スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

♪ 今は男の濃紫(こむらさき) 

2013年10月25日 | 雑感
北海道はめっきり秋らしく、紅葉もめだつようになりました。

こちらの紅葉は『赤』が少ないとよく言われます。

狭義には、赤色に変わるのを 「紅葉(こうよう)」、黄色に変わるのを 「黄葉(こうよう、おうよう)」、褐色に変わるのを 「褐葉(かつよう)」と呼ぶのだそうです。

はっきりした赤や黄はだれでも描ける。  少しくすんだ褐葉が実にいい! (なんて負け惜しみか!?)


その褐葉の10月末近くのころ、実家の七飯町(函館近郊)に数日間立ち寄った。

高校の同期会に出席するためである。 卒業して数十年経つが今回が二度目の出席。

それぞれ相手の生きざまなんぞ殆ど知りようもなく、ただ懐かしさだけの挨拶や言葉の交わりが続く。

なんとも不思議な、それでいて心地よい暖かな空気が流れていた。

こんな出会いもまた良し、、か。



今回は、中学時代からの親友二人にも数年ぶりに再会することができた。

人生というものは、数年で、いや一瞬で変わる時もある。

ひとりは愛する妻を亡くし、ひとりは母を亡くしていた。 どうしようもない悲哀を胸に、重い荷を背負いながらも二人とも精いっぱい生きていた。

あっと言う間の語らいではあったが、友の有難さを痛切に感じた。

私の身勝手な永年の不義理の溝をも埋めていただいた気がする。 心を許せる友に感謝である。


" がんばっていこうぜ ”、、、心の中で自分にそう言い聞かせた。

あといくばくの人生、、、今は男の濃紫 、、とはとてもいかないようではありますが、、。

西行の歌にこんなのがある。


   野辺の露 草の葉ごとにすがれるは 世にある人の 命なりけり 

落ちまいと必死にすがっても、蒸発するしね(笑)

でも、出来うることなら明るく生きていきたいものです。


台風の北上とともに、雨に煙る 『美しくくすんだ褐葉』 を横目に、車をひとり走らせ帰途についた。