懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

報道のバランス感覚

2013-03-07 09:43:37 | バレエ
外来バレエ公演のファン層なら、既にご存知と思われる、少し前に、ボリショイの上の人が襲われた件、の続報でございます。

前日は、私自身が見た、容疑者とされる青年の素顔の話を書こうと思ったのですが、
たまたま今日やってた、フジの朝のTV番組「とくダネ!」が、事件の事を、コンパクトに上手にまとめてあったので、その内容をご紹介、しようかな、と。

*3月6日昼NHK、ボリショイ襲撃事件で、ソリストのP.D.氏が、容疑者として拘束されたと短く報道。(これ見て、仰天したよ。)イワン雷帝かなにかの衣装姿の写真あり。

*同日朝日新聞、同人が、ロシアで警察の家宅捜索を受けたが、証拠は何も出なかった、との記事。

★3月7日朝フジ。
タレントの菊川れいを含む、男女4人位が交互にしゃべる形式だけど、すごく多角的に伝えられていて、一面的でなくて良かったです。皆バランス感覚に優れた的確な発言で、この???な事件を、現時点では、とても上手に総括し伝えられていることに、大変感心しました。

でも。最初見たら、タイトル「真相は「白鳥の湖」に?」と書いてあって、ちょっと笑った。ボリショイ芸術監督のフィーリン氏の顔写真の横に吹き出し、その横のバレリーナ、アンジェリーナ・ボロンツォーワさんの顔写真の横にも吹き出しで、漫画チックな図解が、不謹慎ながら、ちょっとわらっちゃうような愉快な内容。

ヴォロンツォーワ「白鳥の湖」を踊りたい。
フィーリン「お前のどこが白鳥だ」
だって。

★番組が面白かったので、詳しく解説したかったけど時間ないや。
・ロシアの警察に容疑者としてドミトリチェンコ氏が拘束され、実行犯と運転手の男性二人に金で依頼した、とされる。らしい。ただ、ドミトリ氏の方は、「こんなことまで」とかなんとかいってて、フィーリンの件で頼みはしたが、硫酸とかまでは依頼してなかったし、こんな大事までは頼んだつもりはなかったかもらしい。何かロシア語でいってたけど、私が時間なくて未確認。
(言葉不足ですいません。私の文より、フジのTVの報道のほうが、言葉の使い方が正確だった。再現できない。)
・その動機:ドミトリ氏の恋人と伝えられる(と別の媒体が報じてた)ボリショイのバレリーナ、ヴォロンツォーワさんが、フィーリン氏に「白鳥の湖」を踊りたい」と相談した所、フィーリンしが「お前のどこが白鳥だ、鏡を見ろ!」と言った。

それで愛するバレリーナのために、とかいう報じられ方。

・ただ、この背景として、「ただそれだけのことでこれほどのことが起こるものか、もっとその背景には人間関係の色々なことがあるのではないか」みたいなことが、多少の根拠を持って、番組でかたられていました。

・ヴォローンツォーワは、4年か5年前、コンクールで優勝し、その時フィーリンはダンチェンコバレエの監督で、彼女の獲得に動いたけど、彼女はそれを蹴ってボリショイにいき、しかも、のちにフィーリンと対立関係とも確執とも伝えられる関係になるニコライ・ツィスカリーゼ氏の教え子になった。

このことで、少しフィーリン氏は前々からボロンツォーワさんに恨みを持ってて冷遇してたのでは、みたいなことが、現地では報じられている、と言う内容でした。

何より、ツィスカリーゼ氏。最初にこの事件で容疑者扱いで事情聴取されたと聞いたときは、私は「ツィスカリーゼは関係ないんじゃないの?」と思っていたけど、ヴォロンツォーワの名が出たとあっては、全く無関係とは言いがたいですね。残念です。

・ドミトリチェンコ氏が、まだ裁判にもなってないこの段階で、マスコミのカメラの前でしゃべらされてるのも、私も6日別のTVで見て、変だと思ってたのですが、この番組でも出演者が「日本じゃ考えられないけど、韓国とかではああいうのあるけど、ロシアではど~なの?」と別のコメンテーターに聞いてました。

・事件は変だけど、語る人たちがしっかりしてて、安心しました。

★まだ何が確定したわけでもないけど、やはり、言われているとおり、背景にはややこしいことが、ありそうですが。

★自分に分かるのは、去年の冬のボリショイ日本公演で見た、ドミトリチェンコの「スパルタクス」の好印象で。でまちでは、純情な青年だったこと、日本の小さい男の子にサインをしてあげてる時の様子が、とりわけ印象的だったこと、バレエ団のダンサーさんたちと中が良さそうで、ちょっと兄貴分的な立ち位置の人だったこと、舞台の愛のアダージョで、妻役のバレリーナを壊れ物のように大切に扱っていて、繊細な表現だったこと、つまり、女性に対する愛は、かなりある人っぽかったこと、などがあげられます。

一方、スパルタクス第三幕の表現では、私から見ると、かなり若い純粋な人っぽい表現だったことも。本当は、第三幕のスパは、ムハメドフの演技が一番正しくて、「次におこるのは、きっと粛清!」と予感させました。ドミトリチェンコ氏のは、そこまでではなく、ただただ仲間が反目しばらばらになるのがつらそうで、「もうやめてくれ~!」というように、頭を両手で押さえて振っていて、辛そうだった。

彼はそこそこのリーダーシップは取れそうな人物だけど、本当はもう少し大人になって、純粋さや一本気だけではないものを身につけねばならないのも、リーダーの道なのだけど。

あっと脱線しましたが。
希望を感じた将来ある若者が、このような事態になってること、何が真実かはまだわからないけど、残念に思っています。
フィーリンのことも書きたかったけど、タイムアウト。

ドミトリ好きだし、心配もしてる。周りの大人がもっとしっかりしてて、こういうことにならないようにしてほしかった。
ボリショイまた来日したら、また見に行くよ、ってな事で、とりあえず。
フィーリンお大事に。

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