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懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

テレビでバレエ

2007-09-27 03:35:44 | Weblog
「フェリ引退公演」

このバレエ公演、ガラコンなのにチケット高すぎること、旬を過ぎたダンサーで儲

ける業界のやりかたに反発して、「行かなかった」バレエファンも多かった。

行った知り合いは二人だけだった。

実の所、芸術家としてのフェリの本当のファンならば、このガラよりも、「オテ

ロ」全幕上演の方が、「今のフェリ」を生かした企画になったと思うことだろう。

テレビでやっていたので、「オテロ」のパドドゥを見られた。

舞台を見に行った知り合いはこの作品を特に評価してはいなかったので、さほど期

待していなかった。が、実際に見ると、どの作品よりも「今のフェリ」の個性を

良い方向で引き出していた。年齢を重ねたプリマがその人を一番生かした振付作品

を捧げてもらえるとは幸せなことだ。


デズデモーナ。人妻。

顔は清らかな「白」のイメージの美しさ。しかし、長いスカートがまくれて剥き出

しになったフェリの下肢の猥雑さときたらどうだろう!

この脚が動き、パートナーに絡む,ダンスの表情。なんだかな。

シェイクスピアの原作上は、悪いのはただオテロの猜疑心、ということになってい

る。でも。

フェリのデズデモーナを見ていると、いわば「真相は藪の中」めいた所があって、

この文学作品をもっと複雑なものに見せて興味深かった。

人妻。

不貞があるのか、ないのか。

彼女は人の想像力をかきたてる存在なのだろう。

オテロ役は適役に見えた。

演技派扱いされるフェリだが、ここでは受身に徹し、むしろオテロ役の懊悩とラス

トシーンの慟哭の演技の方が印象に残った。

フェリは無理に若い処女を演じるより、こういう役の方が自然に見えた。


★あとは無礼講のような公演で、「フェリ引退」をイベントとして素直に楽しみた

い観客とフェリとの交流の場のような公演だった。

★「エクセルシオール」を踊ったロベルト・ボッレ。

何度となく見ているダンサーのような気がするが、最近見た他のガラコンの出演ダンサーよりソロのテクニックが堅実で、至極まともに見えた。

高く安定したジャンプ、宙を切るときの完全な開脚、着地の安定感・・。etc.

ここのところ見たダンサーの水準が低かったのか?

★「白鳥の湖」
最高のテクニックを見せる踊り手ではないが、ABTのジュリー・ケントのオデット、
一生懸命さが好ましい。あの年齢、キャリアで白のプリマの清新さを失わず情もあって。ここにドボロベンコ位のテクニックが入ればもっといいというのが、一般論だろうけど、そこが足りなくて、でも謙虚に頑張って美しく微笑んでる所にこの人のダンスの美を感じてしまうのはマニアック?

★「マノン」沼地のパドドゥ

これは、いつもマンガ「アプローズ」を思い出してしまう。

フェリ以外のダンサーで、新鮮に演じられる人で見てみたい。

音楽の演奏が「感動しろ!」と命じているようだ。演奏だけでも最高潮に盛り上が

る。

この場面については、ギエム、コープの全幕も見ているし、また別掲でどこかで書きたい。

フェリはいいっちゃ、よかったかな(妥協)

ただ、あまりに演じすぎてしまっていて、お芝居っぽい。

それと役の解釈、ちょっと違うので見てみたい、これは単に好みの問題だけど。





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