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映画・演劇のレビュー

『寄生獣 完結編』

2015-06-18 22:02:11 | 映画
前作の圧倒的なドラマを受けて、それをさらに加速させるのは並大抵ではない。だが、山崎貴監督は、それを成し遂げた。緩急自在のストーリー展開は怒濤のラストに向かって、なだれ込む。アクションとドラマが心地よく融合し、主人公である青年が寄生生物との融合により、どんどん変化して行く様と共に、実にスリリング。染谷将太がすばらしい。前作とはまるで違う無表情で、押し通す。それは寄生されたからではなく、寄生生物と戦 . . . 本文を読む
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『セッション』

2015-06-18 22:01:27 | 映画
公開からもう2カ月になるのに、まだ堂々ロングラン公開中である。しかも、全国TOHOシネマズでのロードショーだ。この規模の作品でそういうことは今までありえなかった。だいたい今時、2か月のロードショーなんてハリウッドの大作映画でも不可能だ。そんな偉業をこんな地味なノー・スター映画が成し遂げている。諸事情があって先日ようやく満を持して見たのだが、噂に違わぬ衝撃的な映画だった。興奮した。ありえない、と思 . . . 本文を読む
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baghdad café 『キンセアニェーラ』

2015-06-18 21:57:06 | 演劇
この小さなお茶パーティーを、あえて第15回公演とは呼ばずに「14の次で、16の前」と呼ぶ。そういうネーミングが今回の試みの意図だ。「番外公演」とか「実験公演」なんていうよくある言い方はしない。「キンセアニェーラ」という初めて聞くスペイン語の意味に込められた「たくらみ」。 泉寛介が仕掛けたこの試みは、とても危険な作業なのだが、なんとかギリギリ綱渡りセーフ。こういう作品で失敗したらやりきれない。企 . . . 本文を読む
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がっかりアバター『この町で、僕はバスを降りた』

2015-06-18 21:52:53 | 演劇
とてもいいタイトルだ、と思った。こういうタイトルは好きだ。主人公の僕はたまたまここでバスを降りる。ここである必然性なんかない。でも、何かに心惹かれて、ここで下車してしまった。バスは目的地に向かうために、乗ったはずなのに、途中下車するにはおかしい。だが、僕はそれでいいと思う。もしかしたら明確な目的なんかないまま、このバスに乗ってしまったのかもしれない。 坂本アンディは4月の『啓蒙の最果て、』から . . . 本文を読む
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