King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

カズオイシグロの『私を離さないで』に思う

2017年11月11日 13時58分53秒 | 映画
ノーベル文学賞受賞を受けて深夜にかつて放送した
『私を離さないで』をやっていました。

これは舞台を日本に移したドラマでした。

これを見ていてすぐに『アイランド』を思い出しました。

アイランドではクローンが生産されて閉じられた世界で
クローンだけの生活があり、外界は汚染され外に出る
ことができずやがて当選という形で夢の島へ
旅立てるという疑似社会で生きているのですが、それは嘘で
保険会社が作ったクローンはやがて顧客のために臓器提供
されるための物だったのです。

それと全く同じ展開ながら違和感が沸いたのは提供者として
普通に社会に入り込んでいてあまり違和感も社会問題化も
してない社会が普通に描かれていて本人たちも提供して死んでいく
ことに恐怖とか拒否する者ははっきりと描かれず、まだ最初の
子供の頃、施設を脱走する話で脱走した子供が帰ってこなくて
血の付いた靴が門にかけられているというだけの説明のない
話で子供たちがクローン生産された生命というのはあとの方で
出てくるだけであまり説明されてない分不可解な感じがずっと
する不思議なドラマでした。

つまりは現在クローン技術は確立しているものの倫理上人間の
クローン生産は禁止されており、現実的でないという結論ありき
の話で、できない起きないことをやる意味があるのかという見方を
してしまうのです。

アイランドの場合はSFということで最初から遠い未来あるかもと
いうことで物語に入り込めるのですが、私を離さないではなんか
現代の物語なのに外国の話を仮定でやっているのかどういう意味に
したいのか理解しがたいのです。

ブレードランナーもそんな同系列のおはなしなんだと思いますが、
人工知能とかips細胞とかどんどん現実的になる今、人工生命も
どうしても触れておきたいということでこういう作品群ができる
のでしょう。


コメント
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