ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2016Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップFC東京vs東京ヴェルディ@沖縄県総合運動公園20160130

2016-01-31 16:45:29 | FC東京

1月もそろそろおしまい。Jリーグを追う生活をしていますと、一年のうちでこの時期だけサッカーを離れてほかのことができたりするのですけど、サポのオフもあっという間ですね。

U-23代表がリオデジャネイロオリンピック予選大会の頂点に立ちました!。いろいろ苦しい時期もあった世代のチームだったけど、同年代のアジアの大会で、最後の最後に栄冠をつかむことができました。真の意味でファイナリストですね。決勝の韓国戦も、点差ではなく内容で、粘り強さが求められる持久戦に持ち込んで、2分間で追いつき15分間で一気に逆転しました。おめでとうございます。これから所属チームと代表で新たな競争がはじまります。なんだか広島方面と浦和方面と鹿島方面と川崎方面がパワーアップしてそうですけど、わが東京にもいっぱいお土産があるといいなと思います。

東京は今月で沖縄キャンプを無事終え、小平に戻ってきます。キャンプの集大成は、ひさかたぶりの東京ダービー。とは言え、質量内容ともに、すべてに置いて差がつき過ぎているので、春先ということもありながら、ダービー感はまったく感じませんでした。ヴェルディに対してはなんらオブリゲーションはないのですけど、ひとつだけ感想すると、ずいぶん現実的なサッカーになったなあということです。いたし方ないのだけど思うけど、このままだと良くてエレベーターチームですね。どういう方向に持っていきたいのかなあ。

さて今日のテーマは、ヒロシ本人が公言していましたとおり、来る2月9日にひかえるACLプレーオフのシミュレーションです。まだ対戦相手が決まっていないので、対戦シミュレーションというよりかは、東京自身のACLモードを確認する、いわばシャドウプレーだろうと思います。

ACL仕様は、ACLスペシャルで臨むか普段の闘いかたを変えないか、出場チームによって考え方が異なるようです。昨年だと前者は柏、後者は広島、ガンバ、レッズ、鹿島。柏があの戦力でリーグ戦を突破できたのは、もしかするとACL重視にわりきった編成を選択したからなのかもしれません。

結論を言いますと、どうやらニューヒロシ東京は、ACLスペシャル仕様を用意しようとしているのではないかと思います。

まずシフトに現れます。ここまではスタートは4-1-4-1を採用していましたけど、今日は4-4-2です。主力が揃っていた57分まで、シフトを変えませんでした。おそらく9日は、このシフトで臨むのでしょう。ここがひとつポイントです。

布陣は、札幌戦とほぼ同じです。GKは三試合ぜんぶスターターを替えて、今日は秋元です。今日のスターターが9日のスターターというヒロシの発言がブラフでなければ(ほぼブラフだと思いますけど)、ACLは秋元、リーグ戦は達也というターンオーバーかもしれません。CBは今日は右にモリゲ左にまるです。まると秀人もターンオーバーかもしれません。こちらは大会によってというよりかは、ゲームプランによって選択を分ける気がします。SBは右に徳永左に駒野。ここは原則不動だと思いますけど、三試合全試合出場の諒也に対する期待を強く感じます。いずれ、駒野のバックアッパーは必要と考えているのでしょう。

中盤は、ボランチは右にハビ左にヨネ。頻繁に左右を入れ替えていました。理由はわからないのですけど、ボランチのポジションチェンジは珍しいので、意図を考えたいと思います。ハビとヨネはプレースタイルが異なりますから、相手の左右の攻撃バランスによって入れ替えているのかもしれません。後述しますけど、右ボランチと左ボランチは、守備のタスクが少し異なっていました。メイヤは右に宏太左に慶悟。宏太はチーム唯一の三試合ぜんぶスターターです。宏太をはやくフィットさせたい想いでしょう。フリーキッカーも任されそうなので、大きな期待を感じます。ちなみに三試合すべてに出場したのは、宏太と諒也のほかは、サンダサ、バーンズ、拳人、まる、拓馬。コンディションが整ってない選手以外は、今日梶山が昨年7月19日以来の実戦復帰を果たしたので、全選手が出場したと思います。そのなかでの7人ですから、これも期待の現れでしょう。翔哉とユ・インスが戻ってからの使い方がわからないのですけど、現段階では宏太と慶悟が組み立ての左右の軸になるのでしょう。

アタッカンチは、今日は2トップで、右に拓馬左に遼一です。この二人以外でアタッカンチとして使われたのは、サンダサ、バーンズ、慶悟、草民です。相太と容平が戻るとまた違うかもしれませんけど、生粋のアタッカンチが量的に不足して見えるのは、ターンオーバーを考えるとちょっと心配処かもしれません。

ACL仕様との比較として、仮想リーグ戦仕様を再確認します。シフトは4-1-4-1。IHにボールホルダーを犬追いさせることをきっかけにして相手の攻撃プランを起点から機能不全にして支配権を握り、アタッカーの流動性で高い位置でのマルチな二次基点を作って、人とボールを動かしながら攻撃に人数をかけていく、イニシアチブを常に持つことを志向する、ヒロシらしいロマンチックなサッカーです。

対する、今日確認できたACL仕様は、とてもリアリスティックなサッカーです。と言っても、ヒロシが山家で見せていた土の香りがするリアリズムではなく、モダンで高質なディフェンシブなサッカーという意味合いです。

モダンとは言いましたけど、ポストモダンではありません。フィッカデンティさんが体感させてくれた、現代的なコレクティブな守備というよりかは、割合オーソドックスな守り方を基調とします。トランジションのポイントは、比較的低く設定されていて最終ラインです。なので、フォアチェックを見せるのですけど、中盤が全線を追い越すチェックではなく、前線は守備コースを決めることが目的です。中盤と最終ラインで4+4の2ラインを敷きます。原則はゾーンで、パスコースを消すことを意図します。前線からバイタルエリアに下がる選手は、割合フリーにさせていますけど、一次基点を作られても、そこからの展開を最終ラインが許しません。そのための序奏として、中盤の両サイドが、後方の選手の攻撃参加をケアしています。

ちょっと特長的に見えたのは、ボランチの守備での役割分担です。基本は左右のエリアを分担しているのですけど、右ボランチが起点に対しファーストチェックに行くことがあります。ハビもヨネも、右に入ると前を消しに行っていたので、左右のポジションで役割を決めているのかもしれません。ゆえに、右ボランチの後方が空く傾向にありますけど、ここを狙われたときの処理は、今後のアジャストかもしれません。いずれにしろ、たんに攻撃を受けるのではなく、中盤の守備の仕掛けで後方のトランジションを容易にしようという意図を感じられます。

スタッツを確認すると、主力が入っていた57分までは、ヴェルディのシュートは1本だけ。ショッツ・オン・ゴールに至ってはゼロ。ペナルティエリアに入ったシーンもほとんど記憶がありません。最終ラインの堅固さを象徴するスタッツです。ポゼッションの技術が格段に上のACL本戦でどこまでこの守備が安定的でいられるのか、実戦を見てみないとわかりませんけど、札幌戦に続いて、ACL仕様のシェイクダウンとしては、上々の滑り出しでしょう。

ヨネは相変わらずカバーリング範囲の広さとコンタクトの巧みさが光っていました。ハビはポジショニングがいいんでしょう。ヨネに比べると激しいコンタクトはあまり見せていませんでした。実際に警告は二試合出場でもらっていませんし。中盤のゾーンのバランスをとっていたのはハビですし、結果的にシュートすら打たせないことに成功していますから、ハビの安定感は信頼できるものなのかもしれません。ちょっと気になったのは、札幌戦で下がったあと、ベンチで右足を気にしていたことです。ただ守備の強度では秀人はチーム一ですし、バランサーでハビと同タイプのヒデもいますから、中盤のターンオーバーは心配なさそうです。

琉球と札幌はリトリートスタイルでしたので、積極的にフォアチェックを仕掛けるチームはヴェルディがはじめてです。ヴェルディの基本的な守備プランはフォアチェックではないと思うので威力がいかほどかはわかりませんけど、東京は難なくいなしてました。フォアチェックに対しては、無理をしないことが前提のようです。パスを回してプレスをいなします。コンタクトになってボールを奪われるシーンもありましたけど、ロストした選手が発生源で粘ることでバックアップの時間を作っていました。この切り替えを徹底できていれば、十分リスクマネジメントできると思います。地味ですけど、ACLではこのようなプレーが最終的な結果につながるのかもしれません。

ACLの基本プランは守備を前提としていることが、今日の試合でうかがえます。ここがリーグ戦仕様との顕著な違いですね。ゆえに攻撃プランも様相が異なります。リーグ戦仕様では、中盤で構成して積み上げていくビルドアップスタイルを基調としていますけど、ACL仕様は、同じビルドアップでも守備同様オーソドックスです。遼一にできるだけ高い位置を保たせ、ポストを入れて一次基点とし、戻しからハビ、ヨネ、宏太が左右に展開。そこからサイドアタッカーがシンプルに折り返して中央を狙います。二次基点は右は拓馬が広範囲に動き、下がり気味に入ります。左は慶悟がライン際高い位置でホールド。札幌戦に比べて慶悟はあまり動き回っていませんでした。おそらく高い位置で二次基点を作り、駒野を引っ張りあげるためだと思います。慶悟がチームの重心を押し上げるフックのような役割なのだと思います。三戦を通じて拓馬の存在にとても興味がわいています。おもしろいですね。中盤に顔を出してパス回しに加わっていたと思ったら、次のプレーでもう前線に攻撃参加しています。運動量、シュートアテンプトを見極める視力と逃さない技術。パスだけでなくドリブルで局面を変える戦術眼。割合タスクが固定的に思えるACL仕様のアタッカー陣のなかで、媒体のような役割を担っています。今年の攻撃のキーマンは、拓馬なのかもしれません。

攻撃で頻繁に使っているのは、アタッキングサードでのタベーラです。遼一、慶悟、拓馬、宏太が壁になって最終ラインを固まらせ、セカンドアタッカーがゴールに向かって飛び出すシーンが時折見られます。中盤でも、タベーラで局面を打開するアイデアが何度も見られました。タベーラが決まるとスタジアムがわきますので、エンターテイメントという意味でも興味深い取り組みです。

後半はヴェルディがシフトを4-4-2に変え、守備もオーソドックスなリトリートスタイルにしましたので、東京とヴェルディの闘いかたがシンメトリーになります。ここからの10分間、選手を入れ替えるまでの時間帯は、攻撃のリズムがとてもよかったです。高い位置で二次基点を作ることができ、かつ効果的なタメを作れていたので、攻撃に人数をかけることができていました。前述したタベーラなど、アイデアとコンビネーションを使って完璧に崩したシーンが何度かありました。結果的にゴールは決まらなかったけど、攻撃のプロセスは出来ていたので、現段階では十分だと思います。

57分に梶山が投入されます。7か月ぶりの実戦復帰です。いわゆるアンカーは、ハビ、秀人、ヒデ、梶山の4人体制です。梶山は、残念ながら現実的にシーズンを通じてフルに戦える脚ではないと思うのですけど、どうゆう形にしろ、なんとしても使ってみてほしい選手です。ヒロシも同じ想いなのでしょう。梶山をアンカーに入れ、シフトを4-1-4-1にします。ここからはACL仕様のチェックではなく、梶山モードのテストだったと思います。いまさら梶山論を述べる必要はないのですけど、ご存じのとおり梶山の特長はヌメヌメと動きまわることです。ヨネや秀人も動きますけど、梶山の動きは独特で、メリハリがなくずーっとヌメヌメしてます。攻守にチームの臍となる部分が、状況によって動的に変わるというのが梶山の基本的な発想なのだと思います。梶山の感覚では、前線と後方の距離感とフリースペースを探し続けているだけだろうと思いますけど、それが結果的にチームの臍を作りだしているのです。梶山が入ると、梶山以外の選手はすべて梶山に使われる感覚になると思うので、この独特の動きに慣れる必要があります。それに梶山のパスもタイミングとフォームが独特で、ともすれば味方をも欺くときがあります。この点でも梶山モードにアジャストしていく必要があります。どの監督も同音に認めているように、スペシャルなときの梶山は対処のしようがないほどの圧倒的な威力をもっています。残念ながらこれからはその機会は多くはないと思いますけど、セクシーな梶山モードをもっともっと体感したい気持ちは、隠しようもなくこころの奥底にあります。

主力は、プロセスの圧倒感を残して、ACL仕様のチェックとしては十分な成果のなかテストを終えました。ところでニューイヤーズカップはいちおうタイトルマッチでして、勝つかドローで優勝です。このままでも優勝だったのですけど、バックアップの選手たちが、最後の最後に完勝をもたらしてくれました。

 

後半アディショナルタイム。平本の突進をまるがカットして、左ライン際の羽生に預けます。フリーの羽生はルックアップして、左に流れてフリーのバーンズにパス。バーンズは縦を目指してサンダサに渡しますけど、攻撃タイミングではなかったサンダサは羽生に戻します。羽生は再度バーンズに出してチャレンジ。バーンズはターンして一瞬ためを作って、タイミングをはかります。この間にサンダサが縦に抜け出し、攻撃モードに移ります。これを見たバーンズがサンダサに渡して攻撃スイッチが押されました。一気にアタッキングサードに入ったサンダサは、ルックアップして状況を確認します。ヴェルディは最終ラインがそろっています。東京はペナルティエリア中央に広貴だけ。でもこの時、拳人が長躯、ファーサイドに上がってきていました。サンダサはこれを見逃しません。右足アウトサイドで拳人に流します。拳人も右足アウトでトラップをファアに流し、プレスをかわします。その体勢の流れのまま、右足を振りぬきました。東京1-0ヴェルディ。

これがこのまま決勝点となりました。試合数そのものは昨年とそれほど変わらないのでしょうけど、遠征もありますし、対戦相手の強度も高くなりそうです。ターンオーバーはもとより、故障も出てくる可能性はあります。バックアップの選手がモチベーションを維持し、活躍してくれることは、チームの活性化にとって不可欠だと思います。

チームは小平に戻って、組織としての闘いかたの精度を高めていくと思います。個々の選手の技術的向上も必要です。そのベースとして、心身の安定も求められます。月があらたまると、例年よりはやめにいよいよ本格的に闘いの舞台が幕を開けます。ぼくらの長い長い2016年シーズンがいよいよはじまります。U-23のAFC優勝も刺激になって、サッカーモードの気持ちが整ってきました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿