
今日は朝起きた時にはすでに雪が積もっていて
昨日の寒さに比べたら、不思議な事に微妙に暖かい気がした。
冬の来る前が一番寒いのかもしれない…。
お正月といえば神社や神棚には「しめ縄」が張られ、また玄関や神棚の前には「玉飾り」が下げられる。
玉飾りを簡略化した「輪じめ」というものがかまどや井戸、勝手口、トイレなどに掛けられ
これらをしめ飾りといい、神を祭る清浄な場所という意味がある。
年神様をお迎えするにその場所を清め、しめ飾りで清浄を保つ事のようだ。
しめ縄は天照大神が再び天の岩戸に入らないように
その入り口を縄で取り巻いたのが起源といわれ
神聖な場所として周囲から一線をひき、神聖を保つ縄張りとしての意味ある。
玉飾りは、しめ縄を輪に結んだものに藁を垂らし
中央にうらじろ・ゆずり葉・だいだい。四手などおめでたい縁起物を飾ったもので
うらじろは「二心が無い」と言う意味で使い
ゆずり葉は新芽が伸びるまで古い葉が落ちないので、家系が絶えない事の意味。
ダイダイも家系が代々続く事を表し、四手は男女二人の手のことで仲睦まじい夫婦を表している。
しめ飾りは毎年新しいものを使い、去年のものは神社に持ちより歳の神で災いと共に燃やす。
(注:地方によっては“どんど焼き”とも言う。)
最初から長々と書き込んでしまったが、今年も早々としめ飾りが届いた。
ここ何十年か我が家ではしめ飾りを買った事がない。

と言うのは齢80も半ばの伯父の戦友の方が、毎年作って持ってきてくれるからだ。
この しめ縄が届くたびに、相変わらず元気でいらっしゃった事に安堵する。
初めて持って来てくれた時は、お世辞にも上手とは言えないものだったが
年を重ねるごとに玄人はだしになっている。
夏が終わる頃から、何十組も作って、あちこちに配って歩く…それが健康法なのかもしれない。
おまけに近くの農家の畑を借りて、我が家に負けず劣らずの野菜作りまでしているつわものだ。
運搬の為にわざわざ軽トラックまで買い小さな耕運機な等など…。
なかなかの懲りようで、乗用車にも紅葉マークなど貼らずにブイブイ飛ばす。
だから腰も曲がらず考え方も若々しく、かくしゃくとしている。
この間さ、風邪を引いたらしくて痰があがって参った。
オレの逝く時は肺炎だな! 逝く時はポックリとだ。
この しめ飾りが来ない時は逝ったと思ってくれ… そんなふうに豪語している。
こういう生き方は好きだなぁ…。
趣味を生業とし自由に酒もタバコも嗜み、そういう余生に憧れる。
また そういうふうにして生きているからこそ80も半ばでいて生きいきしているようにさえ思える。
趣味を持ち細かい事に拘らず、戦後の苦しい時代を生き抜いてきた強さを感じる。
我が家へ来ては、ば~ちゃんの顔を覗き込み
自分より若いば~ちゃんに、「はっから こんなになっちまって…可哀想だなぁ…。」と
何度も何度も手を擦って行く。
そんな伯父の戦友の方に、年末には好きな酒でも持ってお礼に行く事が
我が家の年末行事となって久しい…。
また 来年も同じように伯父の戦友のあの方が来れますように
そして相変わらずに、ば~ちゃんの元気な顔を見ることができる様にと願わずにはいられない。