プロムス2009が開幕した。これまで2年間、TV鑑賞のみだったが、最近の演奏会出没頻度を鑑みると、パスはお手ごろ、と購入。
実は、ロイヤルアルバートホールを訪れるのはこれが初めて。どう考えてもクラシック音楽向きのホールに思えない、というのがその理由。果たして。。。?
第一曲目はストラヴィンスキーの「花火」。なるほど、金管を聴くにはそれほど悪くないかも、などと思っていたが、悲劇はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第3番で起こった。
ピアノの音がぼける。喩えて言うならば、画用紙を水で濡らし、その上に濃い水彩絵の具を垂らすと、中心は色濃く、周囲にぼわっと薄く色が滲む、そんな感じである。ピアノの鋼鉄弦の金属的な音(ガーシュウィンのラプソディーインブルーのような曲で時々聴くような音)だけが響き、その周りを滲んだ音が囲んでいるようだ。
スタニスラフ・ブーニンというピアニストが労音主催で行った、「ブーニン in 国技館」という、とんでもない企画の演奏会が20年(以上?)の歳月を飛び越えてまざまざと記憶に蘇る(人間の脳とは何と良くできていることか!)。そういえばあの日のブーニンも、今日の指揮者&オケと同様、白いスーツだったような。
休憩後のラベック姉妹によるプーランクの二台のピアノのための協奏曲は、チャイコフスキーほど悪くはなかったように思うのは曲の性質か、ソリストか。それにしてもラベック姉妹、お姉さんのカティアなどすでに59歳!しかし、いまでも30代と言っても十分通用するのではないか、といった様子。
恐るべし、フランス女性。(あやかりたい)
プロムス2009、演奏会ではなくイベントと割り切るのが賢い楽しみ方なのだろう。