リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

219. 16回目のドイツ旅行(22)今日はエーリンゲンまで

2020年07月17日 | 旅行

▶ネルトリンゲンの次はエーリンゲンに泊まります。





ノイエンシュタイン城


◆2019年8月4日(日)似たような名前の町へ移動

  ドイツには似たような名前の町がけっこうあります。「・・・・・リンゲン」という町は多いのですが、たまたまネルトリンゲンの次の日はエーリンゲンに泊まることにしていました。私がドイツ語留学していたシュヴェービッシュ・ハルから北東に20kmぐらいのところにある町なのですが、まだ行ったことはありません。でも今回、リーメンシュナイダーの弟子、ペーター・デル(父)作の浮き彫りが、このエーリンゲンにあるノイエンシュタイン城で見られることがわかり、行くことにしたのでした。近くの宿を探したところ、エーリンゲンにリーズナブルな宿が見つかりました。そのノイエンシュタイン城はエーリンゲンから一駅だけ列車で戻るのですけれど、予約の時点ではノイエンシュタインには宿が見つけられなかったのです。町そのものがエーリンゲンほどは大きくないようです。

 4日の朝。ネルトリンゲンの宿では朝食がついていたのですが、おかずも多く、美味しくて、これで70ユーロは安いと思いました。でも、この日の列車の旅はなかなか大変でした。地元の人の勧めで早めの列車に乗ったら途中で乗り換えなければならなくなり、着いたら目のまえで目的地行きの列車が行ってしまうという悲劇もあって、結局4回も乗り換えなければならなかったのです。ドイツの駅はまだまだエスカレーターやエレベーターのない駅が多く、重たいトランクを持っての階段の登りおりを繰り返して朝からへとへとになりました。2006年に半年間過ごしたシュヴェービッシュ・ハルは私の第2の故郷と言っても良い町です。エーリンゲンからすぐ近くなのにマリアンヌとホールストとも会う時間がとれなかったため、今回は会う約束をしていませんでしたが、こんなに乗り継ぎに費やす時間があったら少しでもおしゃべりができたかなぁと残念でした。

 苦労して着いたエーリンゲンは古い町らしく、道の脇に水路があり、きれいな水が流れていました。ただ、旧市街まで行くとほとんどが石畳でしたので、大きなトランクを持つ身にはこたえました。マルクト広場の横の小道を入ると、ようやく宿が見つかりました。まだお掃除中でしたが部屋には入れてもらえたのでホッとしました。浴室が広々してなかなか豪華な作りです。荷物を置いて、何はともあれ隣のノイエンシュタイン駅までまた戻ります。


◆ノイエンシュタイン城のツアー

 ノイエンシュタイン駅に着く手前で列車からお城が見えたので道に迷うことなく行くことができました。日曜日でお昼が食べられるかどうか気になっていましたが、途中カフェが2カ所開いていたので何とかお腹に入れられるものはありそうです。お城の中にはツアーでないと入れませんでしたが、木の城門は開けることができたので中庭に入ってトイレを借りることができました。でも1時間ほど待たなければなりません。ベンチに座って宿でもらった林檎を食べたり、庭園をのぞいたりしながら待ちました。

 ツアー参加者は10名ほど。ドイツ語のわからないグループが私たちを含めて二つほどありましたが、説明は耳をす通りしてしまうので、とにかく目でペーター・デルの浮き彫りを探し求めながら移動していきました。ここのお城の主は狩りには意欲的だったようで狩り関係の品々や剥製、ポートレートはあちらこちらに展示されていました。でもどうやら私たちの目的の浮き彫りは見当たらないのです。「また空振りだったのかしらね」と三津夫とぼそぼそしゃべりながらついていくと、もう終わりに近いというところでようやくガラスケースに入った装飾品が出てきました。ここならあるかもしれない…。ぐるりと見回したところ、ありました! 入口に近い壁に小さな浮き彫りがかかっていたのです。ペーター・デルのカタログで見ていた浮き彫りです。「やっと見られた~」と心の中で叫び声を上げ、その後は一眼レフで何枚も写真を撮りました。駅での乗り換えの苦労も、あちらこちらで待ち時間をすごした苦労もすっ飛び、充実感に満たされてノイエンシュタイン城を出ました。帰り道でイタリア系のアイスクリームを食べ、コーヒーを飲み、エーリンゲンまで戻りました。

 結局お昼ご飯は満足に食べていないのでエーリンゲンで何か食べたいところですが、宿の真ん前のイタリアンレストランが夕方開店することがわかったのでホッとして一休み。夕方マルクト広場に出てみたら大勢人が集まってきていました。近くにいた女性が「バッハの演奏会があるんですよ」と教えてくれました。こうしたコンサートが目の前の福音教会で開かれるということに音楽環境の良さを感じます。でも私たちは何はともあれ夕食へ。幸いこのイタリアンレストランのカルボナーラもシュニッェルも美味しくて満足でした。夜は大きな浴室でゆっくりシャワーを浴び、ぐっすり眠りました。


ノイエンシュタイン駅からお城に向かう道で。 


ノイエンシュタイン城近くの教会にて。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA

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