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想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

春嵐と白木蓮  早春4

2010-03-22 00:20:02 | 

ここは風の谷、強風大風は珍しくないけれど……一日前の暖かさが
ウソのような嵐であった。
ゴウゴウとうなる風の音に訪れた人はびっくりしただろう。
うさこは慣れたけれど、犬も猫も外に出たがらないくらい荒れた。
雪の下にあった落葉がクルクルと渦巻いて押し寄せてきていたかと
思ったら、やがて雪が舞い始めた。



春の雪をことのほか冷たく感じるのは気持ちのせいもあるだろう。
春、春と温もりを求めて喜んでいるところへひんやりと降って
くるのだから後ろへ引き戻されたような気になるのだった。
こういう日を繰り返して本当の春がやってくる。そうだと知って
いても春の嵐はめいわくな、意地悪なものである。

日曜日午後からカメの手伝いで植木を移植する作業をした。
今年もまた宇都宮の宮司さんが18本もの若木を運んでくださって
それを急ぎ土へ戻してやらねばならなかったのである。
春の嵐なぞ言っていられないのであった。さっさか片付けて、
あとは大物のドウダンツツジ5本だけ残して終えた。

庭の特等席から見えるところへ白木蓮を、その手前の中央へ紫木蓮を
据えた。紫が好きだと言ったら、このあたりは生育する北限で無理で
はないかと言われていたのだが持ってきて下さって予想外でうれしい。
小さなつぼみがついている。育ちますようにと願いながら植えた。

白木蓮は最近マイブームだった「真田太平記」(池波正太郎著)で幸村
が好きな花として出てくる。
物語られると眺め見るにも前とは違った風情を感じたりし、白がただの
白ではなくみえてくる。

幸村が白木蓮を好きな理由は、「おこう」という名の真田の忍びの者
との出会いを思わせるからであった。
強く凛とし、春とともに必ずや咲く花、純潔と信念を表しているという。
白木蓮は物語の大事な脇役で、変わらぬ想いという言葉など花言葉に似合い
そうであった(そんな言葉は小説には出てこぬが)。
花のイメージを人に重ねる、池波正太郎の小説には時々そういう場面が
あって、男の戦場や盗賊改め、仕掛人の梅安など殺伐とした世界を描き
ながら深い情をも感じさせる。
好きな理由はそういうことにもあるかもしれない、まだまだ奥深そうで
よくわからないが…。

コメント
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