ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2019J1リーグ第7節FC東京vs鹿島アントラーズ@味スタ20190414

2019-04-15 17:38:21 | FC東京

ちょっと肌寒い日がつづき冬のなごりを感じさせた今週。でも日が長くなって、確実に新しい季節の到来が実感できます。

ぼくらは、建英がやがて日本を背負うようになる日に、胸をはって建英は東京もとで大きく成長したって誇れると思います。ミッドウィークは、昨年の苦闘を超えてたどり着いたスペシャルなゴールでした。You‘ll Never Walk Alone♪

ミッドウィークに秩父宮でカップ戦がありました。実はラガーマンだった自分には馴染み深い秩父宮ですけど、サッカーでの使用は新鮮。仕事で行けなかったのが悔やまれます。

難敵続きの今月の第2戦は、鹿島。

鹿島の蛮勇をいなした、理想的な大逃げでした。

東京はベストメンバー。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはヒョンスとモリゲ。SBは成と諒也。CMは洋次郎と拳人。メイヤは右に建英左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

鹿島はサイドの編成に苦労しているようです。怪我人がいるうえACLも並行運用ですから大変でしょう。シフトはスクウェア型の4-4-2。GKは曽ヶ端。CBは犬飼と町田。SBは右に小田左に安西。CMはレオと永木。メイヤは右にレアンドロ左に土居。2トップは翔とセルジーニョです。

試合はいきなり動きます。

5分。左スローインからはじまった東京の左右に揺さぶる連続攻撃から。モリゲのスーペルなピンポイントサイドチェンジを受けた成が、アーリー気味にゴール前に上げます。これに慶悟が合わせますけど、シュートは左方向に流れます。ゴールラインを割る前に洋次郎が追いつき、上がってきた諒也に戻します。まるでショートコーナーのような形になります。諒也はルックアップ。この時ゴール前は、ニアの慶悟に犬飼、ファアのディエゴに町田と安西がついています。でも真ん中の謙佑はどフリーでした。これを見た諒也はダイレクトでシンプルにゴール前に送ります。謙佑は合わせるだけ。東京1-0鹿島。

大岩さんは、とてもピュアです。先週のソリッドなヨンソンさんを体験したばかりなので、Jリーグのサッカーが多様性をもつようになったことを実感します。鹿島のイメージは、とかくロマンチックなコンテクストがもてはやされ勝ちな日本の風土のなかでは得意な進化をたどっていて、リアリズムの象徴のようです。けして試合を通じてリアリスティックなわけではないけど、たしかに状況によっては勝利だけを追及する場合もあります。それはどのチームも選択することだけど、鹿島の場合は方法が極端で、そのメソッドが原理化していることもイメージを助長しているのでしょう。

そのなかにあって大岩さんは、きわめて異質だと思います。鹿島史上はじめての、ピュアな思想をもった監督でしょう。ただし大岩さんのピュアを理解するには鹿島のサッカースタイルの理解が必要です。思想としての原理てはなく、サッカースタイル自体の鹿島イズム。その意味では、大岩さんは自身のサッカーに対してピュアなだけでなく、鹿島スタイルと一体となったピュアさなのだと思います。

鹿島は全方位的に支配するサッカーを志向します。だから本来の鹿島は、一般的にはリトリートするイメージが強いけど、非常に攻撃的だと思います。オリジナルプランはオーソドックスで、サイド基調で、アタッカーのスペースメイクに重点を置いたスタイルです。大岩さんのピュアさは、この鹿島らしい攻撃スタイルに偏重していることです。これは大岩さん個人の志向というよりかは、鹿島という世界観全体の変質がもたらした傾向なのかなと思います。

というわけで、鹿島は過剰に攻撃にこだわります。鹿島の攻撃は全方位的であることが信条ですから、ボールサイドで常に数的優位が必要です。これを実現するために、CMのタスクがポイントになります。鹿島は事実上2バックシステムを採用します。サイド基調ですからSBが高く位置取るのは当然のこととして、CMが二人とも攻撃に加わることが特長です。なのでリスクマネジメントはCBに委ねられます。最近は、ゲームコントロールとリスクヘッジを兼ねて、セーフティネットとしてCMのひとりを最終ラインに入れる傾向にあります。鹿島はそのトレンドにあえて逆らう、超攻撃的スタイルだと言えるでしょう。

これはもちろん、攻撃が最大の防御という発想に起点しています。ですから、鹿島の攻撃が凌駕できる相手であれば十分に機能するでしょう。一方でもしかすると鹿島は、鹿島スタイルを捨てるプランを余儀なくされるチームには苦労するのではないかと思います。

その代表が東京。

鹿島の2バックシステムは、東京のロングカウンターをさばききれるだけのスピードもパワーもありません。CBは、要となる代表クラスの選手があいついで抜けた編成上の事情はあるにしても、今のチョイスこそ攻撃志向を象徴していると思います。犬飼も町田もトータルのクオリティの高い選手です。たとえば後半に犬飼が見せた攻撃参加は、数的優位とカオスメイクに貢献するプレーです。フィードの精度も高く、ゲームコントロールの能力も高いのでしょう。ただ如何せん、東京のアタッカーを御すには肝心の守備の基本的な属性が足りませんでした。

鹿島を象徴するポジションは、いわずもがなSBです。SBこそ、編成上の打撃をもっとも受けていると思います。とくに、左はともかく右。きびしいようだけど、小田は現時点では、鹿島の攻撃スタイルの表現者としてのクオリティが足りないと思います。鹿島のサイドは、伝統的にメイヤとSBの役割分担が明確です。いずれかが基点になり、一方がアタッカーを担います。どちらかというとこれまでの鹿島は、メイヤが下がって基点になることでSBがゴール前で仕事することが多かったと思います。今日の鹿島は、これまた左はともかく右はバラバラでした。これは小田の問題が大きいのですけど、レアンドロも一因です。

レアンドロはフリーランスなスペースメイクが特長の選手ですから、鹿島ではメイヤではなくトップやトップ下のほうがフィットするのでしょう。もしくはうっちーのように基点にもなれるSBにコントロールしてもらえば活きるのかもしれません。鹿島の右が連携を失うことで攻撃力を減衰させたことが、この試合の趨勢を決定付けることになります。鹿島はペナルティエリアに入ることすらできません。

最近の東京は、やや相手に合わせる傾向にありました。前節はそれゆえに消極的にうつりさえしました。今日は一転、とてもアグレッシブでした。鹿島のバイタルエリアが非常にルーズだったため、中央のポストがおもしろいようにおさまります。ワンタッチ基調のポストで一気にゴールに向かって加速する、超ハイスピードカウンターが気持ちよくサクサク決まりました。東京は、鹿島の問題を巧みに利用して、自分たちのリズムを作り出していました。そのベースは、もちろん出し惜しみのないフォアチェックです。

そして、失点してなお攻撃偏重を変えない鹿島に現実をつきつける追加点が生まれます。

16分。鹿島の連続攻撃から。レオのチャレンジパスを拳人がカット。これを建英が拾って、スキルフルなさばきでキープ。前線でスプリントを開始した謙佑に送ります。カウンターの発動です。謙佑と並走するディエゴの前は両CBだけ。犬飼を引きつけた謙佑は、ダイアゴナルに走るディエゴにスルー。アタッキングサードに入ります。ここからはディエゴの独り舞台。トラップで町田を振り切ったディエゴは、冷静に右足で流しこみました。東京2-0鹿島。

さすがに東京は、セーフティリードに入ったのでリトリートします。といっても基本的に攻守の切り替えがはやい東京ですから、モードが極端に変わるわけではありません。むしろ東京のリトリートモードに過剰に反応したのは鹿島でした。鹿島はなおプランをあらためてません。ここまでくるともはや蛮勇としかいいようがありません。大岩さんにしたら、連動性がなかろうが、個人のゴリ押しでもなんでも東京の堅城を突破できればいいとふんだのかもしれません。がら空きになったバイタルエリアは、東京アタッカーのごちそうにほかなりません。

29分。またまた鹿島の連続攻撃から。セルジーニョから華麗にボールを奪った建英が、スキルフルなボールコントロールで前線にフィードを送ります。これがディエゴへのロングスルーとなります。ふたたびカウンター発動。町田をトラップで振り切って抜け出したディエゴは、曽ヶ端の様子を確認しながら右足で丁寧に流しこみました。東京3-0鹿島。

建英に対する残る不確定要素はただひとつ。一年間を通じて、コンディションの上下があるなか今のようなパフォーマンスを見せられるか。願わくば、今年東京で確認させてほしいです。今日の2ゴールに絡む活躍は、もちろん作戦上のギブンが建英の判断に影響しているにしろ、それを実現できる技術は建英のまごうことなきオリジナルです。建英がすごいのは、ただ実現するだけでなく、さらっとエンターテイメントにしてしまうこと。もはやぼくらは、建英のプレーを楽しみにスタジアムに通っているといっても過言ではありません。ホントに願わくば、よっちのときに叶わなかった戴冠を共有する喜びを建英とは味わいたいです。

前半終了前に大岩さんが動きます。小田に代えて三竿をCMに投入します。永木が右SBに回ります。耐えきれませんでしたね。ハーフタイムを迎える小田のことを思ったのか、三竿が流れに慣れるためか。いずれ、片翼だった鹿島のアジャストを予感させる作戦変更です。

もともと相性が悪くない味スタでの対戦ながらも、予想外のセーフティゾーンでの折り返しです。

後半頭から大岩さんが重ねます。レアンドロに代えて安部を左メイヤに投入します。土居が右に回ります。レアンドロは、3点目が入ってからあからさまにモチベーションを落としていましたから、チームをリフレッシュする意図です。

これで鹿島が少し息を吹きかえします。パスの循環がスムーズになります。鹿島が攻撃権を持ち東京が受ける構図は変わらないのですけど、鹿島のポゼッションが安定してきたので、少なくとも東京が簡単にカウンターを発動するシーンは見られなくなります。

加えて、翔を左右に走らせるようになります。前半はセルジーニョが前線での受け役を担っていましたけど、重心が上がらなかったので、翔につけることでよりゴールとの距離を近付けようという意図だと思います。そしてこれが奏効します。

55分。左奥に大きく走りこむ翔をみた安西がフィード。翔が追いついて、高い位置で基点ができます。東京は下がり基調でマークが万全ではありません。翔はフォローの安部に戻します。安部はさらに後方のレオに戻します。ルックアップしたレオにはシュートコースが見えたのでしょう。アタッキングサードにかかる辺りから右足を振り抜きます。これがゴール右隅に決まりました。ゴラッソ。東京3-1鹿島。

ただし、あくまでも単なるゴラッソに過ぎません。ペナルティエリア外からのチャレンジでしたので、試合の流れに影響するようなゴールではありませんでした。東京は相変わらず鹿島をゴールエリアにすら寄せ付けません。今日の鹿島は守備はルーズでしたけど、攻撃のタレントはACLチャンピオンの名に恥じない布陣でしたから、結果的に封じきったのは東京守備陣の働きの成果に他なりません。

そこで健太さんが動きます。謙佑に代えてジャエルを同じくトップに投入します。コンディションを考慮したのと、攻撃のモードを変えるためだと思います。超高速カウンターが効かなくなったので、ジャエルを軸にしたオープンワイドカウンターに移行する意図です。

さらに健太さんが重ねます。建英に代えて晃太郎を同じく右メイヤに投入します。直前に建英が足を痛めていたので、大事を取って少しはやめに交代したのだと思います。

この辺りから、試合展開が少しずつオープンファイトになってきます。東京がオープンアタックに変わったためですけど、鹿島も縦に急ぐようになり、攻防が激しく揺れるようになります。以前の鹿島では考えられなかった展開です。ビハインドとはいえ、東京の大好物でえるハイスピードな展開に自らはまる選択をしたわけですから、鹿島の若さの露呈にほかなりません。

大岩さんもこの流れを助長します。セルジーニョに代えて山口を左メイヤに投入します。土居がトップに上がります。安西と絡めて、左サイドを主戦上にしたゴリ押しを挑もうという意図でしょう。

オープンファイトはさすがに東京に一日の長があります。コンビネーションが合わなかったシーンもあってゴールには結びつかなかったけど、ジャエルを軸に据えたワイドカウンターはやはりど迫力ですね。いっとき鹿島がイニシアチブを握りかけましたけど、最終的にはイーブンな状況を取り戻していました。

そして健太が〆ます。ディエゴに代えてまこをクローザーとして投入します。洋次郎がトップに上がります。クローザーを重視する証しか、健太さん自らかまこを呼びにいきました。

思惑通りにこのまま試合終了。東京3-1鹿島。

ホーム全勝で、開幕以来の無敗を継続しています。そろそろ開幕からの疲れが出るころかなと心配してました。連戦の途中でもありますし、ミッドウィークが冬のように寒い雨中の試合でしたし。でも今日は、むしろコンディションが上がっているとすら思える素晴らしい動きを見せてくれました。その辺りの準備も、スタッフを含め今年は万全なのかもしれませんね。眠らない街♪

とはいえ、まだまだシーズン序盤ですからコンディションは心配です。クローザーも決まり、オプションを含めたメンバーはそろそろ固まってきましたから、いっそうコンディションの心配がつのります。U-23も初勝利を上げて、今シーズン初のアベック勝利ウィークでした。チームに厚みをもたらすためにも、バックアップにますますがんばってもらいたいと思います。ディエゴのシュワッチWE ARE TOKYO♪

さぁ、いよいよ無敗同士の激突です。こんな好カードが、廻り合わせとはいえアウェーのしかもフライデーJリーグとは。広島に連れてって。