墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

携帯を落とした人

2005-10-17 20:05:38 | 駄目
 今日の夕方。帰り道。駅のホームへの階段の途中で、携帯を落とした女を見かけた。別に土の上に落としたわけでもないし、汚れてもいないのに、慌てて携帯を拾い上げると、右手でパッパッとホコリを払う仕草をしてから、携帯を開いて機能確認をしていた。
 まるで痛くない痛くないのおまじないだなと思った。
 携帯はいくら落とそうと悲鳴をあげないし、泣き叫ばない。泣き叫び悲鳴をあげたのは、携帯でなく、持ち主の心だろう。大丈夫。壊れていないよねという気持ちが、変な動作を生んだのか。
 俺は、食い物を落としても、誰も見ていなけりゃ、そのまんま食っちまう人間なので、そこらへんの心理は、良くわからない。


徒然草 第九十段

2005-10-17 19:50:16 | 徒然草
 大納言法印の召使ひし乙鶴丸、やすら殿といふ者を知りて、常に行き通ひしに、或時出でて帰り来たるを、法印、「いづくへ行きつるぞ」と問ひしかば、「やすら殿のがり罷りて候ふ」と言ふ。「そのやすら殿は、男か法師か」とまた問はれて。袖掻きあわせて、「いかが候ふらん。頭をば見候はず」と答え申しき。
 などか、頭ばかりの見えざりけん。

<口語訳>
 大納言法印の召使いし乙鶴丸、やすら殿という者を知って、常に行き通いしに、或時出て帰って来たのを、法印、「何処へ行ったか」と問われれば、「やすら殿のところ参っておりました」と言う。「そのやすら殿は、男か法師か」とまた問われて。袖掻きあわせて、「いかがでしょうか。頭は見えませんでした」と答え申した。
 なぜ、頭ばかりが見えませんのか。

<意訳>
 大納言法印が召し抱えていた、稚児の乙鶴丸。やすら殿という男を知って、いっつも通っておりました。
 ある日。法印は、乙鶴丸がいつの間にか出て行き、コッソリ戻ってきたのを捕まえて問いただしました。
「何処へ行っておった?」
「やすら殿のところへ参りました」
「やすら殿とは何者か? 男か、法師か?」
 すると、乙鶴丸は袖をかきあわせモジモジと答えた。
「いかがでしょ。頭までは見えませんでした」
 なんで、頭だけが見えないんだよっ!

<兼好突っ込む>
 男色の話だ。乙鶴丸は法印の男色の相手で会ったのだろう。
「乙鶴丸。良いではないか」
「和尚様。僕こわい。ナニをなされるのです?」
「なれれば、こちらも良いものぞ」
「やめて。やめて。イタイよ和尚様」
「大丈夫だ。怖くないぞ。気持ちよくなるおまじないをしてあげよう」
「ウワーン。やめてよ。なんでおちんちんをしごくの」
「我慢せい。やがて前も後ろも心地よくなるぞ」
「和尚様。おちんちんがっ」
「だろ。そのうち白いのが吹き出すぞっ」
「和尚様っ」
「乙鶴丸っ」
 そういう世界だ。
 現代なら、児童虐待のレイプだ。
 そういうのって、もともとからの聖職者のお家芸なので、現代の聖職者がナニをしようが、ソレは聖職者の伝統芸能なので、法には裁かれるだろうが、驚く事はナニもない。
 が。兼好はそういう世界からは一歩も二歩も千歩ぐらいは引いていたのだろう。
 兼好は、そういう法師達の生臭い一面も知っていたからこそ、やや、仏教から引いた視点で仏教を論じているように思える。また、兼好は決して仏教を宗教としてはとらえてはいなかったのではないだろうかとも思える。
 兼好は、仏教を哲学として理解していたのではなかろうか。あきらかに仏教から一歩退いた視点で、モノを語っている様子がある。
 それはともかく。この段の主役の法印にしてみると、法師でないただの男なら、乙鶴丸は本当にただ遊びに行っているだけかもと期待も持てた。
 だが、法印と同じ法師なら乙鶴丸がやられちゃってる可能性が非常に高いと、法印は考えたのだろう。だから、やすら殿が法師か男か確認したのだ。その答えは、頭は見ませんでした。という答え。
 ここで、兼好は、「なんで頭だけが見えなかったんだ」と突っ込んでいる。たぶん、日本文学史史上、はじめての文中へのツッコミだ。古典にはくわしくないが、この国で、自分で書いた文章に自分で突っ込んだのは、おそらく兼好が初めてではないだろうか。これはすごい事である。

原作 兼好法師


No smoking

2005-10-17 18:17:38 | 駄目
 さらに相撲は強いが、英語が苦手の横綱の話。
 或る日、横綱と序の口の命松丸は街に遊びに出かけた。腹がへったので、たまたま見かけた「ちゃんこ屋」に入った。テーブルにつくと『No smoking』の札がある。
 それを見た横綱、命松丸に問いかける。

「のう命松丸よ。わしゃ、前々からコレがどういう意味なのか謎じゃたんだが。Noはダメってことじゃよな」
「Noはダメですよね」

「Kingは、虫キングのキングじゃろ。王様ってことじゃよな」
「はい。Kingは王様です」

 ここで、横綱の目に怒りの色が浮かんだ。
「ならば、なぜ、ちゃんこ屋のくせに、相撲のキングである、わしがダメなんじゃ! なんでノースモウキングなんじゃぁぁ!」
「落ち着いてっ、横綱! smoと相撲はきっと関係ないんです。ほら、この札の下の方を見て御覧なさい。漢字で、きんけむりと書いてあります。これは、きんけむりと言う意味の英語なのです」

「そうか、きんけむりか。わしとは関係ないんじゃのう。無駄に怒ってしまったわい」
 そう言って、横綱はタバコに火をつける、命松丸も横綱の怒りがおさまり、ホッとして一服。

 二人は、英語だけでなく、漢字も苦手だったのだ。
「おねーちゃん。この席に、灰皿ひとつ!」
 命松丸の声が、禁煙の店内に響く。


セカンド

2005-10-17 18:16:08 | 駄目
 或る所に、相撲は無茶苦茶強いが、英語が大の苦手の横綱がいた。
 或る日、土俵入りの前。
 横綱は、控え室で序の口の命松丸にまわしをしめてもらいながら、命松丸に尋ねた。

「のう。ライトってのは右という意味じゃろ?」
「はい。ライトは右です」

 さらに横綱は確認するように尋ねる。

「なら。サードが左じゃな?」
「まぁ、左ですよね」

 そして横綱はこれこそ肝心だと、少し声を強め言った。

「なら、セカンドは真ん中って意味じゃな!」
「えっ?いや、たぶん。真ん中です」

 実は命松丸も英語があまり得意ではなかったのだ。横綱は、命松丸の答えを聞くと、ため息をついて言った。

「ワシには、よほどピッチャーの方が、真ん中にいるように思えるんだがのう」
「たしかに、真ん中には、いますよね」

 二人の会話はそれで終わった。


徒然草 第八十九段(BlogPet)

2005-10-17 10:17:30 | こうさぎ
前は、箸が転がるだけで笑いころげるのだ
いつは、箸が転がるだけで笑いころげるのだ
いつも落ち込んで御座います
この人、行願寺の近くに住み、連歌しける法師の組は勝利し賞品を並べている
兼好法師とかものとか素直と、落ちてる金を見つけてふところが豊かになる
地面だけ見て歩けば、連歌をうわさしたかった?
コミカルとか素直と、近所に住む何阿法師が偏らないようもないバイト君で、今や応援ぐらいしか能がない


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「おいし」が書きました。