ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

風に吹かれて

2018-01-05 16:57:21 | FC東京

Dear なお様

こころからのありがとうをなお様に贈ります。

プレーだけでなく人間性までをも愛し、敬うことができるプロフットボールプレイヤーは、なお様しかいません。もしかすると、あとにも先にもなお様しかいないのではないかと思います。

なお様の人間性は、もちろんファンは触れ合う時間が限られるのだけど、なお様自身が発することばや示す行動、伝えきくエピソードから、濃厚なリアリティをもって実感できます。

誰もが皆、なお様に包まれたくて、爽やかな薫りを心待ちにしています。でもなお様は、東京に来た当初は今のような愛を帯びていなかったと思います。ぼくらはどうやってなお様を愛すようになり、なお様はどうやってぼくらを愛してくれるようになったんだろう。

なお様の東京デビューは2002年4月27日駒沢公園陸上競技場。当時はヤマザキナビスコを冠していたリーグカップの予選リーグ第1節清水エスパルス戦でした。横浜F・マリノスから出場機会をもとめて、ヒロミの誘いで東京にやってきます。加入早々の試合でスタメンデビュー。そして鮮烈な残像をぼくらの目に焼き付けます。

韋駄天。

のちになお様ファンのかたが名付けた神の名は、なお様のプレーにぴったりでしたし、それから16年間を過ごしていくうちに、なお様の慈愛の厚いひととなりが、神の名を自然に感じさせるようになります。

ぼくらがなお様を愛する理由のその 1は、もちろん躍動感あふれるプレーです。なお様のプレーは、いまさらいうまでもありませんけど、飛翔しているようです。なお様が疾ると風が吹きます。いや、なお様自身が風です。ぼくらは風に誘われて風にのります。なお様独特のストライドの大きい走法はリスクがあるんじゃないかと思ってしまうのですけど、ハイスピードのプレーを実現できる下地がなお様にはあります。卓越したボールコントロール技術がありますから。

ぼくらがなお様を愛する理由その2は、なお様のゴールが湧き起こすスタジアムの高揚感です。なお様の翔び躍るようなプレーが期待を最高潮にし、ゴールが最大級の歓喜をもたらします。ぼくらはなお様のゴールが観たくて味スタに通うようになりました。

ぼくらがなお様を愛する理由その3は、笑顔です。ゴールした時、勝利の後、仲間をたたえる時、サポに接する時、なお様はいつも、目尻に笑い皺をためてはじけるような笑顔を観せてくれます。これもなお様ファンのかたが生み出したことばで好きなことばですけど、ぼくらはなお様の笑顔に魅せられました。

ぼくらがなお様を愛する理由その4は、なお様がつれてくる爽やかな空気です。直接接しているわけでもないのに、スタジアムのスタンドからも、テレビを通じても、写真からですらも、爽やかな風を感じさせてくれます。おそらくなお様が意識して作りあげてきたのではなく、もって生まれた資質でしょう。そしてそれは、どんなに苦しく辛い経験をしても微塵も薄れることのない強さをもっていました。きっと海も山も身近にあるYRP野比が育んだんじゃないかと思います。

ぼくらがなお様を愛する理由その5は、いつも変わらないハートフルなスタンスです。なお様ファンだけじゃなく、すべての東京サポ、いや相手サポも一般のサッカーファンも、もっというとサッカーを知らない人ですらも包み込む包容力は、ぼくらをいつも暖かい気持ちにさせてくれます。ぼくはなお様のファンであったことはありませんけど、常にファンでした。

プレイヤーなお様の歴史は輝きと苦難が交互に織りなす一遍のタペストリーのようです。

ワールドユース2001代表
アテネオリンピック代表
日本代表Aマッチキャップ6
天皇杯優勝2011
Jリーグカップ優勝2001、2004、2009
J2優勝2011

一方で、アテネオリンピックの出場機会はわずかに一試合のみ。南アフリカワールドカップは予備登録に終わりました。そして、なお様を苦しめた怪我の数々。

2005年 右膝前十字靭帯損傷及び右膝外側半月板損傷
2009年 左膝前十字靱帯不全損傷
2014年 腰椎椎間板ヘルニア
2015年 左膝前十字靭帯断裂

ワールドカップイヤーを翌年に控えた2009年の時は、怪我をするまで15ゴールとキャリアハイの成績を残しました。ワクワクが止まらなくて毎試合ゴールしてくれるんじゃないかと思えたくらいだったのですけど、正直怖いくらいでした。すでに靭帯を一度怪我してますし、なお様のフィジカルの絶対領域を超える好コンディションがなお様を壊してしまうんじゃないかと心配でした。

なお様は、苦しみを経験するたびに不死鳥のごとく蘇ります。そのたびに必ず新しい魅力を身につけて帰ってきます。2005年の時はドリブルだけでなくシュートやパスのクオリティを上げ、総合力のあるアタッカーになり、2009年に開花しました。度重なるリハビリの経験は、身体のことを学ぶ時間だったかもしれません。丁寧に身体に語りかけるようなアップの姿をみて、そんな風に感じます。きっとこの経験はこれからのなお様の人生に役立ってくれるんじゃないかと思います。ぼくらがなお様を愛する理由その6は、不屈の魂です。

なお様を愛する理由はファンひとり一人の体験のなかにもっともっとあると思います。そのすべてが今、なお様への感謝の気持ちとなっています。

なお様、18年間おつかれさまでした。

ぼくはまだ、プレイヤーなお様がいない東京を実感できません。東京がもつあたたかい雰囲気の源はなお様だと思います。なお様や塩様、羽生先輩が作りだした財産だと思います。東京が目指す強く、愛されるクラブをかたち作る強さとは、けして試合に勝利することだけではないと思います。自己の困難に打ち勝ち、なおかつ周囲への敬意と愛情を欠かさない、ひととして根源的な強さもまた、必要なのだと思います。なお様は、その存在でぼくらに大事なことを教えてくれていました。

2018年からなお様の新しいキャリアがスタートします。まだ公表はありませんけど、東京にかかわってくれます。現役の選手のなかにもなお様に影響されたかたがいっぱいいますから、東京のDNAをつなぎ、新しい才能を生み出していってくれたらいいなと思います。

なお様。ありがとうございました。そして、これからも末永く、東京を愛し続けてください。ぼくらもなお様を愛し続けます。

With appreciation,


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