発行日 2006年6月7日(水) 発行・文責 長坂 徳久
【そこに“夢”はあるのかい?!】
「ひとつ屋根の下」というドラマがありました。その中で、江口洋介扮する主人公の口癖が「そこに、愛はあるのかい?」でした。覚えていますか?
私は、子どもたちとプライベートで話をするときでも、子どもたちが少し困るような質問をすることがあります。しかも、次から次に質問していきます。それは、その子を分かろうとするためです。そして、考えさせていくようにすることで、その子の深い部分が見えます。また、自分の考えを整理させることでその子の思考も深まります。先日も、こんな場面がありました。
(少林寺拳法・中一男の子との会話)
『どこの高校にいくん? 橋高か? もっといいとこいくんか?』
「まだわからないけど、できればいいところへ行きたい。」
『いい高校に行ったら、どんないいことがあるん?』
「うーん。いい大学にいける・・」
『ふーん。じゃあ、いい大学に入ったらどんないいことがあるん?』
「(しばらく考えて)就職かな・・」
『いいところへ就職としたらどんないいことがあるん?』
ここで、この子は詰まってしまいました。でも、すごく一生懸命に考えていました。それで、質問を変えました。
『じゃあ、おとなになったらどんな仕事がしたいの?』
「建築家になりたい。」
『なるほど、それはいいことやな! そのために、そんな大学に行けばいいね。』
この子の先には「夢」があります。素晴らしいです。それだけで、その子は「がんばり続ける」というモチベーションをもてることができるでしょう。
(少林寺拳法・小6男の子との会話)
『勉強スキか?』
「大嫌い。」
『そうか・・じゃあ、なんで勉強するん?』
「うーん、まあ、いい仕事をして、お金をいっぱいもらう。」
『お金がいっぱいあったら、どんないいことがあるん?』
「(しばらく考えて)仕事のとき以外でいろいろなことをして、自由に使うことができる。」
『なるほど。』
この6年の男の子は「夢」があるかどうかということよりも、「考える」(感じる)力があります。最後の回答はなかなか言えないことだと思います。実践力のある考え方です。さすが、商人の息子!(あっ、誰がばれますね・・笑)
子どもたちには、勉強をする、スポーツをするという先には「夢」をもってもらいたい。どんな些細なことでもいい、また、叶わぬ夢でもいい。行き着く先に「夢」をもたないとだめだというのが長坂の持論。つまり、「わけもわからなくやっている。」「なんとなくやっている」では時間の無駄遣いです。
ですから、まずおとなは、子どもたちに「なんのためにこれをやるのか?」ということも説明してあげることが必要です。(趣意説明)
そして、子どもたちには「それをやって自分はどうなりたいのか?」という「夢」(未来の展望・希望)を持たせてあげることが必要ではないでしょうか。
「おい、君。今やっていること、そこに“夢”はあるのかい?
自分の未来に“希望”をもっているかい?!」