或人、任大臣の節会の内辨を勤められけるに、内記の持ちたる宣命を取らずして、堂上せられにけり。極まりなき失礼なれども、立ち帰り取るべきにもあらず、思ひわづらはれけるに、六位外記康綱、衣被きの女房をかたらひて、かの宣命を持たせて、忍びやかに奉らせけり。いみじかりけり。
<口語訳>
ある人、大臣任命の儀式の内弁を勤められますに、内記の持っている宣命書を取らないで、昇殿なされました。極まりなき失態なれども、立ち帰り取るわけにもいかない、思い煩はれますに、六位外記康綱、衣被りの女房を語らって、その宣命書を持たせて、忍びやかに奉らせました。すごかった。
<意訳>
天皇陛下が、大臣の任命を行います儀式の進行役を命じられました、ある貴族。
この人、内務省の役人が作った、大臣の宣命書を受け取らずに昇殿なさってしまいました。肝心の宣命書がなければ、大臣の名前を読み上げるわけにもいきません。なんていう失態でしょう。
しかし、すでに儀式は進行していて、取りに戻るわけにもいきません。思い悩んでいると衣を被った女官が、そっと宣命書を手渡してくれました。
少外記の役人の康綱が、女官達と相談して計らってくれたのです。
身分の低い役人であるのに、たいしたものだと感心しました。
<感想>
まるで「ショムニ」だな。
ショムニ風に超現代語訳するとこうなる。
<ショムニ風超現代語訳>
なんだかんだで満帆商事。
またもや、新社長を迎えての人事一新。
意気揚々と新社長のもとで、新人事案を提出する寺崎部長。口のうまさと愛想の良さを認められ、満帆商事の人事を社長にまかされる。寺崎部長は小踊りしながら人事部に戻ると、野々村課長に言いつける。
「明日までに新人事よろしく」
何で俺がと泣きが入りながらの徹夜作業で、新人事を書き上げる野々村課長。
朝日が差し込む。スズメも鳴く。
なんとか、新人事を完成させて、居眠りをしている野々村課長。
そこへ、なんという運命のいたずら。秘書課の新人が、海外事業部の重要書類を持って、のこのこやってきた。
「あら、部屋を間違えたかしら」
人の気配に気がついて、目を覚ます野々村課長。
「あ? 秘書課の新人か。悪いがコーヒーを頼む。うんと濃いやつね」
「わかりましたー」
新人は、書類を無造作に机の上に置いて、コーヒーを入れにいく。
そこで、ショムニ恒例の入れ替え劇。人事書と重要書類は入れ違った。
さて、最初に気がついたのは取引先に向かう右京。なんだコレは?
次に気がついたのは、人事発表の席についた寺崎部長。人事書のはずが、中身は英文の契約書。なんじゃコレは。
右京から佐和子。野々宮から井上課長へと泣きが入り、ショムニ発動である。
「なんでウチらが、寺崎や、右京のフォローをしなくちゃなんないんだい」
としぶりながらも、動き出すショムニ。タイムリミットはわずか20分。
テーマソングが流れるなか、不可能を可能にして、双方に必要な書類が渡された。
めでたしめでたしである。
が。
新社長のもとで、新人辞書を読み上げる寺崎部長。
「新人事部部長。庶務二課、井上課長。
新庶務二課課長。人事部、寺崎部長。
えっ! オレ」
ちょっとした千夏のイタズラであったのだが、事態は意外な方面に。
この続きを知りたい方は、フジテレビにでもお願いしてくれ。
原作 兼好法師
<口語訳>
ある人、大臣任命の儀式の内弁を勤められますに、内記の持っている宣命書を取らないで、昇殿なされました。極まりなき失態なれども、立ち帰り取るわけにもいかない、思い煩はれますに、六位外記康綱、衣被りの女房を語らって、その宣命書を持たせて、忍びやかに奉らせました。すごかった。
<意訳>
天皇陛下が、大臣の任命を行います儀式の進行役を命じられました、ある貴族。
この人、内務省の役人が作った、大臣の宣命書を受け取らずに昇殿なさってしまいました。肝心の宣命書がなければ、大臣の名前を読み上げるわけにもいきません。なんていう失態でしょう。
しかし、すでに儀式は進行していて、取りに戻るわけにもいきません。思い悩んでいると衣を被った女官が、そっと宣命書を手渡してくれました。
少外記の役人の康綱が、女官達と相談して計らってくれたのです。
身分の低い役人であるのに、たいしたものだと感心しました。
<感想>
まるで「ショムニ」だな。
ショムニ風に超現代語訳するとこうなる。
<ショムニ風超現代語訳>
なんだかんだで満帆商事。
またもや、新社長を迎えての人事一新。
意気揚々と新社長のもとで、新人事案を提出する寺崎部長。口のうまさと愛想の良さを認められ、満帆商事の人事を社長にまかされる。寺崎部長は小踊りしながら人事部に戻ると、野々村課長に言いつける。
「明日までに新人事よろしく」
何で俺がと泣きが入りながらの徹夜作業で、新人事を書き上げる野々村課長。
朝日が差し込む。スズメも鳴く。
なんとか、新人事を完成させて、居眠りをしている野々村課長。
そこへ、なんという運命のいたずら。秘書課の新人が、海外事業部の重要書類を持って、のこのこやってきた。
「あら、部屋を間違えたかしら」
人の気配に気がついて、目を覚ます野々村課長。
「あ? 秘書課の新人か。悪いがコーヒーを頼む。うんと濃いやつね」
「わかりましたー」
新人は、書類を無造作に机の上に置いて、コーヒーを入れにいく。
そこで、ショムニ恒例の入れ替え劇。人事書と重要書類は入れ違った。
さて、最初に気がついたのは取引先に向かう右京。なんだコレは?
次に気がついたのは、人事発表の席についた寺崎部長。人事書のはずが、中身は英文の契約書。なんじゃコレは。
右京から佐和子。野々宮から井上課長へと泣きが入り、ショムニ発動である。
「なんでウチらが、寺崎や、右京のフォローをしなくちゃなんないんだい」
としぶりながらも、動き出すショムニ。タイムリミットはわずか20分。
テーマソングが流れるなか、不可能を可能にして、双方に必要な書類が渡された。
めでたしめでたしである。
が。
新社長のもとで、新人辞書を読み上げる寺崎部長。
「新人事部部長。庶務二課、井上課長。
新庶務二課課長。人事部、寺崎部長。
えっ! オレ」
ちょっとした千夏のイタズラであったのだが、事態は意外な方面に。
この続きを知りたい方は、フジテレビにでもお願いしてくれ。
原作 兼好法師