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リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

132. 3冊目の写真集 ▶「叩けよさらば開かれん」を実感しました。

2018年04月07日 | 日記

「叩けよさらば開かれん」を実感しました。


 

 我が家の花桃 2

 

 「ミヒャエル・パッハーのパッハー祭壇(ヴォルフガング教会、オーストリア)、ミッヒェル・エアハルトの主祭壇(ブラウボイレン修道院)、ファイト・シュトースの主祭壇(マリア教会、ポーランド)、そしてハンス・ロイの主祭壇(シュテファン大聖堂、ブライザッハ)の写真も載せたいなぁ」と夫に言われていたのですが、しんどくて手を付けずにいました。1月末に原稿の最終仕上げをしながら、やはりそれぞれの教会にメールでお願いしてみようと決心しました。ポーランド、クラクフのマリア教会以外は撮影禁止で画像が手元に無かったのです。マリア教会では撮影券を買って入ったのは覚えているのですが、おそらく距離が遠くてまともな写真が撮れなかったのでしょう。手元に画像が残っていませんでした。

 こうした願いの全部が全部聞き入れてもらえるとは思っていませんでした。それでも、ヴォルフガング教会とブラウボイレン修道院からは親切なお返事があり、多少時間はかかりましたが大変画質の良い写真を無料で送ってくださいました。その結果、中世ドイツの立派な祭壇が紹介できることになり、とても嬉しく思っています。今まで私が出版してきた写真集には買った画像は1枚も掲載していません。今回も提供していただけた画像と自分の画像だけで出版できるのは、本当にありがたいことです。

 何にしても、最初から「撮れなかったのだからしょうがない」と諦めていたら、この祭壇は私の本では紹介できなかったわけです。特にヴォルフガング教会のパッハー祭壇では全部の扉が閉まっている平日の祭壇、一番上の扉があいた日曜日の祭壇、最後の扉も開いている祝日用の祭壇と中央部のアップの4枚が見られます。しかも、送ってくださったThomasz Klimekさんは専門家のようで、どんなに小さな部分を拡大しても、きりっとピントが合ったすばらしい写真です。どうしたらこんなに良い画質の写真が撮れるのだろうとしばし眺め入りました。

 心を込めて文章を綴って送れば、全部ではないけれども願いは届くものだと実感した体験でした。そして、この心の重い半年間は、戸を叩く勇気をため込むまでに必要な時間だったのだと今は思えるようになりました。

※ このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA

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