以前そこの前を通った時に、懐かしいって言うのとも違うのだが
まだあったのか…そんな思いで写真に撮ってしまった。
昔まだ自分が子供の頃、通学は集団通学と決まっていて
6年生の班長さんが黄色い旗を持って
1年生から並んで最後も高学年の子が歩いていく。
よく朝のヒメの散歩の時に見かけるが、この時期になると
ランドセルに抱っこされてたような1年生でも
けっこうランドセル姿が板についている。
朝の登校は集団登校だから良いのだが
帰りはてんでに気のあった子と帰ったりが常で
だが、ほとんどそこの前を通って帰る事になっていた。
そこは一軒の家なのだが、母屋は道路から奥まった所にあり
道路のすぐ傍には2階建ての納屋があった。
その納屋の2階には道路に面したガラス窓があって
その向こう側にはいつも誰かがいた…。

現在もあるお宅なので画像に手を加えた。
そうして外を我々が帰る姿を見るともなしに見ている。
聞いた話に寄れば足の悪いおばあさんだとか…。
だけど奇妙な雰囲気をかもしだして、どんな格好をしていたかは忘れたが
ボサボサ頭が妙に脳裏に残っている、何十年たった今でも
あの窓ガラスの前を通ると必ずに思い出す。
そして、どんな声だか忘れてしまったはずなのに
「いま、帰りか。。。」の声が聞こえるような気がする。
子供だったので、その言葉をかけられると
見ないようにと顔を背けて足早に通り過ぎていた。
日がな一日、納屋の2階での生活を余儀なくされていたのだろうか。
今なら分かる…寂しかったのだろう。
だけど子供だった自分には不気味な存在にしか思えなかった。
今は無人となりすっかり荒れ果てた様子に、元の持ち主は一家離散だった。
不思議な事に、その後そこの家は誰が住み着いても長続きせずに
いろんな後日談はあるけど、たいがいが夏の夜の恐怖シリーズの類の話だった。
今朝の霧は、何も見えないくらいひどかった。。。
