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映画・演劇のレビュー

『ラストスタンド』

2013-05-24 23:00:13 | 映画
シュワルツェネッガーの本格的復帰作品。とても楽しい娯楽大作。アクション映画として楽しめるのがいい。(もちろん今ここで先日の『ジャッキー・コーガン』を貶すつもりはない。)作りはB級、でも派手でAクラスの予算をちゃんと用意してある。パターンの極みのような映画だがそこがいい。変に新しいことをしようとはしない。

気張った映画ではなく、昔ながらの作りなのがいい。欲張らない、わかりやすくて熱くなれる。西部劇スタイルの筋立てもいい。ちょっとアナクロな映画というのがいい。だいたい舞台となる宿場なんて西部劇そのまま。保安官と流れ者の一騎打ち。(というか、大物囚人の護送に失敗したFBIの代わりに逃げるその囚人をシュワちゃんたちが自分たちの町を通る彼を倒す、とかいう話)

こんなどうでもいいようなストーリーなのだが、ちゃんとお話の肝を抑えてあるから大丈夫。しかも細部まで目が行き届く。こういうパターン映画はディテールが大事なのだ。

この作品を作ったのがあの『グッド・バッド・ウィアード』や『悪魔を見た』などで知られる韓国のキム・ジウン監督というのも驚きだ。しかもこれは彼のハリウッド進出第一作だ。いろんなタイプの映画を器用にこなす彼にとっても、ここまでルーティーンワークは初めてではないか。だが、まるで動じない。それどころか、こんなにも堂々としている。アメリカ人よりもよくアメリカ人の嗜好を熟知している。

派手で、単純。でも、ちゃんと熱くなれる。言うことなし。楽しめ。それだけでいい。



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