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あんな話こんな話

会津生まれの会津育ち…三匹の猫と柴ワンコや家族に囲まれ、家庭菜園に勤しみ都会には住めそうにないローカルな私の日常。

ばぁちゃんの匂い

2011-06-26 22:20:20 | 介護

こう雨ばっかりじゃ、畑に入ったり草むしりだって出来やしない。
せっかく孫太郎がお休みなのに…なんだか勿体ない様な日で
昨日は孫太郎…父ちゃんと地域のホタル祭りを楽しみにしていたけど
行けたのかな、無理だったのかな。

こんな雨模様の夜は、殊更ホタルが美しく飛び交っただろうに!

私といえば、ようやく思い切ってばぁちゃんが使っていた押入れの整理をしようと
あの日あの時のままで、押入れに仕舞い込んだばぁちゃんの荷物。

何度か整理しようと開けてはみたものの
どうも気が向かずに、また扉を締め切ったままに…。

普通の押入れの半分ほどの開き戸を開ければ
なんだか懐かしい様なばぁちゃんの匂いがする。
衣類もバスタオルもちゃんと洗ってしまってあるのだけど
長年身に着けていた匂いっていうのは、なかなか取れるものではない様だ。


一冬越したランタナの花

着古した下着やパジャマは、誰が着るわけでもなくゴミ袋へ。
前日の夜まで飲んでいた薬は、まだ何日分も残っている。
風邪を引いた時の薬だとか、熱が出た時はこの薬と
目薬やオムツかぶれ用の軟膏に、床ずれ用…と
いろんな薬がディやショートへ行く時の袋に納まったままで
ビニールの集金袋にはショートステイの時のお釣りが僅か。

使っていた加湿器は水を抜いてよく洗って
血圧計とか体温計は、家で使う薬箱へと移した。


タチアオイは会津の市花

押入れの引き出しには、いろんな書類が入っていて
デイサービスやショートステイ、または訪問入浴の契約書だとか
介護保険に関する書類や介護会議の報告書…などなど。

ついつい読んでしまうのはディやショートの連絡帳で
14年分ともなると、かなりの冊数になり
最初の頃は食事を食べてくれなかった…今日は二口だけでした。など
あんな事もあったこんな事もあったと、思い起こして遅々として整理ははかどらず
さすがに処分するには忍びなく…ほとんどは引き出しへと戻してしまった。


花ざくろの花も咲き始める

書類の中に、敬老の日の長寿のお祝い金の入っていた袋があり
中を見たら…お祝い金が入ったままに
これで何か買ってあげなくちゃと思いながら仕舞い忘れてしまったようで
思いがけないばぁちゃんからのお小遣いかなぁ~。
へへ…らしくもなく涙と鼻水と。

これで好きだったメロンを買ってお供えしよう。

あれから4ヶ月も過ぎてしまったのだとは
なんと月日の経つのは早い事か…特に東日本大震災なんてあったし!
だけど、未だにショートステイにでも行ってる様な気がする時がある。


ガランとしちゃったばぁちゃんのいた部屋…こんなに広かったっけか。
窓際の植物だけが変わらずに生き生きとしている。

スーパーへ行って買わなくなってしまったものは
ばぁちゃん用にと、おかずの一部として使っていたベビーフード。
柔らかなので潰してトロミを付けたりしていた豆腐のハンバーグ。
プリンだとかヨーグルトだとか、他には水分補給にとゼリードリンクなど
いつも切らす事なく冷蔵庫にあった。

なんだか寂しい気がする…。

買い物へ行っても、やっぱりお昼時間までには帰ってくる長年の習性かな。
まだ体内時計はあのときのままみたい。


紅紫陽花

ついついキツイ言葉を出したり
動作も荒っぽくなったりしていた時もあった。
もっと優しくしてあげれば良かったかなぁ~なんて
一生懸命に介護したら後悔なんて残らないって言われるけど
やっぱり後悔ばっかりが残ってしまっている。

元気な頃のばぁちゃんの遺影と、仏壇の中に置いた最後の誕生日に撮ってもらった
帽子を被って首にはレイがさげられて、私と二人で笑っているのは私だけで
痩せて肉が落ちギュッと目をつぶったばぁちゃんの顔と…そんな写真。

そんな写真の方が身近にばぁちゃんを感じるなんて…笑っちゃうよね。


また今年もゆすら梅の実が赤く熟した。