スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

戦後の憂鬱

2015年08月19日 | 雑感
8月15日・戦後70年安倍首相談話が発表され、北海道新聞にも(全文)が掲載されていた。
      安倍首相談話全文

≪ 不戦の誓い 疑念(おわび遠回し)と評価(市民が動かした)≫ 新聞紙上でこの二分の反応が目立った。

首相の談話を読むと、自らの歴史観と過去の談話そして日本世論の動向との間でかなり揺れ動いた
苦心の末の談話と感じた。 よく言えばそうだ。  でも悪く言えば 総花的自己矛盾内包型談話。


以前自民党の谷垣幹事長が戦後問題で、【首相は「なんで日本だけが悪者にならなければならないんだ。
誤り続けるのはやめたい」と思っている】と語っていたという。 あえて持論を微修正で網羅し、総花的
な談話にしたのでは。 そんな感じがしたのは私だけではあるまい。

過去の中国や韓国の過激ともいえる対応にも安倍首相の鬱積した思いがあったに違いないとも思う。

本文に『隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み』とあったが、インドネシア・フィリッピン
はじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国と列挙、この二カ国を最後に列挙していたことからも覗えた。

先日水間政憲著『ひと目でわかる日中戦争時代の武士道精神』を読んでいたらこんな記述がありました。
(南京事件は中国共産党の抗日プロパガンダであるとの思いから書かれた本)

この本を書いた水間氏は、主に右派が投稿する≪SAPIO≫という雑誌によく出てくる人だ。

昭和39年、社会党の佐々木委員長に「中国国民に多大の損害をもたらして申し訳ない」と挨拶されて、
毛沢東は、『 何も申し訳なく思うことはありませんよ。 日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらした。
中国国民に権利を奪取させてくれたではないですか。皆さん、皇軍の力無しには我々が権利を奪うことは
不可能だったでしょう。』
(著書『毛沢東思想万歳』下巻)

歴史認識も為政者や体制が変われば変わるものだが、それでは困る。

もちろん首相もそうだが、歴史観って 人により右から左まで大幅な開きがある。
なにが 事実なのか どれが 真実なのか 国民は しっかり 見極めなければならない。 


日本では戦後生まれ世代が人口の8割を超えているという。  談話で一番肝心なのは次の箇所だ。

『あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその世代の子供たちに、謝罪を続ける宿命を
 脊負わせてはなりません。しかし、それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面
 から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります』


朝鮮文化に無念さは決して忘れてはならないという ≪ハン(恨)≫ という文化が脈々とあるという。
日本はというと、 ≪水に流す≫: ≪恨みは水に流すべし 恩は石に刻むべし≫ という文化だ。


終戦記念日にあれだけ埋め尽くされていた終戦・戦後の記事やテレビ番組も、数日経つと殆ど消えて無い。

日本らしい といえば それまでだが ・・・・・。