墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

年賀状

2006-01-03 17:55:51 | 駄目
さて、買い物に出かける用意はできた。
 顔を洗って、ジャンバーを着て帽子もかぶった。
 さぁ、出かけよう。忘れ物はないかなとチェックしてて、めんどくさい事を思いだしてしまった。そうだよ、年賀状の返事を出さなきゃならないんだった。

 こんな俺にでも年賀状ぐらいは来る。しかもありがたい事に3通も来ている。みんな過去にお世話になった方々からばかりだ。一度も俺の方から年賀状なんか出した事もないのに、俺の事を忘れないで年賀状など下さる。
 俺は社会人になってから、ほとんど自分から年賀状を送ったことがない。たいていは、来た年賀状に返事を書いてそれですませてきた。別に主義主張とかそんなものじゃなくて、単純に書くのが面倒くさいからなのだが。無精で申し訳ない。

 来たからにゃ返事を書かないとな。
 居間に行って、おふくろに年賀ハガキをせびる。

「年賀ハガキちょうだい。3枚」
「あー。お父さんが持って」
「洋子に渡した!」
「あ。はいはい。じゃコレ」

 ここがパラサイトシングルの真骨頂である。
 「年賀ハガキぐらいテメーで買え!」と一括されたらおしまいなので、様子を見つつも、でも親なんだからハガキの3枚ぐらいくれるのは当然だろというふてぶてしさを失わない。宿主は生かさず殺さずが寄生虫の仁義である。だが、宿主は確実にハガキ3枚分150円の生き血を吸われた。

 そんなわけで年賀ハガキを3枚手に入れた。
 まったくの無地のお年玉付き年賀ハガキだ。しかも無駄にインクジェット対応。あらら、印刷したのが欲しかったな。

 仕方がないので、とりあえずはボールペンといただいた年賀状を取り出す。
 自室のテーブルの上は空き缶が散乱しててハガキを書く場所なんかないので、最後に残った砦とも言うべきマウスパッドの上に、マウスをどかした後に親から入手した年賀ハガキを置いてみる。
 次に、帽子とジャンバーを脱いで、ジーパンのホックを外し楽な姿勢となって数秒の集中の儀式。
 集中力が高まった所で、一気にソレを年賀ハガキにぶつける。
 下書きも練習も無しの、ぶっつけ生本番。

 オオオオオオッ!!
 ただでさえド下手な俺の字が、マウスパッドの微妙なザラザラでドドド下手な象形文字と化して行くゼィ!
 コイツァーすげーや新発見だ!

 3分で3枚の年賀状の作成終了。
 
 見直し。

 これで、鉛筆で書いてあったりしたものならモロ小学生男子の年賀状だな。
 いや、べつにボールペンが大人って言うワケじゃないよ。
 ただ、これが鉛筆だったらもう誰が見ても大人が書いたとは思わないっていうはなしだ。

 まぁ、いいや。どうせ俺は些細な事にはこだわらないO型で、トリアタマな酉年だ。

 年賀状ができたので、もう一度、ジャンバーを着て、帽子をかぶり直し、ハガキをジャンバーのポケットに突っ込んでチャリにのって出かける。

 ポストの前で一時停止。ハガキをポケットから出す。あら、ハガキがゆがんでら。変な折り目がついてる。いいさ、折り目は郵政省のせいにでもしとこう。
 一応、投函する前に間違いがないかお日様のもとで最終確認。

 ウッ。見るに耐えん。慌てて汚物でも捨てるかのようにポストへ流し込む。

 あんな年賀状もらっても嬉しくもなんともないだろうなぁ。ほぼガキの年賀状だもんな。さすがに恥ずかしいかな。もう投函した以上は取り返しがつかないしな。なんと思われても仕方がないか。どうせ毎年こんなかんじの年賀状だし。
 
 ま。トリアタマだからチャリをひとこぎすれば、すべてを忘れる。
 前にしか進まないチャリ。

 まず。買い物に当たって金をおろさんとな。
 年末の忙しさと風邪で金をおろすのを忘れていたよ。
 しかし1月3日から金がおろせるとはすごい世の中だ。ガキの頃にお年玉貯金とかしてたけど、むかしは貯金をおろすのはたいへんな作業だった。

 銀行のATMに侵入。そのとたんジーパンがずり下がる。

 あれ。

 そういや、ジーパンのゆるめたホックとチャックをなおしていないや。
 社会の窓全開で銀行の防犯カメラの索敵エリアに侵入。まぁ、なんでもいいよ。防犯カメラの真ん前でジーパンをたくしあげてホックとチャックをしめる。
 なんかなにもかも結局はお約束だよなと思いつつATMで金をおろす。 


プログ

2006-01-03 14:35:21 | ブログ
モニターの前に座っているのも飽きた。
 そろそろ、本日の買い出しにでも行こう。そうだ今夜は久しぶりにレンタルビデオでも借りて観ようか、なんて事を考えつつ、繋がっているネットの接続を解除しようとしていたら、どうにも気になる文字が目についた。
 それは「ブログ人」のトップページである。その最新投稿紹介の欄に、どうにも気になる文字がある。
「洋子(仮名)のプログ」
 字が小さいし、読み間違いかなとも思う。実際、この画面では判別がつきにくい。
 こういう時は現場100回、あるいは百聞は一見に如かずの野次馬精神で現場に飛ぶ。

 タイトルを確認。確かに「洋子のプログ」だ。しかも致命的なのは、本文にも「プログ」って書いてある。
 昨日からはじめたらしい。記事はふたつ。
 内容を読んでみると高齢な主婦の方のブログらしく、なんか心にわだかまることが多々あるらしい。でも、書く事によって気持ちを整理しつつも将来につなげたいと書いてある。

「まだまだ頑張るよ」か。切ね~なぁ。
 出来る事なら、彼女のブログの中の「ブログ」の文字を、タイトルバナーまで全て含めてコッソリ「プログ」に書き換えてやりたい。「プログ」が当然だよって環境で書かせてやりたい。でも、まぁそれだけだとタダのいい人なんで、そのかわりに「プロフィール」は「ブロフィール」にしとくがな。
 まぁ、思い込みによる間違いなんだろうけど、実際、老眼にゃ「プ」と「ブ」の区別は難しいだろう。
 
 しかし、こういうのって気がついたら教えてあげるべきなんだろうなぁ。でも、俺が教えなきゃならないって事もないしなぁ。下手に教えてさ、年寄りだし、ショックで続けるのが嫌になっちゃたりでもしたら困るしなぁ。他人のブログつぶしたくないもんなぁ。どうすっかなぁ~。


徒然草 第百七十八段

2006-01-03 13:23:08 | 徒然草
 或所の侍ども、内侍所の御神楽を見て、人に語るとて、「宝剣をばその人ぞ持ち給ひつる」など言ふを聞きて、内なる女房の中に、「別殿の行幸には、昼御座の御剣にてこそあれ」と忍びやかに言ひたりし、心にくかりき。その人、古き典侍なりけるとかや。

<口語訳>
 或所の侍ども、内侍所の御神楽を見て、人に語るとして、「かの宝剣をその人持たれているぞ」など言うを聞いて、内にある女房の中に、「別殿の行幸には、昼御座の御剣である」と忍びやかに言った、心にくかった。その人、古い典侍だったとかさ。

<意訳>
 ある所の侍どもが、内侍所で行われた御神楽を見物して。
「三種の神器の宝剣を、あの人が持たれているぞ」
 などと仲間同士で語り合っていたら、近くの御簾の中にいた女房の一人が、
「別殿の行幸の時は、昼御座の御剣でございますよ」
 と、それとなく教えていた、心憎い。
 その女房は、古くからの典侍だったんだって。

<感想>
「内侍所(ないしどころ)」とは、三種の神器のひとつの鏡がおさめられている所で、その内侍所の前庭で12月に「御神楽(みかぐら)」という神を祭る舞いが舞われたそうである。
「別殿の行幸」とは、天皇が本殿(清涼殿)から別の建物に移動する事。
「昼御座の御剣」は、天皇が昼間、座っている部屋に、魔除けに置かれていた剣。
「典侍(ないしのすけ)」は、天皇のお側に常に仕える女官。

 イヤな段だ。わかりにくい。
 例えば、この段の真ん中あたりに「内にある女房の中に」という文がある。この文の最後の「に」には、「にいる女房の一人」という意味が隠されているなどと誰に想像できようか。テキストに書いてなかったら俺には一生わからなかっただろう。つまり、「(御簾の)内にある女房の中(にいる女房の一人)」という事を言いたいワケだ。省略しすぎだよ兼行。
 「にてこそあれ」も素直に訳しにくいよね。「こそ」があるから係り結びで、強調したいのはわかるんだけど、この場合「ある」ってことを強調したいんだよね。でも現代語の口調で強めると「にてこそあれ」の持つ、どこかささやかで忍びやかな雰囲気が無くなっちゃうんだよね。
 分かりにくて、むずかしいよ。

原作 兼好法師


火曜の朝

2006-01-03 08:54:53 | 日常
 散歩に行こうと外に出たら、雪でもふったのかと見間違うばかりにまっ白けだった。家の屋根も、車も、自転車のサドルも、地面も、道に落ちてる空き缶から木の枝まで書き切れないくらいにみんなまっ白け。
 夜のうちに雪がふったのかな。でも昨日は、午後からお天気が良くなって雪がふるような天気じゃなかった。これはすごい霜なのかもしれない。昨日の午前中にふった雨の水があちこちに残っていて、それが夜のうちに凍って、こんなすごい霜になったんだ。すごい。
 今朝は空の真ん中に薄い雲がただよってるけど、なんとなくいい天気。そしてすごく寒い。これだけすごい霜だものすごく寒いのは当たり前だ。
 矢川緑地に行ったら、木でできた歩道の上がジャリジャリに凍っていた。ものすごく厚く霜がはりついていて、それを見たらやっぱし本当は雪がふったのかなと思えてくる。
 ジャリジャリふみならして歩道を行くと、矢川から湯気がたっていた。どこにも見えなかった鴨がみんな矢川に集まって餌をあさっている。他があんまり寒いから冷たい川水からでも湯気がたつんだよね。でも、なんだか温泉が流れているみたいで見ていて面白い。
 太陽が降り注ぐ。いい天気。
 家に帰ったら今日は布団を干そう。