あんな話こんな話

会津生まれの会津育ち…三匹の猫と柴ワンコや家族に囲まれ、家庭菜園に勤しみ都会には住めそうにないローカルな私の日常。

薬用人参

2005-10-12 21:23:43 | プチドライブ・地域の事
今日は秋日和の温かい天気になった。
久々の事で、このところ寒い日が続いて
このまま冬に突入するのかとさえ思えるような気がするほどだった。
刈り入れもあらかた終わり
今の時期ならば、薬用人参の種蒔きの始まろうとする頃だろうか?

以前であったら、8月の末から9月にかけて
薬用人参の収穫の時期なのだが
近年の、ほ場整備で薬用人参を作る農家が少なくなってしまった。
薬用人参は島根県と長野県、我が県では会津若松市(門田町)と
新しく美里町となった新鶴村と高田町が生産をしている。



近所で生産しているのを写真に撮らせてもらった。


我が家でも、少なからず生産していたが
ば~ちゃんが、脳梗塞で倒れて以来生産を中止してしまった。

薬用人参はかなり手のかかる生産物で、収穫までに何年もかかる。

一年目は土作りだ。
有機質をたくさん入れて何度も耕すのだが
薬用人参に適した土を作るのは難しく
土作りで薬用人参の良し悪しが分かると言われるくらい重要なのだ。



これが今年出た薬用人参、一年ものだ。


作付けをして4年据え置く、中には5年据え置くところもある。
種からして発芽しやすいように薬品につけたり
芽が出たら殺菌剤の消毒をしたり
除草作業など細かい作業が目白押しの生産物だ。

日々雑事でも良かったのだが
薬用人参はすでに過去の物となった我が家では
やっぱり 思い出にあたると思う。

昔は薬用人参の土作りの為に、山に萱(かや)を刈りに行ったり
もちろん お弁当持参で、私などは半分ピクニック気分だったものだ。
ついでに取って来た、きのこで芋汁を作ったり
疲れる仕事ではあったが、けっこう楽しい事もたくさんあった。

今でこそ、黒い網になっているシートを屋根として張っているのだが
昔は取って来た萱(かや)でスノコのような物を編み
その上に藁をしいて屋根としたものだった。

収穫の時は、“ゆい”と言って、お互いに手伝いあう。
朝 日が上がる前に掘り取り、終わってからは収穫の食事会。
そんな風にして地区民との交流を図るものでもあったが
近年は簡素化されて、収穫の後にお茶を飲んだくらいで終わる様になったらしい。



収穫した薬用人参は焼酎アルコール35度で保存。


時には夏の暑い日に、同年代の友達と薬用人参のシートの陰で
アイスを食べたりコーヒーを飲みながらのおしゃべり。
つい 何時間も話し込んでいても、サボったのがばれないという
隠れ蓑的なところもあった。

作付けも少なくなり、今はそんな事もなくなってしまった…。
近代化され、楽できて便利になったぶん
人との交流が少なくなってしまったような気がする。

中国から逆輸入され、年々安くなって来たのも
手のかかる薬用人参つくりから離れる要因のひとつでもあった。

もう あんな光景は見られなくなってしまったのだろうか…。

コメント (6)
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