていたようで、どこかなと見回していると「どちらまで?」と聞いて、案内してくれました。小さなホテルでした。ここまでのリンツの町の雰囲気にちょっと安心しました。

 ホテルに着いたのは11時前だったので「荷物だけ預かってください」と窓口に申し出ると、受付の男性が「もう掃除が済んだ部屋があるかもしれない」と言いながら探して2階の部屋の鍵を渡してくれたのです。そこまでは結構今までにもありましたが、入ってみたら何と4人部屋だったのに驚きました。ベッドも4つあり、トイレとバスルームが別になっているので助かります。どこにどうやってトランクを置いたら良いかと悩むほど。結局10分ぐらいしてそれぞれのトランクを広げる場所を決めて落ち着きました。使わないベッドは汚さないように気をつけながらここで2泊します。しかもここは朝食が料金に含まれているのです。親切なホテルで良かったと思いました。

 

▶リンツの町歩きは初めてです。

 リンツは以前ウィーンからメルクまで列車と船で往復した時に船で通り過ぎた町で、歩くのも泊まるのも初めてです。地図を見ながらまずはリンツの新大聖堂(教会・修道院㊿ トップの写真)に向かいました。この町には旧大聖堂と新大聖堂があり、今日は両方回る予定です。




リンツ、新大聖堂のステンドグラス

  リンツの新大聖堂内ではたくさんのステンドグラスが目を惹きました。このステンドグラスを写している間に段々人気の少ないところに来てしまいました。ふと気が付いたら男の人が1人来ていて「私はこんなにたくさん子どもが国にいるのです。食べるものを送ってやりたい」と家族の写真を目の前に突きつけてお金をせがみました。手を振ってごめんなさいと謝って参観者の多い場所に急いで戻ると、それ以上付いては来ませんでした。そのあとはできるだけ一人にならないように心がけましたが、大聖堂内でも気を抜けないのだと再認識しました。難民の方々の困窮は理解できます。私たちも日本から寄付を送っていますが、それで良いと開き直る気にもなれず、かといって1人1人対応していたらとてもやりきれません。目の前の現実に重い感覚が残ります。


 新大聖堂の前にはベンチがあり、ちょうどお昼時でもあったので持って来たサンドイッチと果物を食べました。朝とは打って変わって暖かいお天気です。

 ヨハネス・ケプラーが数学の講義を行ったという旧リンツ大学の中庭に入って「惑星の泉」を見たり、素敵な花屋さんやチョコレート店を見たり。このチョコレート店では少しお土産を買いました。




上:リンツの通りで見かけた花屋さん 下:お洒落な看板のチョコレート店



リンツ、旧大聖堂(教会・修道院51)


リンツ、旧大聖堂 手前はザルツブルクの大理石です。

 リンツ旧大聖堂(教会・修道院51)では歴史を感じました。内陣席も1脚1脚に彫刻が施され、当時の技術の粋を集めたものと思われます。私が強く興味を引かれる後期ゴシックスタイルではないのですが、立派な大聖堂です。ヴェニガーさんに説明を受けたザルツブルクの大理石も使われていました。
 その堂内で「聖イグナチオの水」が売られているのに気づきました。どうも足によく効くようです。そこでフランクフルトのトーマスのために一瓶買い求めました。トーマスの家には旅行の最後に1泊する予定でいたのですが、9月後半にトーマスから「今回の宿泊は申し訳ないけれど無理なので取り止めたい」とメールが来たのでした。理由が書かれていないのでどうしたのかなと気になっていたのですが、つい2~3日前にお連れ合いのルースからメールが来て、トーマスは足にできた帯状疱疹のために尋常ではない痛みで苦しんでいたのだけれど、ようやく少し回復の兆しが出てきたので多分旅行の最後にはちょっと会う時間が取れるだろうというのです。ホッとすると同時にそんなひどい帯状疱疹もあるのだと驚きました。ですからトーマスの足に良さそうと思ってこの聖水を買った次第です。


午後のドナウ川のほとり

▶このあとはのんびりした午後のひとときを過ごしました。

 旧大聖堂を見た後はドナウ川のほとりに出てみました。流れの穏やかな川です。向こうの丘の上にはお城もあるようです。この流れの左手にはリンツ城博物館があるのですが、明日の午後、時間があったら行こうと話しあいました。

 その後はゆっくり町の目抜き通りを歩き、途中でカフェに入ってリンツァートルテと珈琲で49回目の結婚記念日をささやかに祝いました。小さなスーパーを見つけたので明日の果物などを、ノルトゼーで魚のフライが入ったサンドイッチを夕食用に買い、ホテルに戻ろうとすると曲がる道がわからなくなっていました。駅に近くなって次第に人通りも増え、公園で過ごす難民らしき人々の姿も増えています。スマホで検索し、何とか方向を見定めてしばらく歩くとようやくホテルの前の通りに出ることができました。リエージュやアーヘンではなかなか使いこなせなかったスマホのアプリですが、少しは使えるようになってきたようです。

 明日は長いこと見たかったフラウエンシュタインの聖母子像を見に、この旅で3番目の冒険に挑みます。

※教会・修道院のナンバーは丸囲み文字が終わってしまったので51番からは数字で書いていきます。 
※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2023  Midori FUKUDA

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