レンタルスタジオを舞台として、ここでの3つのお話が並行して描かれるオムニバス長編。それぞれ別々のエピソードだが、全体を1本に再構成した。脚色・構成・演出はカンセイの法則の永冨義人さん。1本のお話にすることで統一感のある何かを見せることが出来たならいいのだが、各エピソードはあまりにたわいなさ過ぎて、しかも微妙に方向性がずれていて(別々の作家による作品だからしかたないし、それがこの芝居の本当のおもしろさに通じるはずだった)全然テイストの違う作品を無理から1本に編集したって感じの印象しか残らない。各エピソード間の落差が1本になることで不思議な化学変化でも起こしたなら面白かったろうになぁ。
演出家はこのお話を平板にしないためによく頑張ったとは思うが、残念ながらそこまでだ。若くて経験のない役者たちは、みんな個性的で、彼らの持ち味をうまく引き出せてはいる。だが、それだけ。そこから先が大事なのだ。まずこの芝居が群像劇として魅力的に立ち上がらなくては成功とは言えまい。
バンドのもめごとと、そのバンド内の恋愛を描くエピソードは、もどかしいお互いの気持ちの交錯を描き、けっこういい線いってると思うが、他の2つのエピソードはあまりに中途半端過ぎて辛い。殺人事件とその犯人探しを描く話とか、全く方向性の違うメンバーが集まった劇団が解散する話とか、なんかこれでは思いつきの域を出ない。まぁ、バンドの話もよくあるパターンでしかないから、3本とも同じレベルなのだが、ストーリーを追うだけではなく、そこにいるそれぞれの思いをもう少しリアルに描いてくれたなら、この群像劇(登場人物はなんと20人近くいるのだ!)はそれなりの力を持っただろうとは思うが。
演出家はこのお話を平板にしないためによく頑張ったとは思うが、残念ながらそこまでだ。若くて経験のない役者たちは、みんな個性的で、彼らの持ち味をうまく引き出せてはいる。だが、それだけ。そこから先が大事なのだ。まずこの芝居が群像劇として魅力的に立ち上がらなくては成功とは言えまい。
バンドのもめごとと、そのバンド内の恋愛を描くエピソードは、もどかしいお互いの気持ちの交錯を描き、けっこういい線いってると思うが、他の2つのエピソードはあまりに中途半端過ぎて辛い。殺人事件とその犯人探しを描く話とか、全く方向性の違うメンバーが集まった劇団が解散する話とか、なんかこれでは思いつきの域を出ない。まぁ、バンドの話もよくあるパターンでしかないから、3本とも同じレベルなのだが、ストーリーを追うだけではなく、そこにいるそれぞれの思いをもう少しリアルに描いてくれたなら、この群像劇(登場人物はなんと20人近くいるのだ!)はそれなりの力を持っただろうとは思うが。