想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

不忠者にあらず

2010-03-02 17:16:46 | Weblog
 (おっかあがまだウンチを褒めてくれやせんのだ、とほほなのだ)

昨今、いや明治維新以来といったほうがいいだ ろうか、忠義なる言葉は
日を追うごとに忘れ去られているようだ。
忠誠や忠義などシュレッターにポイでさあ次行くよ~みたいなもんで
ある。捨てられすっかり廃れてきたようだ。
はては大日本帝国の時代を思い出すとでもいうのか「愛国心」と並んで
その正しい意味、本意と離れたイメージ(このイメージというのがそも
そも問題なのだが)が付着してしまっているように思う。
そのくせ(くせといいいたいくらい)四十七士の仇討を毎年末になると
飽きもせず観ている。なんじゃこりゃーニホンジン、だ。

野党自民党から民主党への鞍替え議員が5人になったというニュース。
頭をよぎるのがニクンニツカエズ(二君に仕えず)という武士の心得である。
3人目くらいまではフーンとぼんやりしていた。
ところが5人になった。
党を変えるのは主人、君主を変えるのと同じである。政党政治家は党の
主張が主人であり、政党助成金の分け前で活動するんだからな、鞍替えは
忠義に反しているといってもまったく外れてはいないだろう?

いや、わかっている、わかっているよ。もち、うさこだってそのくらい、
わかっちゃいるけどね~~、言ってみたいのさ~~。
もともと主義主張より人脈金脈なんだもの、コロコロと変わるってこと
くらいわかっちゃいるさ。

政治家なんか引き合いにだして忠義を語るほうがどうかしてるって?
その党利、いやその通りでござる。
不忠者といえば、小早川秀秋であるぞ。
関ヶ原で西軍から東軍へ寝返った、あの殿さま。四百年経っても裏切り者
の烙印は消えない武将。戦乱の世とはいえ不名誉なことで、その反対に
位置して名君の誉れ高く語り継がれる上杉氏や真田氏と比べれば歴然、
忠義を忘れたる者に下される罰は重いんである。
不忠なれば、覚悟がいるんである。キッパリが大事である。

いやいやそんな世の中単純じゃないんだよ、時代が違うんだよ、時代が
と言ったそこの若造クン。 おろか者! 時代は関係ないんだよ。
志は不動なのじゃ。時の波に洗われて丸くなる、なんてものはそもそも
ヤワイんじゃ。堅くなければ志ではないんじゃ、義じゃないんじゃよ。
おろか者よばかゾウ君、いや若造クン。

忠とは、義とは、心の話なんだかんな。時代で心が変わると思ってんのか、
変わってんのは前頭葉部でセコク回転している脳みそじゃ。
おめえさんの海馬の隅っこのちっちゃいメモリーボックスにころがってる
スカスカの情報を使いまわしして頭ひねってるつもりだろうけど、あっち
いきこっちいきして、つまるところ目先の利を追っているんだろうが。
それが正しけりゃ、小早川秀秋だって化けて出て戯作者を名誉棄損で
訴えてるだろうさ。

忠義とは語るは易し、行うは難しなのだよ。
ゆえに美談になるのである。人は手を汚さずして美しいものをタダで
ながめるのが好きだからねえ。それだとイタくもカユクもないからねえ。

うさこは「真田太平記」にて武士の魂、忠義をお勉強中であるからして、
雑言許してたもれ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする