想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

7月8日夕刻 白い月

2022-07-14 16:02:55 | Weblog
その日。
まだ明るい空、東南のやや高いところに小さく
白い月が見えた。昨日が上弦だった。
あまり変わりない月齢9.0。

一週間が過ぎた今日は満月。
深く雲がかかり朝から小雨が降っている。
夜まで降ったりやんだり続くようだ。



下野草の花もそろそろ終わり。
花の色が褪せていくのが今年は早い。
強い風雨の日が続いたせいだろうか。

東京から戻ったら、葉を茂らせた桜の木の
枝が折れ、地面へ垂れ下がっていた。
さらに奥へと歩くと隣地の木が小川を跨ぎ
こちら側へドウッと倒れていた。



木の先の方が松の木にぶつかり粉々に砕けていた。
朴の木だろうか、大きな葉が幹に絡むように
生々しく広がっていた。
樹皮に苔むして、古い、大きな木だ。
風が吹いて、倒れた。
無惨なさまにまとわりつく大きな朴葉は
他人のような顔をしている。

死にざまは生を映すものと学んだ。
いかに死すかはいかに生きたかの証だ。
その人生を偽って、死者を弔うことはできない。
この一週間、偽りの美談で塗り固め英雄を
作り出していく人々の言葉が溢れていた。
あたりまえのことだが少しずつ事実を語る
声が混ざるようになってもきた。
すると欺瞞が常習となった人々はさらに
声高になっていく。

この森はかわらずおだやかな夕暮れ。
ひぐらしの鳴き声は16時05分から始まり
(気になって先週時計を見ていた)
波打つように聞こえ19時18分に静まる。
風のない日は静寂とともに厳かな気配。

空が白み始めると、野鳥が朝4時には
にぎやかにさえずる。
いまのところ私の邪魔をするのは日中の
カラスくらい、9勝1分けという観じだ。
カラスと鳴きっこして負かすのである。
カラスはわたしをアホな奴と思って
森のさらに奥へと去って行く。














コメント
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