ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2019J1参入プレーオフ一回戦大宮アルディージャvsモンテディオ山形@NACK520191203 -行ぐべJ1!-

2019-12-03 21:13:16 | 加賀さん

師走。ぐっと冷えこむ日が増えて、今年は冬っぽい冬なのかなと予感します。

ひと足先にリーグ戦を終えたJ2はプレーオフシリーズに入ります。加賀さんのキャリアでもはじめてのプレーオフ。人を大切にする加賀さんですから、愛する山形の仲間のため、チームに貢献したいと責任感を強くしていると思います。

最終戦に強行フル出場した様子をみる限り、コンディションはパーフェクトではないなと思いました。ホーム最終戦だしプレーオフのホームアドバンテージを決める大事な試合だから強行したのだと思いますけど、プレイヤーとしてのキャリアを考えるとかなり心配でした。いまは、チームを信じて、捲土重来。

というわけで、今日の加賀さんのスコッド入りはないと思っていました。さいたま市は縁ある地ですからひょっとして帯同してるかなと思い、スタンドをウロウロしてみましたけど、今日は山形で全力応援なのでしょう。青き旗♪

それでは試合を振り返ります。プレーオフ1回戦の相手は3位大宮。山形バカンス♪

序盤から流れを掴み、快勝です。

モンテはオーダーを少しアジャストします。シフトは3-4-2-1。GKは櫛引政敏。3CBは右から熊本、栗山、怜大。WBは右にやっち左に拓巳。CMは本拓と駿。2シャドウは右に坂元左に井出。1トップは大槻です。

大宮は菊地が復帰です。シフトは3-4-2-1。GKは笠原。3CBは右から畑尾、菊地、櫛引一紀。WBは右にイッペイ・シノヅカ左に宣福。CMは三門と石川。2シャドウは右に茨田左に奥抜。1トップはシモヴィッチです。

プレーオフアドバンテージはたしかにアドバンテージだけど、捉えようによっては難しいのかもしれません。昇格争いを勝ち取った経験が豊富な高木さんをして、大宮に伝統的に内在するなんとなくコンサバな雰囲気に抗えなかったのかなと思います。

とはいえ、大宮が全般的に受け身にまわったのは大宮の能動的な作戦ではなかったと思います。もちろんBプランとして用意はしていたと思いますけど、あえてリスクテイクを積極的に選ぶ道理はありませんから。大宮が受け身に回らざるを得なかったのはモンテの圧力に屈したが故です。

とはいえ大宮に、結果論ですけど作戦上の誤算があったのはたしか。最大はシモヴィッチです。大宮はシモヴィッチのキープ力を基軸に、茨田の視野と奥抜の突破力を絡める意図だったと思います。ここで優位性を得ることができればWBとサイドCBを押し上げることができますし、その勢いでオーガナイズを取れます。

どこかで見たような光景ですよね。そう。モンテもまったく同じ作戦で臨んでました。つまり今日の鍵を握っていたのは前線です。後述しますけど、今日のモンテを牽引したのはアタッカーのトリデンテです。

大宮のもう一つの誤算もそこにあります。大宮は布陣を使い分けるチームのようですから、選択肢がありました。今日のチョイスは3バック。つまり大宮は、いわゆるミラーゲームを敷いてきます。ミラーゲームの効果はマークが明確になること。ただし前提があって、すべてのエリアでマークの優位性があること。おそらく大宮は、守ることを主眼にしたミラーゲームではなく、攻めることで山形の長所、あるいは現状唯一の攻撃プランを消すことにあったと思います。大宮が亡失していたのは、マークの前提。とくにモンテのトリデンテに対し守備陣が凌駕する大原則です。

むしろ大宮は、モンテのアジリティ高いシャドウに手を焼きます。序盤の文字通りにガチな主導権争いが決したターニングポイントは、坂元でした。坂元の独力突破が、バイタルエリアで三門、宣福、櫛引が作るトリプルチームもものともせず、局面打開を見せはじめます。たったこの一点だけで大宮にリスクマネジメントのイメージを想起させることに成功しました。

もし大宮が守り切るなら、そしてモンテのアタッカーを正当に評価するなら、ゾーンを消すシフトで臨んだほうがよかったでしょう。もちろんミラーゲームに成功していたら評価は真逆ですから、サッカーはつくづくおもしろいスポーツだと思いますし、サッカーの醍醐味を観せてくれた素晴らしい試合だったと思います。

もうひとつ、モンテが大宮を凌駕したのは中盤の構成力です。まさに大宮の裏返し。本拓と駿は、トランジションポイントでの優位性を持つだけでなく、ダイナミックに動いてモンテのポゼッションを活性化することに貢献します。ここはミラー的なシーンが多かった今日のなかでは珍しく、モンテの作戦が目立った箇所です。モンテは攻撃時に本拓を下げ、2バックにします。これは熊本と怜大をSBのように押し上げる意図です。同時に駿が中央を自在にポジショニングすることで、モンテのビルドアップルートを多方面化します。少なくとも以前観たときにはなかったミシャ的作戦の要素は、木山モンテの近未来予想図を見せてくれているのかもしれませんね。あ、そうか。だから木山さんは加賀さんが欲しかったのか。

前半はモンテペースで推移するもスコアレスのまま終了。

後半頭から高木さんが動きます。シモヴィッチに代えてファンマを同じくトップに投入します。以降の高木さんの作戦をみるとドラスティックに状況を変えるタスクを選手のクオリティに委ねた印象があります。なんだか根本的な部分でモンテの質が上回っていたことを証明するようで、順位とチーム力は必ずしも一致しないんだなとあらためて思いました。

それでもなお、スコアレスという意味では、大宮の優位で試合が進行していました。これもまたサッカー。最終的には5+4の堅陣が保証されますから、ミラーとの二枚腰作戦は成功の一端をみていたと言っていいでしょう。

そこで木山さんが動きます。井出に代えて山岸を同じく左シャドウに投入します。シーズン終盤、チーム状態が下降していくなかで逆に調子を上げ、三連敗となる可能性があった2点ビハインドを土壇場でひっくり返したリーサルウェポンが、モンテのレジェンダリーなパワーネームを背負って満を辞して登場です。

さらに木山さんが動きます。大槻に代えてジェフェルソンを同じくトップに投入します。前線をリフレッシュしつつ、マインドを含めたパワーで前線を活性化する意図です。

ところが、木山さんの想いに反して、この攻撃メッセージの投入によりモンテのバランスが崩れます。攻勢を支えていた中盤の構成力が薄れ、大宮が攻撃権を持つようになります。そこで高木さんが動きます。奥抜に代えてダヴィッド・バブンスキーを同じく左シャドウに投入します。プレースピードを上げ、一気にイニシアチブを取り戻す意図だと思います。

大宮にようやく光明が射してきた矢先、サッカーというのはつくづくシナリオレスなもので、まったく流れに反する先制点が生まれます。

73分。駿の左CK。モンテはファアに主力を固めます。大宮はハイブリッド。栗山に菊地、熊本に宣福、ジェフェルソンに畑尾、やっちに櫛引、拓巳にイッペイがそれぞれつきます。駿はショートコーナーにし、怜大とのパス交換でタイミングをずらします。この間、ニアにいた本拓がファアに下がってマーカーのダヴィッドを引きつけます。さらにショートコーナーにしたことでニアのストーンも上がります。これでニアにスペースができました。そこを狙ったのは坂元です。駿のスルーをゴールライン際で受けた坂元は振り向きざまにダイレクトクロス。そこに拓巳とジェフェルソンが飛び込むパターンでしたけど、どちらにも合わず。イッペイが触ってクリアしようとします。そのボールがゴールに吸い寄せられました。大宮0-1モンテ。

実質、試合の趨勢を決める決定打になりました。主導権が取れたのでそのままの状況を維持すれば良かった大宮が、一転追い込まれます。そこで高木さんが動きます。石川に代えて元紀を左シャドウに投入します。ダヴィッドが右シャドウ、茨田がCMにそれぞれ回ります。点を取ることに特化したセットです。

ここからのモンテのゲームコントロールが秀逸でした。リトリートするではなく、当初プランを維持します。これにより大宮に攻撃権を完全に明け渡すでもなく、ソフトランディングを目指します。なんとなく、守り切れる絶対的な自信のある布陣ではなかったからのような気がします。そして、そのポジティブな姿勢が追加点を生み出します。

82分。宣福のクロスを栗山がクリア。これを坂元が拾います。トリッキーにキープした坂元はルックアップ。前線を走るジェフェルソンにつけます。一気に局面が変わり、アタッキングサードに入ります。ジェフェルソンはキープ。坂元、やっち、中央に山岸が上がりますけど、大宮も六枚戻って4on6で数的不利です。でも、逆サイドのイッペイが戻りきっておらず、広大なスペースができていました。ジェフェルソンのパスを受けたやっちは、ようやく戻ったイッペイの背後を狙ってサイドチェンジを送ります。そこに拓巳がきました。ダイレクトに頭で折り返した拓巳のパスが絶妙で、畑尾の足が届かず菊地も追いつかない場所に落ちます。このとき中央は、大宮のCMが戻ってなく、山岸がフリー。山岸は、拓巳のクロスに右足ダイレクトで合わせました。山の神再降臨。大宮0-2モンテ。

それでもなお、木山さんは慎重で、試合の流れを見定めるため時間を使います。そして、クローズにかかります。拓巳に代えて野田を左CBに投入します。怜大が左WBに回ります。

思惑通り、このまま試合終了。大宮0-2モンテ。

モンテがラスト3ハロンの第一歩を征しました。二回戦に進出です。Blue is the Color♪

もし仮に大宮にアドバンテージがなかったとして作戦面でもメンタルでもエクスキューズがない状況だとしても、モンテが勝ったと思います。サッカーは、ほとんどの場合勝敗が決した彼我の差は見た目よりもわずかです。でも今日に限っては、作戦においてもパフォーマンスにおいても、完全にモンテが大宮を上回ってました。ただ、大宮以外のチームでも出来たかと言われると必ずしもそうではないでしょう。その意味では、大宮との対戦となったことは、ホーム開催を逃したとはいえ結果的には良かったんじゃないかと思います。

思いのほか長いプレーオフは、次は四位徳島。例年は昇格スタイルの、志の低いチームがからむプレーオフですけど、今年は四チームとも個性的なスピリットを観せてくれる魅力的なチームです。徳島とはレギュラーシーズンは1勝1分。つまりプレーオフのレギュレーションではイーブン。またもガチのおもしろい勝負が観られそうです。

そして、行ぐべJ1!。加賀さんとともに。


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