懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

NHK杯 フィギュア女子 バレエ演目祭り?

2012-11-25 02:43:32 | Weblog
フィギュアへのまじめな演技感想じゃなくって、
単なるバレエ好き観点から見ての与太話ですが。

1.宣伝写真の浅田選手、「白鳥の湖」のコスチュームに、冠までつけてるのが、オデット姫みたいで、単純に嬉しい。

2.さらに試合。
まず、ゲデバシヴィリが、「ドン・キ」。グランフェッテみたいに回転したり、ミスしてもジャンプで高さを見せたり。サポーターしてたけど、怪我を感じさせない明るい演技。

この人は選手たちの中でも、この演目がとても似合うパワーや陽気さを持ってて、同じやるなら演目合ってる人で見たいので、嬉しい。

3.そしてそして、中国のミドルティーンの女の子が、趣味のいい色合いのピンクの衣装で登場し、「眠りの森の美女」曲で、オーロラ姫の無垢と可憐を表現。
私に見る目がないんでしょうけど、ぱっと見で、FSでは、彼女が一番技術高い演技だったかと思った。(次の鈴木選手とかの方が、順位上だったのが、自分的には意外。)

この中国の人は、たまたまこの日は良くできたのかもしれないし、ショートではもっと体硬かったとけど。
この「眠り」は、彼女が素で(ことさらに演技しなくても)
まだ無垢なお姫様そのものに見えて、チャイコ曲にジャストフィット。
演目を、この上なくよく表現出来ていて、3回転×2や、全ての難度技の軽やかさが、私にはオーロラそのものに見えて、眼福。

4.そして、浅田選手の「白鳥の湖」。

いや~、バレエ純クラ定番演目が、連チャンで、特に「眠り」あたりでもう、個人的には、バレエのり気分全開。

「白鳥」は、
フィギュア観点と全く別に、見るたびに手、腕の表情、表現が、前より良くなってて、その点はさすが、浅田選手、と思った。ジャンプは迷いが見えて、でも自分なんて、そういうのも表現要素として、たのしんで見ちゃうから。

今日のは、「迷える白鳥」でしたね。これを言ったら、ファンの人は怒りそうだけど、でも、「オデット姫」って、そもそも迷える姫なのよね。
パワー不足の今日は、黒鳥は出てこず、自分的には「白鳥」ばかりを感じました。

一方、今回、浅田選手は、客観的にはSPで、とても面白いことをやっていたな、と。

観客に先行して磁場を作る舞台アーティストは、いくらでも居るのだけど、今回のSPでの浅田選手は、そういう強引な引っ張りではなくって、観客と一緒に舞台の「場」を作っていくっていう、珍しいことを、結果としてやってました。
私も、こういうあり方は、はじめてみました。

こういう「場」の形成といい、あるいは、「白鳥」での腕の繊細・優雅な動きとか、その上体への流れとか、フィギュアスケートの加点要素とは別になると思うけど。
そういう、競技の点づけ以外の部分が、私には色々面白かったです。
(てか、もはやフィギュアの点数のつけ方詳細に、私は興味失ってる・・。)

浅田選手は、白鳥の腕の動きに心を込めようとしてたように、私には見えたけど、そういうのをやるより、やらない方が、ジャンプ決めやすくは、なるのだろうけど・・。

フィギュアとして、浅田選手にも、男子の羽生選手にも「え?一位?」とは、ちょっと思ったから、
個人的には、自分に厳しい浅田選手のコメントの方が好きだけど、羽生選手の方が要領はいいのかもね。

(自分は見る目がないんでしょうが、女子は中国の子が優勝かと思ったけど、浅田選手でよかったです。)

(内容的には、難度高くてミスも出した羽生選手と、難度下げてゆるやかな1位の浅田選手は、比べられないかもしれないけど。)

自分が一番好きだったのは、当然ロシアのマカロワの繊細な芸術性ですが。
マカロワは、SPが特に素敵。FSは本人、不本意な出来っぽかったけど、宮城の大会の芸術レベルをあげてくれて、現地の熱く暖かいお客様には、良かったのでは、と。

あ、今回、宮城のお客様たちの客席の雰囲気が、TV見てて「良いな」と思いました。

男子の2位、高橋選手、個人的にはこのみじゃないけど、とてもいい出来に見えました。
この選手の演技で、はじめて心を動かされた。。(ファンの人、ゴメン)

私は、男性が自分を見せる踊りを、好きではないのだけど、今までのそういう高橋選手の演技に、今回はもう少し奥深いものが加わったように見えた。技術の高さに、気合がみなぎってた。まさかと思うが、コーチがモロゾフになったせい?(違うかな?)

やっぱ、自分って、ロシア系(コーチの教え方)好みってことなのか?

私は、羽生選手は、もう世界選手権の時とは別の選手になったと思ってるし、あのキム・ヨナを優勝させたオーサーと組んだ時から、何があっても驚かない気でいたので、ま~、変わっちゃったけど、こんなもんかな、と。

前に感動したことのある選手だから、変わっちゃったけど、ま~、優勝してよかったかな。表現特性のある人だったけど、(オーサーと組んだらキムもこうなってたし。)今回、羽生選手の演技に表現性の面で、「ノートル・ダム・ド・パリ」の世界を、自分は感じなかった。世界選手権の3演目には、それぞれの作品世界を感じたから、それがなくなった。けど、それより難度あげあげプロでも、もう少し後半無難に持たせられるようになればいいかな~と。今は、作品世界の表現よりも、技術を安定させてくれた方が、ヒヤッとしなくて済む。

ナルっぽいのは、この位だと個人的に好みじゃないし、以前の、表現に入り込めてた方の雰囲気が自分は好きだけど。

(ダンサーのマラーホフの昔のナルシス系は、あの位はまってると気にならなくなってた。)

そんなことより、羽生選手は、メダル取る為にオーサーと組んだんでしょうから、ま~、取りに行けば、って感じです。
この人は、きっと野心や欲はある人。それがないと才能だけでは、上には行けないから。

一回前、気に入ってた選手だから、手放しで喜べる勝利ではないけど、やっぱり勝てて良かったと、心が思ってる。

周りが甘やかしそうで、こわいけど。
浅田選手に甘く、羽生選手に辛い自分。今の彼のナルちゃんぶりを、残念に思ってるけど、でも、かつての才能を思うと、この勝利に、賞賛でなく、辛いこという価値はある人だと思いたい。彼の才を惜しむから、あえて「こんなもんで満足するほど、馬鹿じゃないよね?」って、ひっそり言っておきたい。

長洲未来選手。この人も芸術性に妙味。始めて見たとき、他の選手と教養、育った土壌が違うような気がしてた。彼女が滑る時、彼女の心と頭に流れている音楽を、私も感じることが出来た。今日も。競技選手だけど、それだけではない、音楽を愛する彼女の生活を、彼女のスケートから感じるのが楽しい。

鈴木選手は、う~ん、もう少し、きれいに全身を使えればいいのに、と随所で思うんだけど。それをやっちゃったら、もっとミスが出るんでしょうね、誰しも。
だからこそ、きれいに滑れることにも価値も出てくるのだと思うけど。

とりあえず、おめでとう、真央ちゃん!(ていっていいのかな。次も楽しんでリンクに立ってね)彼女って、「季節感:春」だな~。

羽生選手は、素晴らしかったロミオを私は忘れない。
成功して、メダルも取ったら、もう一度、表現に身を浸せる別の個性に戻ってくれたら、嬉しいな。今は欲しいものを得るために頑張って、といいたい

さて、怪物君・オルフェのご機嫌はいかに。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ギャラリー1 | トップ | NHK杯 ペア・フリーとか »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事