まどかのお通夜だった。
彼女の人柄が偲ばれる、ものすごい人数の参列者。
昨夜、自宅へお悔やみに行ったとき、涙が止めどなく流れた。
しかし、長坂がまどかから感じたのは、まどかが長坂に伝えようとしたのは、
大丈夫、大丈夫
ということだった。
誰よりも明るく、誰よりも元気で、誰よりもみんなのことを考えるまどかのメッセージらしく、
みんな、悲しまないで、私は大丈夫。みんな、楽しく行こうよ。
という、まどかの声が長坂には聞こえた気がした。
悲しいことは、誰も止められないだろう。
永久の別れなのですから。
しかし、長坂は師匠として、愛弟子まどかをほめてやりたい。
16年間の生涯を精一杯生き、、最後の2ヶ月間は壮絶に闘い抜いたまどか。
まどかは決して負けたんではない。
だから、長坂はまどかを心からいっぱいいっぱいほめてやりたい。
そう自分に言い聞かしている。
それでも、一人になると出てくるのは涙だけ。
明日は告別式です。