この朝は晴れて良い天気の日だった。今日は焦らなくても悠々ポルトガルへ行ける。
昨日のうちに近くのガレージでディーゼルを満タンにしておいた。例年ならこのカセーレスのスーパーでショッピングをするところだが、昨日は日曜日。スペインの日曜日はどんなお店も開かない。
英国だって昔は日曜日は店もスーパーも閉まって静かで不便だったが、今ではそれが何時解禁になったかも覚えていない。
カセーレスからセルビアまでまた高速道路に載って、時速100㎞以上で走った。カセーレス近辺には巨石群の有名な通りがあるがこの高速道路の周辺もその例に漏れない。
高速道路は各都市の郊外を貫くから、高速道路を走っている間は周囲の植物や牧場の動物を見る以外何も知ることが出来ない。けれどももう何年もこの地域を旅行してカセーレスや50㎞南のメリーダ(Marida)のローマの遺跡群を見てまわった。古代の文明に興味のある人には、垂涎の地域である。
南下するにしたがってオリーブ畑やワインのためのブドウ畑も多くなってくる。
スペインのブドウ畑(ヴィンヤード)はフランスのそれよりも木が小さい。来春までこれらの木は小さく刈り込まれている。
道路わきにも広大な太陽熱による発電装置(ソーラーパネル)が広がっている。スペイン郊外では珍しくもない風景だ。
ポルトガルのコルクは国を挙げての産業だが、スペインの方がコルクの生産量が高いかもしれない。
セビリヤの郊外の道路はスパゲティ・ジャンクションで、この近くへ来ると必ずカーナビを付けて気を付けないと、一つ間違うとどこへ行くか判らなくなる。今回もどうにか間違わずポルトガル向けの道路に載ることが出来た。セビリアももう10数年前観光旅行に来たが、キャンパーで町に入ると、大きな駐車場がないから絶対停車、駐車ができない。
カセーレスからセビリアまでは270km、セビリアからポルトガル国境までは130㎞ほど。
面白い4輪の車と思ったら道路を平たんにするローラーカーだった。高速道路3車線のうち1車線だけ徐行運転して、通ることが出来たが、車の量が少なかったから問題なかった。これが国境へ行く道路でも、ロンドン郊外の私たちの住む通りより交通量が少ない。
昨年この高速道路でキャンパーのエンジンが壊れて、近くの町フエルバで10日間も滞在する羽目になった。この辺りだったねと話し合いながらスムーズに通り過ぎることが出来た。
ポルトガルへ近くなると周囲にはビニールハウスが多くなり、野菜の促成栽培をしている。
形の良い松林が多くなり、この辺りでマツタケなどできないのだろうかとあらぬ考えをしてしまった。
ポルトガル―スペインの国境はグアディアナ(Guadiana)河にかかるつり橋で、1年前に通った時に修理のために足場を組んだままで、一体何時になって完成することやら。
このポルトガル近くになって大雨に襲われ、キャンプサイトへ着いた時はスペインで2日間雨の中を走った時の汚れがきれいに洗われたようになっていた。
半年ぶりのキャンプサイトは何も変わっていない。オフィスで登録を済ませたら、若いポルトガルの男性職員が、”僕日本へ行きたいんだ、日本のプロレスリングを見に行きたい。” アント二オ猪木や力道山の白黒ヴィデオを見ているから・・・” だって。