習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『小川の辺』

2011-07-07 22:30:12 | 映画
 主な登場人物は7人である。しかも家族だけ。主人公と彼の妹を中心にして、彼らの両親。お互いの妻、夫。そして、2人にとっては兄弟同然の使用人。これ以上シンプルな人間関係はないだろう。そしてストーリーの方もまたシンプルの極み。主君の政策に意見をした妹の夫(彼の親友)を、主君の命により討ち取ってくるため彼の出奔先である江戸に行く。それだけ。  ストーリーは1行で説明できるし、その展開も全く意外性ゼロ。 . . . 本文を読む
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『奇跡』 

2011-07-07 22:17:55 | 映画
 小6と小4の男の子を主人公とする。鹿児島と福岡。2つの場所で別々に暮らすことになった兄と弟だ。彼らの日常のスケッチを淡々と描き、ラストの奇跡に至る。兄は、新しく開通する九州新幹線の「つばめ」と「さくら」の一番列車がすれ違う瞬間を見ると奇跡が起こるという噂を聞く。子どもたちは奇跡に向けて旅に出る。  ここで描かれる奇跡とは、ふつうの奇跡ではない。(ようするに、「なんか思いもしないような凄いこと」 . . . 本文を読む
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西村賢太『苦役列車』

2011-07-07 21:32:23 | その他
今時こういうプロレタリア文学みたいな貧乏話を小説に書いて、誰が読むのだろうか。しかも、難しい漢字をいっぱい使って、わざと読みにくい文体にして、読者を煙に巻く。おまえらとオレとは住む世界が違うから、おまえらにはオレの気持ちなんかわかるまい、と言われているみたいで、なんかムカつく。こういう挑発的な作り方をわざとしているのだが、そうすることに何の意味があるのだろうか。口当たりのいいサービス精神旺盛な小 . . . 本文を読む
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