習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ザ・クリーナー 消された殺人』

2009-04-06 10:27:39 | 映画
 レニー・ハーリン監督最新作。だが、公開劇場は天六ユーラク。要するに最初から一切興行価値が期待されてないのだ。あの『ダイハード2』を作った娯楽映画の巨匠が今ではこの体たらくである。悲しい。

 僕は今でもあの感動を忘れない。ジョン・マクティアナンの『ダイハード』以上にこの第2作は凄かった。こんなにもハラハラドキドキさせられるアクション映画はない、と当時は思った。あまりの面白さに3回も劇場に行った。それでも飽きなかったのだ。空前絶後のことである。普通アクションものは1度見たらそれだけで満足して終わるものだ。大体僕は同じ映画を見る時間があったらまだ見ぬ新しい映画を見たい主義なのに、そんな僕を3度も劇場に通わせた映画はない。(嘘です。だけど少なくともアクション映画ではこれだけだ。)

 そんなレニー・ハーリンが今では場末向けのB級映画しか撮れない。そんな現状を踏まえて、この映画を見た。サミュエル・L・ジャクソン、エド・ハリス主演なので、必ずしもB級とは言えないのだが、見ていてなんだか話がしょぼい。キネ旬で滝本誠が褒めていたが、それは死体処理人という仕事に対して、目の付けところがいいというだけで、実際自分の目で見ると、映画自体は緊張感もなく、あまりおもしろくはなかった。娯楽映画はスケールとお話の面白さが何よりだ。深遠なテーマなんかいらない。発想の面白さをどこまで押し広げるかが大事。なのに地味にチンタラやられたら、眠くなるばかりだ。実はかなり疲れていたので後半居眠りしながら見た。だから、本当はえらそうに「つまらない」なんて言えた義理ではないのだ。秘密だが。

 コンディションの悪さが祟ったかも知れないが、眠くなる娯楽映画ではあかん。眠気も吹っ飛ぶ映画を彼には作ってもらいたい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ウォッチ・メン』 | トップ | 三崎亜紀『廃墟建築士』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。