懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

感動のボレロ&シャコンヌ~「バレエの神髄2011」

2011-07-13 14:03:17 | バレエ
行ってきました、「バレエの神髄2011」東京公演。文京シビックホール、7/12。

公演の内容は、凄く良かったです。感動しました。

最近は、日本は色々と様変わりしてると感じるこの頃。バレエ公演もそうで、客層とか、ロビーの雰囲気は、割とカジュアル系の公演。舞台上も、装置がカルメンを除いてほとんどなく、背景もコンテ作品「扉」を除いて何もなく、簡素。

今日が大阪公演、明日が名古屋公演。出来れば、行ける人は、行ってあげて欲しいな。
自分の主観では、絶対見て損はないと思う。

・第一部55分、休憩20分、第二部45分、休憩20分 第3部45分
の予定が、第二部「ボレロ」で入魂しすぎたのか??はたまた装置の用意とか?(そんなもの音は無かったけど)その休憩終了後、客入れしてから、しばらく舞台が始まらず、それもあるのか、前回に比べて公演時間が長く(個人的には歓迎)、終演して、もたしながら駅に着いたら、22時を回ってました。充実の長時間公演でした。逆に、この企画・前回は、上演時間がやけに短かった気がした。

特に良かったのは、ルジマートフの「ボレロ」。
2番目が、ルジマートフ&ヴァイオリンソロ(ロシアの女性)の「シャコンヌ」。
このふたつだけでも、お腹一杯になる位、感動したのに。

さらに「第一部」最初の「マルキタンカ」のフィリピエワを見ただけで、なぜか涙出たとか、
また、「ラ・シルフィード」(もちろんブルノンヴィル版)の、ハニュコワちゃんという、知らないキエフのプリマが、砂糖菓子みたいな女の子で、妖精を演じてるんじゃなくて、本当の妖精が舞台にいるみたいで、可愛かったとか・・。

キエフのダンスールノーブル、シドルスキーが、今時珍しい均整とれたプロポーション、それなりに納得できる技術水準、プリマへのステージマナー。何を踊っても堅実で、地味目ながら手堅く公演を支えてくれたとか、やっぱりボリショイの二人は、来てくれて嬉しいとか。(アントーニチェワさん、バカンス焼けか?白いお肌がピンク気味は、御愛嬌。)

第一部、第二部だけで、色々と見所はあり。

前回、「演目の順番は大事」と書いたけど、今回の演目順はセオリー通りで順当なものだけど、・・・。今回、私は一番感動したのは「ボレロ」で、ここで凄く踊り手もエネルギー使って燃焼したと思うし、自分も、私的観劇史上、めったにない感動を味わった、つまり、燃焼してしまい・・・。
結果論だけど、ごく個人的には、もうあれだけで良かったというか。

第三部「カルメン」は、それに比べれば(私の要求水準が高すぎて。過去に名演を見てるので。)まあまあで、見れて良かったけど、「ボレロ」の記憶が薄れてしまい(ボロい脳みそだが)、
自分の脳の記憶装置の問題なんだけど、終わって見れば、「ボレロ」がトリだったら、もっと感動したかな。
(でもこの演目なら、この順番は当たり前で、逆に以前の「ザハロワ・ガラ」で、カルメン組曲を1番目の演目にしたのは、座長ザハロワの、演出家素人ぶりを見せたもの。機能する芸術監督をつけるべき。)

フィリピエワは、アロンソ版カルメンの初演者プリセツカヤから直接教わってた割には、この版の始原的カルメンでは、全くなかった。カルメンとは別の、いい女だった。私は「カルメン」を期待して行ったから、ちょいがっかり。でもそんなに悪くは、もちろんない。本質的には彼女は、こういう役よりも、可愛らしい女、愛されるいい女の役の方が合うのかも。カルメンは、もっとバッドガールなんだと思う。

ルジマートフ:ホセは、素に近い役作りで、シンプル。怒りも熱くはない。
後半の愛のアダージョの所で、一見「片手リフト?」に見えるのをやったと思ったら、実はフィリピエワが、両腕をルジマトフの肩について助けてる形。な~んだ。片手リフトもどきかって。
(ルジマートフのサービス精神?)

(もっとも、ザハロワ・ウヴァーロフ組が、以前に、この役で見せた驚異的な片手リフト(難度も高いバランス、タイミングのもので、美しく素晴らしかった)は、個人的には表現的には半分疑問で、なんであそこでそんなに難しい事やるの?と思ったから、そもそも、片手リフトをここでやらずとも、なのだけど。

コルプ:エスカミリオは、いや~ま~、なんとも「安い」エスカミリオで。(エスカミリオというか、トレアドールというか)私が持ってたプリセツカヤの昔の画像では、(相手役は何人かキャストチェンジしてるが)、このエスカミリオ役が、もっとずっといい男で、あんなに安っぽいキャラではなかった。やることしか考えてない陽性な男の雰囲気は、ヒジョーによく出てたと思うけど。

隊長ツニガ役:シドルスキーは、適切に、この舞台を引き締めてた。
牛役の女性は、(この役は難しいので仕方ない。)今一つだったけど、脇を固めたキエフバレエのダンサーが堅実に踊ってくれて、ガラにも幕物の豪華さを添えてくれたことも、見落としがたい。

暑いし、行くの大変だったけど、行って良かった。期待度≪満足度の公演!

ルジマートフは、今後も、今回の「シャコンヌ」や「ボレロ」のような作品を踊るべき!
連れてきたダンサーたちも、公演の雰囲気も、そして、ルジさんやフィリピエワ、コルプに花をあげてたファンの人たちの微笑ましい様子も含めて、超メジャー公演ではなくても、良質のバレエ公演でした。こういう企画は、応援したいですね。

●余談ですが。
①パンフ売り場で「先着200名様にプレゼント」があったのに、気づくのが遅く、間に合わなかった!
②会場で、「速報:ボリショイ日本公演」白黒チラシが配布され。
次回ボリショイ日本公演は、「主役はボリショイ管弦楽団!」になりそう。値上げだけど、あのオケが来るなら・・・。キャストは、うう。⇒ジャパンアーツHPをご覧下さい。

大スター級でなく、2番手級の見たい人が何人か来るけど。

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