昨日の雪は結局一日降り続き、寒さと路面と車の多さを考え
結局走りに行くのをあきらめてしまいました。
それでもならばと出かけるいつものジムに行ってトレーニングするでもなく
寝床に就くととてつもなく変な夢を見たのでした。
なにかの方向性を示すかのようでいて意味不明なのですが、これは昨日自身のHPの
ページ改革に向け色々な情報を集める最中、ぶち当たったものに関係あるようです。
昨日さらっと書きましたが、スペシャルティを売りにしている現在の珈琲豆屋がはびこる中で
高いのにその豆の特性を十分に引き出せていない豆屋さんは意外と多いようだというのは
日頃感じるところで、そんなこともあり当店のような裏道の小さな店に足を運んでいただける
要因にもなっているのだろうと思いますが、そんな焙煎機で商売しているのと言う所も多いのです。
さらに複雑なのはちゃんとした業務用の釜でも焼けてない店も多く、やたら豆の特性とか
希少性を祀り上げスペシャルティとスタンダードとかコモデティといった豆の差をはっきりと
した違いがあるように断言しているところが殆どです。
そのように業者側を教育するため業者指導のカッピングセミナーなるものを定期的に行っています。
そこで教えられるのはスペシャルティの豆を誉めそやす言葉とその表現方法のようです。
その方法は宗教のマインドコントロールと同じで初級から上級とその段階を踏み、迷いなくその
システムに取り込む自分たちの側に取り入れる作業にしか見えません。というのは豆はそのセミナーや
資格なしで普通に買えるので、自分で焼き自分で判断できるはずです。
何もその表現方法を知らなくても違うものが本当にあるのならそれは感じられるはずです。
そもそもそこに出ていく人は違いが解らないから教わりに行っていると言えます。
つまり先日のお客様が言ったようにスペシャルティを売りにしているのにそのスペシャルな味が
ない店が多いのです。
それで、手編み焙煎など自分で焙煎してそこらの自家焙煎店より美味しい豆ができることで
焙煎にはまる人も増えているのです。最新の焙煎機はアプリで豆にあった焼き方をダウンロード
出来るというものです。これなどは焙煎の事を知らない人から見れば完璧なマシンの様に見えます。
何の努力もなく天才焙煎士の焼き方をそのまま再現できると信じて購入させ、豆も売り継続的な
商売が取り込まれているようです。送られてくる豆についているQRコードを読み取るとなると
自分で見つけた豆は焼けないのかという疑問がまず頭に浮かびます。
それにそんな科学的に作られた最新自動焙煎機ならちょっと考えればその機械は気圧や天候や気温まで
計測し、豆の水分量まで計算できるものなのかと考えます。焙煎士のレシピも自身のその日の天気と温度湿度、
焙煎曲線を記録した膨大なデーターがあるとそのレシピ作りにそれが生かされているという宣伝文句なので
機械にもそんな自然のデーターも日々観測して焙煎するのだろうと思いますが、まあそれはないでしょうね。
となるとそのレシピをわざわざダウンロードするほどの物なのかと簡単に解ってしまいます。
ただ仕組みとして消費者という何かと依頼して自分のために機械が天才焙煎士の技を使い美味しい
珈琲を作ってくれるというストーリーに金を払うという考えはよいと思います。
しかし、その結果に払った金銭と味に整合性が取れた物なのかは別問題です。ただ、これだけのことを
しているという前提しか示されていない点に消費者は注意すべきです。
ただ、これも先ほど言ったようにスペシャルティを売りにしているのにその味が伴わない店が多いと
いう事からこんな機械が売り出されるという事もできるのです。普通に美味しい珈琲が売られていれば
高い金で機械を自分で備えなくてもいろんな店に行って色々な味の豆をその都度選べばいいのです。
しかし、実際にはその味のいい店というのがなかなかないという現実が自分で焙煎する人を増やして
いるようです。
昨日見た自家焙煎店のブログでどこから豆を仕入れているという事まで手の内を明かす人がいて
プロの人でもその程度かという底の浅さを見るような、道理で美味しい店がないわけだというような
物も見つけました。使い勝手がいい商社とかが売りに出したエキセリソが売れてしまったという記事もあり、
そんな程度の情報しか持ってないで豆の仕入れとプロとして焙煎を売りに商売ができるものだと
思いました。
つまり、エキセリソというのはコロンビアの品質基準でスプレモの下の豆です。
最近トレンドとしてこのクラスの豆がスペシャルティとして売られていたりするので勘違いして
いるのかもしれませんが、コモディティと言い表している豆で商売してなおかつ味を売りにするのであれば
ブラジルならNO2、アフリカやマンデリンなどのG1のようなトップでなくていいわけです。実際輸入されている
コモディティはG4クラスまであり、あえて国名しか出さない店はそういう二番目三番目の豆て商売している可能性が
あります。
銀座の一真コーヒーが店で出しているのはブルーマウンテンNO1ではなくて、ビートたけしにはNO1を出したと
いうのをテレビで見た時には喫茶店でうまい珈琲がないのも当然だという思いをしました。
先のエキセリソでもQグレードをとっていたりアフリカの豆でもABクラスでもQグレード認証とかRA認証を受けて
いたりします。つまりスベシャルティとは国際認証や国際基準では自分たちの基準より高い豆で品質がいいと
言わないと売れない時代になったのです。そんなのはとっくに知っているという昔からの焙煎屋は安くてうまい味で
生き残ってきたのです。
それなのにスペシャルティのセミナーに行くとスタンダードの豆とは一線を画すはるかに良い豆だという刷り込みを
やっているのです。
さらにおかしいのは未だにブルーマウンテン信仰の人が多く、世界一の豆はブルーマウンテンと信じている人が
あまりに多いのです。スペシャルティの時代ではエスメラルダ農園のゲイシャが一番という評価は確立しているものの
商社はブルーマウンテンのブランドも捨てたくないためこの確立したブランドを自ら崩そうとはしません。依然
色々な農園名で売りに出し、空き樽をディスプレイ用に販売しています。
私は豆屋をやる前からブルマウンテンよりキューバの方がうまいと思っていましたし、クリスタルマウンテンの
味に更にそれを超える味があるのかと比べてきたという歴史もあります。
いまやキューバの最高品種ETLもほとんど持っている商社も問屋もなくそれでもTLは売られています。
これは喫茶店ではキューバをストレートで扱う店はこれを出しているんだなあと予想できます。
しかし、ここで言っておかなければならないのは同じ国の豆でもランクが違うと別の味になっていて
それはまずくなっているのではないという事です。
ところが、クリスタルマウンテンとETLは明らかにクリスタルマウンテンの方が何かにつけてグレード
アップしているのは誰でも感じられるでしょう。
ここが厄介なところです。
また商売としての成り立ちと現在の市況もこの厄介な関係にあり、天才焙煎士や全ての味を味わいわける味覚の
スペシャリストがもてはやされその人に選ばれた豆とか焼き方なんかより、実は世間一般の平凡な人が愛する
味こそが市場の求める味であり、いくら天才の人が認定する世界で唯一の豆でも人類の99%がまずいと感じたら
それはやはりまずいのです。スペシャルティのようにいくら点数化して見える化してもその数値変化にどれだけの
人が付いてこれるかにもかかっているのです。それは考えても直ぐにわかることですが、90点の豆と85点の豆に
どれだけの差があり、コモディティの70という数字の意味していることに果たして真実が介在するのかというのは
あまり意味を持たないことが。
でも、よそでいくら言われても感じなかったものが当店で試飲したら感じられたってお客様も私もうれしいことですよね。