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映画・演劇のレビュー

『初雪の恋 ヴァージン・スノー』

2009-10-28 22:59:53 | 映画
 こういう映画が現代の日本で作られることに衝撃を受けた。70年代ならまだしも、21世紀にこれはないだろ、と思う。だが、この映画は事実だ。2年前に確かに作られ上映もされた。しかも韓国でも、である。日韓合作映画で、監督は韓国サイドから出てきている。(新人のハン・サンヒ)とても今時の日本の監督はこういうアイドル映画はよう作らないだろう。照れてしまうし、自信を持てないはずだ。商業映画としてもこれは今はとても成立しないタイプの映画である。

 京都、ソウルを舞台にし、これ以上は綺麗に撮れないとおもうほどに美しい風景の中に主人公の2人を配して描く究極の純愛映画だ。見てるだけで恥ずかしくなる。しかもお話は何もない。

 イ・ジュンギがアイドルなのかどうかはよく知らない。だが宮崎あおいは決してアイドルではない。普通の女優だ。というか才能のある日本の若手女優№1である。演技力もある。そんな彼女が、臆することなくここまで正統的なアイドル映画に出演する。このラブストーリーにはなんの意味もない。映画にはまともなお話すらない。ただ、美しく風景を撮り(完全な観光映画である)そのなかに美男美女を配し、切なく哀しく美しい紋切り型のお話を用意しただけである。(あまりに何にもないから同じようなことを2回も書いてしまった。それって、この映画には書くべきことすらないということか!)

 ありえない話だし、設定も無茶苦茶だ。リアリティーの欠片すらない。見事なまでに、である。まぁ、ここまでいくとあっぱれ!としか言いようがない。今時の子供はこういう映画を見てどんな感想を持つのだろうか。(まぁ、今時の子供たちはこんな映画を見はしないだろうが)

 これを勘違いで済ますわけにはいかない。いろんな意味で衝撃的な映画だ。

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