ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

京都迎賓館

2014-08-04 10:00:11 | 京都
京都迎賓館を参観してきました
今年は、正倉院の見学会が終わり、薬師寺東塔の見学会も予定されて無い様子。
それでは寂しいので、参観を申し込みました



以前、京都迎賓館の見学に行った知人から、「どれもこれもダメ!ダメばかりで窮屈でイヤやったワ」
と聞いていたので、申し込むのを躊躇していたのですが・・・
でも何事も経験!という事です

京都迎賓館は2005年(平成17年)4月に京都御苑内に開館しました。
内閣府が管轄しています。因みに京都御苑は環境省、その中にある京都御所は宮内庁の管轄だそうです。
京都在住の知人から聞いたのですが、建設反対の動きがあったようです。
市民の憩いの場が狭くなりますからね。

一番近い、清和院御門からはいると・・・



通用門である南門(つまり裏口という事)から入ります
裏口とは思えないくらい立派



此処から、撮影禁止
地下駐車場で、荷物検査を受け、金属探知機を通り、持ち物全てをロッカーに預けます
カメラだけはOK
夫は、持っていたハンカチをポケットに入れるように言われ、
帽子はOKだけど、館内で脱いだり被ったりするのは禁止、といわれてげんなり。。

正面玄関だけ、撮影が許されてます
ここで、スリッパに履き替え入館。



金屏風、では無くて銀屏風というのが素敵です




玄関を入ってすぐ「聚楽の間」
この部屋は、ロビーとして使われたり、随員の待合室として使われたりするそうです。
「京指物(きょうさしもの)の技能と有職織物を用いた椅子」なのだそうです。


織物のアップ



竹工芸の飾り台と花籠




釘隠し
これは「千代結び」




次は「夕映の間」
この部屋は、大臣会合などの会議や立礼式のお茶のおもてなし、晩餐会の待合としても使われるそうです。

西側には洛西の風景を描いた織物「愛宕夕照」



真ん中には白砂の庭と清水六兵衛の焼き物



東側には東山の風景を描いた綴れ織「比叡月映」



調度品の螺鈿飾り台「山紫水明」



この御名前!!嬉しいですね~奈良の人間国宝の方です(昭斎さん)
制作されたのは息子さん



「藤の間」迎賓館の中でも一番大きな部屋です。



ここで洋食の晩餐会が行われるので、そのセットの一部が展示されていました。
テーブル席では60名、円卓では120人の会食ができるそうです。

ここでも・・・





天井
美濃和紙を使っていて、 可動式の照明だそう



舞台では、日本の伝統文化である舞・能や琴の演奏、雅楽などが披露されるそうです。
扉の截金は故・人間国宝、江里佐代子さんの作





壁面には、縦3.1m 横16.6mの大きな織物。
四季おりおりの日本の花が咲き乱れています。
いったいどんな織機で織ったのでしょうか・・・・?





釘隠し



桐の間


堀こたつになっているので、正座に慣れていない外国の方でも大丈夫そうです。
ここでは、京料理などの「和食」が提供されます。
座椅子の背には、日本政府の紋章として使用される「五三の桐」が見られます。

中央には一本の木で出来た12mの漆塗りの座卓
鏡のようです



釘隠し



床の間



ほとんどの人は気づかない天井に注目!!
この天井に使われている杉の板
奈良が誇る吉野・川上村の杉が使われているのです
(樹齢260年 高さ48m)

幅50cm長さ12mの一枚板継ぎ目無し中杢(なかもく) 無節が使用されています。
こんな材は日本中どこを探してももう見つからないという話でした。
製材した当時はほんのりピンク色、年月が経って飴色に変わってきてるそうです

京都新聞の記事




畳は最上級のいぐさを栽培し「中継表(なかつぎおもて)」の技法で制作されているそうです。 
普通の畳はイグサを端から端まで使うのですが、中継表はイグサの良いところだけを使用するため、
真ん中で継ぐ技法とのことです。 
うっすらと畳の真ん中に継ぎ目の縦線が出るのが趣があるそうです。 



鹿に手入れしてもらってるのかと思うほど、美しい庭の芝生



和舟
舟底が平らなのが特徴



京都迎賓館は、歴史と伝統のある京都ならではの技術と格式があります。
素晴らしいですが・・・

国賓をもてなす迎賓館ですから、仕方ないとは思いますが、
私たちが利用できるお手洗いは、仮設の工事現場にあるような物だし
廊下ではカーペット部分から木の床にスリッパがはみ出すと、即注意されます

係の方の言葉遣いは丁寧なんですけど・・・
扇子を使ってはいけない、ポケットをゴソゴソしている人には警備員さんが取り囲んだり
持ち込み禁止の携帯電話が鳴ると、そりゃもう大事件!!
知人の話以上に窮屈でした。。。
一緒に行った夫は、不機嫌この上なく、家に帰るまで機嫌取りに疲れました。。。

夫からは二度と行かない!と言われたので、来年はもし可能でしたら一人でゆっくり見学したいと思います
うるさく言われるのは、嫌ですが、素晴らしい工芸品をゆっくり拝見したいですから。

(でも本音は、一度見れば十分)



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