Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

再びポルトガルへーオペラ・トスカ

2018-02-26 22:45:34 | 再びポルトガルへ2017-2018

 

昨夜近くの映画館でロイヤル・オペラハウスからのオペラ・トスカの直放送があった。

キャンプサイトの友達5人で見に行った。

トスカと言えばマリア・カラスのオペラ映画がことのほか有名で、私もこのビデオを持っていて、手放すことができない。マリア・カラスはこのオペラの時は体重を落としてスマートな体に真紅の長いドレスで階段を駆け下りてゆくところなど今でも目に浮かぶ。

昨夜のトスカはカナダ人ソプラノのAdrianne Pieczonkaという人。太っていて彼女に太刀打ちできるテナーに選ばれたのがマルタ島出身のJoseph Calleja。

このテナーのカレヤさん、10年ほど前ロイヤルフェスティバルホールの彼のリサイタルで一緒に写真を撮ってサインももらったのだが、この時はやや太目の人との思い出はあるがそんなに太っていなかった。昨夜のジョーゼフ・カレヤはまったく太りすぎ。声は10年前よりもっと円熟して素晴らしいが、映画で大写しにして見られるものではない。

トスカとその恋人マリオ・カバラドッシの太りすぎの体で歌うどの歌も素晴らしかったが、一番印象に残るのがトスカに横恋慕する警察署長のスカーピアでバリトンのカナダ人Gerald Finley 恐ろしい目つきで悪役に徹するが、本来はいい人だそう。一緒に行ったフランス人のブリッタなど彼が一番素晴らしかったとお気に入り。

もう10数年前、イタリアのシアナのオペラハウスからの直放送でトスカを放映した。ロンドン市内の映画館まで出かけて見にいった。この時のトスカが今までで一番印象深い。

シアナのイタリア人のオペラを見に行く態度や心は、ロンドンのオペラハウスで澄ましてみる芸術ではなくて、まるで昔の日本人がお弁当を持って歌舞伎を見に行くような、楽しみ方や興奮が伝わってくる。これはミラノのスカラ座でなかったからなのか、シアナが田舎だからなのか判らない。観客がとっても田舎の素朴な人たちに見えた。

トスカがスカーピアに迫られて恋人を助けるために悲しみながら歌う場面で、歌が終わっても拍手が止まず、トスカはもう一度同じ歌を歌った。そしてマリオ・カバラドッシが牢獄からトスカを恋い慕って歌う名曲も終わると同時に拍手が鳴りやまず、とうとう歌手と指揮者が顔を見合わせ、マリオがにっこり笑ってまた同じ歌を繰り返した。マリオはすぐ銃殺される運命なのに・・・・・。昨夜のオペラハウスでは、マリオが歌い終わっても拍手ひとつ出なかった。イタリア人がどんなにオペラを楽しんでいるかがよく分かる。

映画やテレビでは時間が決まっていると思うがこの夜は面白いハプニングで、11時過ぎにやっと終わり、最終電車にやっと間に合って帰宅した。イタリアは時差が1時間あるから観客は12時過ぎて無事帰れたのだろうか?

 

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