墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

追伸 レミング日記

2006-01-27 21:24:27 | 駄目
From: protozoa
Subject: レミング日記
Date: 2000年8月5日 0:53:42:JST
To: ani

 彼は間違いなく本物のレミング野郎だ。
 とうとうやっちまたよ、もう駄目だよ。
 崖っぷちとーりすぎて、もう空中で平泳ぎ状態だよ。

「いや~。やっぱりカメラ会社のカメラはいぃ~よね~。もぉ、びっくりしちゃった。ものすごきれーなんだんもん。もぉーすげーしあわせ。」

 買っちゃたんだね。新しいデジカメを。収入もないのに!

「あのさぁ晴れた日に撮った風景なんてすげーんだよ。ものすげぇ細かいとこまで、ばっちり写っててさあ。拡大してみても、ちゃんと、葉っぱの一枚一枚まで、確認できるんだよ。デジカメでここまでできるなんて、感動だよ。それに、そいつをフォト光沢紙でプリントアウトなんかしちゃたりした日には、ほんとの写真かよみたいなでさ、うちのプリンターも、けっこうやるじゃんてな感じよ。ま、多少印刷のスジが目立つけど、そんなもん目つぶったら見えないんだから、ぜんぜんOKだよねぇ!」

 あのさ、税金おさめて、年金はらって、メモリかって、カメラかって、なおかつ48MBのコンパクトフラッシュカード2枚も買って、プリンタ紙まで大量に買っちゃて。もう、貯金は5万円しかないんだよね?

「いや、さすがの俺もどのカメラ買うのかは迷った。
 秋葉原行く前にさ、雑誌の特集とか見て、画質とか、メーカーとか、あるてーど目星はつけてったんだわ。
 でも、秋葉原についてさ最初の店で目星のカメラを手にとってみてビックリ。コレまじ一眼レフカメラだわ。こいつをもっておさんぽは、ちょときついかも。
 ま、そんなかんじ。
 じゃあ他のカメラは? 
 ってことになってアレコレ手にとって見ていたら店員が登場!
『お客さん、こいつがお勧めです。キャノンのIXY』
そのデジカメは昨日俺がまっさきに候補からはずしたやつだ。
 そんな小人のカメラでちゃんと写るのかよ? だいたいそれ300万画素じゃねーじゃん。
『いやいやお客さん、画素数にこだわんのは、おやめになったうがよい。見て下さい。こっち300万画素、こっち200万画素。どっちの写真もたいしてかわんないでしょ。』
 確かに俺は違いの分からない男だ。微妙な違いはわからん。
『それに、これいま女の子に大人気で、どこいっても売り切れなんですよ。うちも、もうこれ一台きりしかないんです。』
 いや俺、女の子じゃないし。300万画素じゃなきゃなんかやだ。
 まだ店もいっぱいあるから、またくるよってなかんじで店を後にして、秋葉原めぐってみてビックリ。
 どの店に行っても、デジカメの値段って同じ値段でやんの。
 これじゃ、どこで買ってもいっしょじゃん。
 もひとつビックリしたのが、まじでさっきの店員お勧めのカメラは大人気らしくて、どの店にいっても売り切れている。
 もしかしてさっきのカメラは秋葉原で最後の一台!!?
 そー思ったら、なかなかしっくりくるカメラがみつかんないこともあって、きゅうにあのカメラが欲しくなり、そっこー戻って買ってしまった」

 おいっ!! そんなことより、15日にゃあ家に5万円いれなきゃなんないんだろ?生命保険料も年金も払わにゃならんし。

「さて!ここでクイズです!俺が買ったカメラはズバリなんでしょう? 正解者には俺特製の醤油の染み付きマウスパッドをもれなくプレゼント!!」

 私からもクイズ。
 彼が次につく肉労系の仕事はいったいなんなんでしょう?
 正解はつぎのレミング日記で!!


レミング日記

2006-01-27 20:21:03 | 駄目
 ちなみに、これが俺のコンピュータに残っている最古の送信済みメールである。これが、はじめてのメールのはずはないのだが。
 コレ以前のデータはどこかに消えている。
 この文章の中で語られている「彼」は、「俺」の事である。
 この頃、100万画素たらずのデジカメを買い、写真撮影に凝っていた。正直デジカメの可能性に驚いていた。
 デジタルに触れはじめた頃の新鮮な感性で描いているが、今と芸風が変わらない事に笑いを覚える。

> From: protozoa
Subject: レミング日記
Date: 2000年8月3日 16:05:30:JST
To: ani

 彼は最近デジカメに凝っている。

「いや、もともと写真って好きだったし、散歩の時もってでるといーんだよね。ただ、漠然と散歩している時には見えなかった、いろんな物が見えてくるっての。まぁ、カメラマンの目ってやつすか」

 でも、彼はデジカメの性能には不満らしい。

「なんかもー、ピントが徹底的にあまいんだよね。ねらったとこに、ピントがあわないってのは本当もーやだよね。しょせんは、一万円のカメラってかんじ」

 ほんとは彼は、どーも新しいデジカメがほしいらしい。

「ば、馬鹿ゆーなよ。いまさらデジカメを、もう一台なんて買う金ねーよ」

 さすがの「レミング内山」も貯金残高が十万円を切った最近では、破滅への加速度をすこしはゆるめたようだ。
 だがしかし、破滅の女神は彼をけしてうらぎったりはしない。

「なんだこれぇ!!」

 散歩から帰ってきてデジカメのデータをたちあげてみて彼はショックをうけた。

「なんだよ!今日とってきた写真、全部だめじゃんかよ!!」

 なんと、画像閲覧ソフトでたちあげたデジカメの画像データは全てガジガジのブツブツ。とても見られたものではなかった。

「壊したかな」

 彼は昨日、机のかどにはげしくデジカメをぶつけている。

「もしや、あの時ぶつけどころが悪くて、デジカメの繊細な電子部品に大ダメージをあたえてしまったのか!! いかん! ぶつけて壊したデジカメ修理にだしたら、また金がかかる。たとえ、なんとかごまかして無料保証がきいたとしても、修理の間はデジカメであそべない!!」

 最近の彼はデジカメの写真をモニターで見ることぐらいにしかコンピューターを利用してないので、デジカメが駄目となるとコンピューターまで持ち腐れてしまうのだ。

「修理にだすしかないか。まてよ、人間、前向きに生きなきゃ駄目だよな・・・。デジカメであそびたい心を偽ってまで、おとなしく修理が終わるのを待っているなんて、人として人に生きてない!! 買おう!! 新しいデジカメを! デジカメも新しくなる上に、修理期間も関係なくずっとデジカメであそべる!! これぞ、超前向き! 上をむいて歩こうだよ!!」

 前向きに猛スピードで崖にとびこんでどーする。
 て、ゆーか後ろ向きで崖にとびこむやつは、あんまりいない。
 さて、てゆーわけでデジカメを買いに秋葉原まで出かけようとした彼の目にCDのケースが写った。
 
 『大戦略』

 昨日、彼が980円で買ってきた中古ゲームソフトだ。

「ああ、これってモニターを256色にしないとあそべないんだよね。」

 ----はっ!-----

 彼はなにかに気ずいたようだ。

「もしや、モニターの色数を最高になおしてやったら。」

 とたんに、ガジガジのブツブツだったモニターの中の写真はなめらかな画像へと変化した。

「なーんだ壊れてなかったのか。じゃあ、新しいデジカメ買う必要は、ないよな・・」

 彼はとても、残念そうだった。


持ち腐れ

2006-01-27 19:38:18 | 駄目
 スキャナーを買う時に友人にアドバイスされた。

「そんな高いスキャナーは買わないほうがいいよ。ぜったいに持ち腐れる」

 業務用の13万円のスキャナーを買ったのがいつだったのかは、正確に記憶していない。
 メールソフトを起動して、送信済みのメールを確認してみる。
 はじめて送信したメールの日付は、2000年の8月3日となっている。
 スキャナーとMacの本体は同時購入したので、この事から2000年の8月3日以前にスキャナーを購入したことが推測できる。まぁ、推測なんかしなくても、スキャナーの保証書さえ見れば、何年何日に買ったのか一発でわかるのだが、保証書を見つけ出すのがメンドイ。

 その頃の俺は、勤めていた会社を辞めて、漫画の構想をねっていた「漫画家志望の無職」だった。無職中の活動資金となる貯金は60万円ほどだったか。

 そんな俺がコンピュータを買おうと思ったのは、コンピュータさえあればなんとかなりそうだなと感じたからだ。実際はなんともなりゃしなかったけどな。
 コンピュータ購入の第一の動機は「デジタル漫画家」になろうというものである。そして、万が一にも第一志望がこけても、コンピュータさえあれば金が稼げるんじゃないかと甘い幻想を抱いてもいた。

 Macの本体が20万円程度。
 スキャーナーはA3まで取り込める業務用で13万円。
 それにモニターとプリンター。
 あわせて40万円をコンピュータの購入資金とした。

 これからはデジタルがいけそうだという思いつきだけで、60万円の貯金のうち40万円もつかってしまった。
 仕事を辞めた時には、この60万円で、実家で親のスネをかじりながら、なんとか半年ぐらい食いつないで、じっくりと漫画を描こうと計画していた。

 だが。

 仕事を辞めて一ヶ月もしないうちに、無職の活動資金の大半を食いつぶしてしまったのだ。

 さらに。

 コンピュータを買っていじりだしたら、あれもこれもと。
 ソフトも必要だ。デジカメも欲しい。記録媒体は必需だ。ということになって、たちまちに10万円ぐらい追加でとんでいってしまった。

 気がつくと、貯金はほぼなくなっている。

 アイタタタ!

 漫画をじっくり描く計画は即刻中止。
 コンピュータとスキャナーを購入した2000年8月の末には、もう運送会社で働きだしている。
 またもや、小銭を稼ぐ為の労働の日々の再開である。

 今にして思えば、スキャナーを買うのさえやめていれば、実家にいることだし二ヶ月ぐらいは食いつなげただろう。
 その間に、集中的にコンピュータの使い方をマスターするなり、漫画を描くなりしていたら、もう少しましな状況になっていたかなとは、今になって思う。

 友人の忠告は素直に聞くもんだ。