ドリーム 2(セカンド)

長坂徳久が語る夢教育(ときどき日常)

Power No.60

2007年12月04日 17時00分35秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

NPO法人 こころとからだの総合教育 育夢学園通信

発行日 2007年12月4日(火) 発行・文責 理事長 長坂徳久

 【青空か? 夕焼け空か?】

(12/1土曜スクール・国語(4年生以上)分析批評による俳句の授業。)

※TOSSランド 浅川清先生(TOSS相模原)の授業を追試。

 

☆赤とんぼ筑波に雲もなかりけり☆

☆指示① 写した人から起立。

☆指示② 順番に読んでもらいます。

読んでいくが、「筑波」が読めない。

☆指示③ よめない漢字は、「なんとかなんとか」でいいのです。

☆指示④ この句を読んで気づいたこと、考えたこと、思ったことを箇条書きにしなさい。指名なし発表をさせた。

☆発問① 季節はいつですか? それがわかる言葉はどれですか?

「秋」・「赤とんぼ」からわかると全員が答えた。

☆発問② この日の天気は?「晴れ」が五人、「快晴」が二人。

☆発問③ どの言葉からわかりますか?

「雲もなかりけり」だとの回答。

☆発問④ 話者の視線は上向きか? 下向きか?

全員「上向き」

☆発問⑤ そう考える理由は?

「赤とんぼを見ているから」「筑波山を見ているから」「雲を見ているから」

☆発問⑥ 対比されているものは何と何?

対比を説明。「筑波」(静)と「赤とんぼ」(動)。「赤とんぼ」(赤)と「空」(青)

☆発問⑦ この句の空は青空か? 夕焼け空か? その理由も書きなさい。討論します。

夕焼け空派が六人、青空派が一人(英太くん)。長坂は青空派に入った。

 (夕焼け派の理由)

・ 秋といえば夕焼け。

・ 赤とんぼといえば夕焼け。

・ 赤と夕焼けのイメージ。

・ 赤とんぼは赤いから。

・ 赤とんぼは夕焼けに出てくる。

・ 昼間に赤とんぼが飛んでいるのを見たことがない。

・ 赤とんぼという歌には、夕焼けが入っているけど、青空は入っていない。

(青空派(英太くん)の理由)

・ 「雲もなかりけり」だから青空だと思う。

 (お互いの質問)

A君「昼に赤とんぼを見たことがありますか?!」

英太「・・」

長坂「あります!」

 

長坂「なぜ、kちゃんは、さっき天気は快晴だといったのに、夕焼け空なのですか?快晴は昼に言う言葉ではないですか?」

kちゃん「・・・」

☆説明① さっき、みんなは話者は「上を向いている」と考えました。夕焼けは上にはできません。夕焼けは地平線の近くにできます。そうですよね? 上に見えるのは、やはり、青空です。また、赤とんぼと夕焼けだと対比しません。赤と赤だからです。もしくはもっと暗ければとんぼは「黒」で、「赤」と「黒」ですが、より対比するのは、「赤とんぼ」と「青空」です。

「別に対比しなくてもいいやん。」という声あり。これについては紙幅関係で後日。

上の場合、夕焼け空派は、分析批評していない。(ほとんどの学校ではやっていないだろう。) 

推測や感じ、気持ちで考えている。

青空派の英太くんは、この句の一言一言から情報を読み取っている。

☆「向山型分析批評」とは…

1.向山洋一氏が確立した,文学教材を授業する上で最も優れた指導法です。

 2.文章に書かれている事柄を手がかりに,文学教材を「分析的に」読み取らせ,討論や評論文などを通して「批評させる」指導法です。


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