ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2019J2リーグ第28節東京ヴェルディvsモンテディオ山形@味スタ20190818 -フェニックス-

2019-08-20 20:58:13 | 加賀さん

幸福感。

ぼくは、いつの間にか、雨あがりの味スタで、あたたかく純粋な幸福感に包まれていることに気づきました。

サッカーを観ていながら、試合ではなくただ自分の推しだけをみつめ続けていられる幸せ。あらためて、その贅沢な時間を思いだしました。

加賀さんが現に、いま目の前で極めてナチュラルに存在し、一年半の空白がなにごともなかったように試合に溶け込み躍動する姿を目の当たりにしながら、これは夢なのか現なのか、狂喜するでもなくもちろん平常心でもない、浮き立つようなぼんやりとした幸せがぼくを取り巻きます。

フェニックス

もうぼくは加賀さんをガラスのスピードスターと呼ぶことはやめようと思います。たしかに加賀さんは近年、毎年のように怪我に苦しんでいるけれど、それでも必ずぼくらのもとに戻ってきてくれます。元気にプレーする姿を見せてくれます。だからぼくは、復活を信じて疑わなくなりました。もはや不死鳥以外のなにものでもない。

なんどでもなんどでもなんどでも立ち上がり呼ぶよ。君の名前声がかれるまで!

この一年間は右膝との対話の時間を過ごします。右膝前十字靭帯断裂。今年4月の第8節ヴェルディ戦にスコッド復帰を果たすまで9ヶ月強。試合出場にいたっては2018年6月30日第21節岐阜戦を最後に前節の新潟戦まで途絶え、欠場期間は407日、53試合におよびました。そして今年、右膝内側側副靭帯損傷。選手登録は連続三試合続き、チームが好調ななかでいつでも試合に出られる準備におこたりはなかったと思います。ぼくも心待ちにしていました。そんな期待もむなしく、4月21日第10節山口戦を終えてから112日間、17試合。姿を観ることができなくなります。

思い返せば、去年の第22節フリエ戦はチケット買っていて、スコッドをみて「あれ?加賀さんがいない」といぶかったことを覚えています。そして今年も、いさんで向かった第11節の博多の森で加賀さんの名がなくしょんぼりしました。なんだか加賀さんの負の節目に立ち会っているようで、疫病神な自分をのろいました。

それでも、少しずつ、メディアに姿を見せてくれるようになります。モンテの広報スタッフさんも復帰の足取りをさりげなく伝えてくださいました。モンテ担当のメディアさんも特集をくんでくださったり、本当にありがとうございました。復帰に向けた歩みを確実に進んでくれていることを確認できて安心しました。不在期間が長くなることに慣れっこになっちゃっているのは切ないけれど、最近は焦らずに待つことができるようになりました。そして、感動の前節の復帰。続いていま、味スタへの帰還。おかえりなさい、加賀さん。

ぼくは、加賀さんのプレーひとつひとつを大切に観なければという気持ちを持つようになっています。東京をはなれて以降は、加賀さんが試合にいる間は、出場していてもそうでなくても加賀さんだけをみるようになったのだけど、元来のサッカー好きには抗えず、ボールを追うこともちょくちょくありました。でも今日は、ホントに100%加賀さんだけを追ってみました。

やや内股気味に手を後ろ半分だけ振りながらトコトコ歩く可愛らしい歩きかたや、左手で髪をわしゃわしゃする癖。やや腰を落とした低重心からのスタイリッシュなスプリント姿勢。いつの間にか誰よりも多く身ぶり手ぶりでポジショニングやマークを指示するようになったコーチングスタイルなど。一挙手一投足を繰り返しみていると、飽きるどころか、素直にかっこいいなと想う気持ちが増すばかりです。

あらためて、今日の加賀さんのプレーをふりかえってみます。イーブンな状態の基本的なポジショニングは、栗山さんが作るラインよりやや高めです。モンテのCBの守備ポリシーはゾーンのようですので、加賀さんは右サイドのゾーンを受け持つわけですけど、やや高めのポジショニングが意味することは二つ。攻撃の起点としての役割をもっていることと、カバーエリアの広さです。後者はもちろん脚力が背景にありますが、モンテにおける加賀さんの立ち位置を特長付けるのはむしろ前者。クロスもしくはオーバーラップの精度を根拠とした数的優位形成の起点です。もちろん木山さんのゲームプランによってミッションの加重バランスは変わるけど、たとえば今日のようなコンサバティブな作戦の場合は、ワンチャン一発の可能性を持つキーマンの一人に成り得るでしょう。事実残念ながらオフサイドになったクロスがそれを証明しています。

センターバックの基本といえば基本だけど、右の守備ゾーンのオーガナイザーは加賀さんが担っている印象をスタンドからも感じられます。WBあるいはCMとの会話、指示を加賀さん発で導いていました。加賀さんは謙遜するけれど、加賀さんが右に収まる試合の安定感はデータが証明してくれると思います。今日は加賀さんが直接コンタクトに絡むシーンは少なく(だから普段よりブラブラしてる時間が長かったのだけど)、それこそ加賀さんのリーダーシップによる右サイドチームのディシプリンの高さを表しているんじゃないでしょうか。

今日のモンテがコンサバティブだったので、加賀さんの本気ロングスプリントを観る回数はほとんどありません。前半に逆サイドまでマークを追ったプレーと、終盤のレアンドロさんとのマッチアップ。あと攻撃で半田さんをオーバーするスプリントが一回くらい。怪我明けを考慮した自重ではなく、戦術的な都合だと思います。実は、加賀さんのスプリント回数はモンテの闘いかたのバロメーターになるんじゃないと思います。守備時のスプリントはリスクテイクしていることを意味しますし、攻撃的なスプリントはチャンスの多さを表しますから。観戦の参考にしてなりますから、是非加賀さんに注目してみてください。

待って待って待ちわびていたので、ちょっとセンチメンタルになっちゃったけど、こころの整理はできました。これでふたたびプロの世界で闘う加賀さん全力応援モードに戻る切り替え完了。そういえば見た目にわかりやすくしている加賀さんはあまり記憶になく、それだけ右足のテーピングが痛々しくもあります。願わくば、美しい加賀さんの姿を取り戻すためにも全力プレーのためにも、一日もはやくテーピングが取れますように。

もう少しで、毎年恒例の加賀さん誕生月まつりがはじまります。今年はイブにホームで試合です。去年は悔しいリハビリ生活でしたから、去年の分もちからいっぱいサッカーを楽しんでほしいと思います。

そしてシーズンのおわりに、モンテの仲間たちみんなと最高の祝祭ができますように。


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