ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2016J1リーグ1stステージ第8節ヴァンフォーレ甲府vsFC東京@山中スタ20160424

2016-04-27 20:17:00 | FC東京

四月も下旬になると、GWのことを考えはじめてソワソワします。

本日は個人的にGW前にプチ旅行。

甲府でございます。この時期の甲府は、花子とアンロケ地巡りで訪れた2014年以来かな。本日のYou'll Never Walk Alone♪

早々と先制され苦しみましたけど、相太のゴールで追いつきました。

東京はターンオーバーです。ハビと慶悟がお休み。遼一もサブスタートです。シフトは今日も4-4-2。GKは秋元。CBはモリゲとまる。SBは駒野がリーグ戦東京デビューで、右は徳永。ボランチは梶山とヨネ。今日のメイヤは右に広貴左に拓馬。今日の2トップは相太とバーンズです。

甲府はニウソンが怪我で長期離脱です。それでもただいま公式戦三試合負けなし。今年のかたちが出来てきているようです。シフトは3-4-2-1。GKは河田。3CBは右から新井、英臣、津田。ボランチは黒木とビリー・セレスキー。WBは右に松橋左に佑昌。2シャドウは右に稲垣左にクリスティアーノ。今日の1トップは河本です。

今年甲府の観戦は二戦目です。埼スタの浦和戦を観た印象は、5+4の屈強なリトリートスタイルで、とてもコンサバティブに見えました。でも前述のとおり三試合負け無しで、チームが確立されはじめているのか、今日の甲府はアグレッシブです。ちなみに今日はバックスタンドだったのですけど、周囲の甲府サポさんが「今日は積極的だねー」と仰っていたので、言質取れました(^-^)/。

今日の甲府の闘いかたは、とてもシンプルです。簡単に言うと、攻めることで守る。東京に後方の脅威を与え続けることを意図します。これはおそらく、東京が重心が下がると攻撃のやりかたが機能しないチームであることを踏まえているのだと思います。

甲府の作戦は、裏への飛び出しです。しかもサイドのライン際から飛び出してきます。これが機能するのは、ボールが逆サイドにある場合。つまり甲府の攻撃プランは、サイドチェンジのロングフィードを最終ラインの背後に放り込み、そこに逆サイドのプレイヤーが飛び出すイメージです。

これを実行するためには、裏を狙いたいサイドの逆側で組み立てができることが条件のひとつです。今日、大エースクリスティアーノを左サイドで使ったのは、そういう意図があってのことだと思います。今年の甲府には、客観的に見て残留ギリギリ感がありません。それはひとえに、Jリーグでスーペル・ジョガドールの地位を確立したクリスティアーノの存在ゆえです。甲府のビルドアップは、ほぼすべてクリスティアーノに預けるところからはじまります。東京は分かっていてもクリスティアーノのボール保持力を崩すことができません。クリスティアーノが安定して左サイドの高い位置で一次基点を作れるため、甲府のアタッカー陣は、安心して規定の攻撃に備えることができるのだと思います。

クリスティアーノの落としでワンプッシュして、東京に守備陣形を作らせることに成功した甲府は、狙いであるロングフィードアタックを発動します。この攻撃のパターンは左右マルチです。基本的にはダイアゴナルにクロスを送ります。新井からクリスティアーノ、もしくはクリスティアーノが絞って開けたところに上がる佑昌。津田から稲垣もしくは松橋というイメージです。

甲府の基点はクリスティアーノだけではありません。後方からのターゲットは基本的にクリスティアーノですけど、ビルドアップでは真ん中にはる河本に預けるパターンがあります。河本はスクランブルでしたけど、基点として粘り強くがんばってました。

ロングフィードは、攻守両面の意図があります。少なくとも前半は、攻撃は1、2人で完遂していました。これは、守備陣形を大幅に崩すリスクを避ける意図です。今日の甲府は明確な5バックを敷く極端な守備過重な作戦ではありませんでしたけど、守備の安定を最優先する基本的な闘いかたにブレはないということでしょう。

それ故、東京は攻撃に苦しみます。問題は甲府がバイタルエリア中央を閉めるため、一次基点を満足に作られなかったことです。今日の東京は正攻法でした。バーンズを使ったので比較的長めのボールで守備網を押し下げ、甲府をリトリートに引きずり込む意図かと思ったのですけど、ガチでした。ヒロシの想いがそうさせたのかもしれません。相太とバーンズが変わるがわるバイタルエリアに入ってポストを受けようとしますけど、英臣を軸とする3CBは、さすが四年連続J1の堅城です。

さらに東京を苦しめたのは、甲府の中盤のプレッシングです。甲府の中盤の守りかたは積極的なフォアチェックではありませんけど、一定線を越えるとボールホルダーに対し人数をかけて圧力をかけます。このプレスで、中盤でトランジションができることに加えて、最終ラインに余裕を持たせる効果もあります。

東京は重心を高くできないので、攻撃のかたちがなかなか作れません。メイヤをサイドにはらせていたので、おそらくサイドで基点を作って、ゴール前で高さのギャップを活かす作戦だったと思いますけど、その片鱗すら見せられません。そして甲府のロングフィード大作戦が奏功します。

15分。例によってロングカウンターで得た河本の右CK。ショートコーナーにしてセレスキーに預けます。セレスキーは後方の英臣に渡します。英臣は縦に仕掛け、下がってくるセレスキーとクロスオーバーしながらヒールで渡しなおします。これでセレスキーがストーンの駒野とバーンズを振り切ります。CKを蹴った河本が、セレスキーと英臣の絡みの間に中央やや右寄りに移動していました。フリーです。セレスキーは河本にパス。そのままゴール前に上がります。この時ペナルティエリア内は、ニアから津田、クリスティアーノ、稲垣、黒木、佑昌が並ぶのに対し、東京は相太、徳永、梶山、モリゲ、拓馬、ヨネの6on5。数的には問題ありません。河本は、おそらくは甲府が準備したCKパターンのひとつなのでしょうけど、実質ままよどうにかなりまっしゃろクロスをゴール前に上げます。これが、ちょうどモリゲと、縦に並んでいた拓馬の間に落ちます。そこにスルスルって入ってきたのは稲垣でした。稲垣は右足で流しこみます。あえて言うとマーキングが不十分でしたけど、なかなか見られない完璧なアクシデンタルゴールです。甲府1-0東京。

先制した甲府は、ロングフィードも封印して完全リトリートモードに移行します。とはいえ下がり過ぎることはなく、基本的な守りかたを変えることはありませんから、リズムそのものは変わりません。大いなるラッキーがあったとは言え、甲府の思惑通りに、前半はビハインドで終了。

後半からヒロシがアジャストします。メイヤをバイタルエリアに絞らせ、二人並べます。前半も広貴か拓馬のどちらかがなかに入ることはあったのですけど、二人が同時に入りはじめたのは後半からでした。とてもマイナーなアジャストなので、効果があるのか不安だったのですけど、これが効きます。

甲府の5+4の守備網は、とても連携が行き届いていて、コンパクトに左右中央の攻撃に対処します。ただともすれば、コンパクトさ故に、中央で基点を作られると重心が下がり易くなり、また中央寄りにかたまります。甲府の基本的な作戦から、ある程度押し込まれることは折り込み済みでしょう。でも今日は、いつになくアグレッシブに入ったので、切り替えがどこまでスムーズにできるのか、つまり最小点差を守り切るというリスクマネジメントのハードルを自ら上げる覚悟がチームとしてできるか、とても興味深かったです。まして時間はたっぷりありましたから。

そしてヒロシが動きます。バーンズに代えてムリキを同じくトップに投入します。中央で基点ができるようになったので、それを助長する意図だと思います。ムリキはひとりトップ下の位置に入って、甲府の両ボランチとCBのひとりを引き受けます。広貴と拓馬が担っていたことをムリキひとりに任せられるため、東京はサイドに人数をかけた攻撃ができるようになります。

ムリキはコンディションが上がってますね。キレが出てきましたし、無理が利くようになってきています。あとはゴールの感覚でしょう。そして東京のモードチェンジが粘る甲府を押し切ります。

63分。拓馬が松橋に倒されて得た、駒野の左奥のFK。近めのCKのような位置です。甲府はゾーンとマンツーマンのハイブリッドです。ストーンはニアに二枚。東京はゴール寄りにムリキ、梶山、拓馬が入り、セレスキー、黒木、松橋が付きます。離れ目のメインキャストはまる、相太、モリゲで、それぞれ英臣、新井、津田が付きます。ただ、なぜかこの時新井が相太を離しています。相太は一度ファアに動いてから、まるをスクリーンに使ってニアに出ます。新井はこの動きについていきます。おそらく新井が離れていたのは、東京のスクリーンプレーをスカウティングしていたのでしょう。ところが相太はその上を行きます。左右に細かいステップを踏み、新井を翻弄します。ニアをケアするため新井が止まったのを見計らい、駒野のモーションに合わせ、新井の背後を取ります。新井の頭を越す駒野のクロスは相太にピッタリ合いました。とても地味ですけど案外ゴラッソ。甲府1-1東京。

同点になって甲府はどうするかなと思っていました。佐久間さんの選択は勝ち点3です。黒木に代えてチェカをトップに投入します。河本がシャドウに、稲垣がボランチにそれぞれ回ります。

勝てそうな流れがあるときに勝ち点を積み上げることが秋口の結果に繋がりますから、当然ですね。ただ、一度リトリートモードに入ったチームに、もう一度攻撃モードに転じさせるだけのちからが甲府にあるか、興味深かったです。チェカは前線を広範囲に躍動します。ただ、クリスティアーノと河本のエネルギーは、攻撃に叶うほど残っていなかったかもしれません。とくにクリスティアーノのプレー精度が極端に落ちていました。大エースがリズムを作れないと、甲府の攻撃はほぼ鎮火します。

攻め時と見たのでしょう。一気にヒロシが動きます。まず、広貴に代えて宏太を同じく右メイヤに投入します。ボールが持てて基点になれる広貴から、ドリブラーアタッカーの宏太に代えることで、右サイドを活性化する意図だったと思います。

さらにヒロシが重ねます。シフトを4-3-3に移行します。3CHは右から拓馬、梶山、ヨネ。WGは右に宏太左にムリキです。ふりかえっていないので確かではありませんけど、リーグ戦の3トップは初めてかもしれません。宏太の投入はこの予告だったのでしょう。意図は、宏太とムリキという割とゴリ押しできるドリブラーをサイドに置いて、疲労感もあるだろう甲府の守備網を、サイドからグリグリ攻めたてるというところでしょう。この直前、ムリキが中央で無理できなくなっていて、ドリブルが簡単に捕まるようになっていたので、数的な不利のないサイドに出して、もう一度活性化しようとしたのでしょう。なので、中央に二枚、3CHというよりもシャドウ気味に拓馬とヨネを使うことが、甲府をもうひと押しするポイントでした。ただ、さすがに急造の布陣ですから、ヨネはともかく拓馬が、いくぶん宏太とのバランスを見て下がり加減になっていたと思います。なので波状攻撃はかなわず、甲府の集中力を崩すには至りません。

最後にヒロシが動きます。相太に代えて遼一を同じくトップに投入します。もしかすると、ここに来てコンサバティブな結果も有りと見たのかもしれません。相太のコンディションを考慮したのだと思いますけど。個人的には、むしろ攻撃を有効にするなら中央の入れ替えだと思っていましたから、バランスを崩すことなく、無理のない選択をしたのだと思います。

というわけで、このまま試合終了。甲府1-1東京。

前半の低調さからうってかわって、後半は攻撃を活性化できました。先日のACL全北戦といい、どうも今年のヒロシ東京はスロースターターのようです。今日のように、ドラスティックな作戦変更でなくても、ちょっとしたポジションの修正でイニシアチブを逆転できるところを観ると、もちろんそれを実現する選手のクオリティの高さがありつつも、現場のスカウティング力の高さが伺えます。

ただ、やはり地味なことは否めないですね。勝利あるいはゴールという分かり易い結果と、できれば試合を通じての支配する力こそお客さんを呼べますから。ACLとの平行運用でホントに大変な内情なのはよくわかります。その意味では、今日のドローは悪くない結果だと思います。GWが明けたらひと息つけますから、粘り強くがんばってほしいです。

さあ次は、今年前半の山場、ACLグループステージ最終戦です。もちろん現地には行けませんけど、ぼくらを次のステップに連れていってくれることを願います。


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