ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2017JリーグYBCルヴァンカップグループステージ第4節FC東京vs北海道コンサドーレ札幌@味スタ20170503

2017-05-04 22:18:10 | FC東京

ゴールデンウィークでございます。天候にも恵まれそうですね。

今年は、ゴールデンウィークの端っこに試合日程が組まれているので、サッカーしばりにならないで済みます。できれば仙台戦と札幌戦の日程が反対だったらもっと良かったのですけど(^^;。

本日はYLCのグループステージです。遠征されているコンササポさんは東京のゴールデンウィークを楽しんでらっしゃるかしら。You'll Never Walk Alone♪

今年最高のオーガナイズを見せ、完勝です。

東京はターンオーバーです。と言っても選手層が厚いので豪華メンバー。シフトは4-2-3-1。GKは彰洋。CBはモリゲとまる。SBは右に室屋左に諒也。ボランチは洋次郎と草民。WGは右に永井左に翔哉。トップ下は拓馬。1トップはウタカです。

札幌もターンオーバー。シフトは5-2-1-2。GKは金山。3CBは右から進藤、菊地、永坂。WBは右に石井左に菅。ボランチは横山と前。トップ下は伸二。2トップは上原と藤村です。

東京に比べて、札幌のほうがはっきりしたターンオーバーをしいてきたのは、札幌の運営の特長である育成の目的もあるのでしょうけど、やはり主力を休ませる意味合いのほうが強いでしょう。なので、今日の札幌は、現在リーグ戦で好調を見せている姿とは少しばかり異なるだろうと思います。とは言え、たしかに勝負強さという面では劣るかもしれませんけど、主力がいない分だけ、そして札幌ユース出身選手を多く配している分だけ、札幌の本質を観られるとも言えます。札幌と言えば、フォアチェックを基調としたアグレッシブなスタイルが今年の特長です。でもそれは、兵藤や荒野、早坂や雄大といった運動量とアジリティの高い選手が味付けをしてこその姿です。今日の札幌は、様相が異なりました。

試合は札幌が主導権を握るかたちで入ります。今日の布陣の札幌は、たしかにフォアチェックを見せはするのですけど、でもそれが本質ではありません。むしろ主力が入ったセットよりもパスワークに主軸が置かれていた気がします。序盤の札幌は、中盤の三人を中心にパスを細かくつなぎ、ゆったりと攻めます。伸二が入っていることも影響しているのか、ボールを失うことがありません。これはもちろん、リスクヘッジのためバックパスを多用するからでもありますけど、言い換えるとボールを保持し続けることが札幌のテーマだということを表わしています。

でも、札幌の攻勢は5分程度で終了します。札幌が主導権を握っていたとは言え、東京の入りはけして悪くはありません。新潟戦のようなふわっとした受け身ではありませんでした。むしろじっくり札幌の闘いかたを観察していた印象です。なので、札幌から攻撃権を奪ったときが今日の東京の出来栄えをはかる機会だろうなと思っていました。そして、5分過ぎくらいにボールを持つと、そこから結局試合終了まで、ほぼワンサイドの展開に持ち込みます。

今日の東京は、奇しくも札幌とテーマを同じくしていました。東京は、いつものカウンタースタイルを封じ、ポゼッションスタイルで臨みます。理由はおそらくスカウティングによるものだろうと思います。それは札幌の中盤のクセにあります。

札幌の中盤はとても流動的です。横山を真ん中に据え、前と伸二は前後左右フレキシブルなポジションを取ります。ときに前と伸二が同サイドにかぶることすらあります。宮澤、兵藤、荒野のセットではこれは見られなかったので、今日のスペシャルプランなのかもしれません。これはもちろん、東京にトランジションポイントを惑わす作戦です。序盤の攻勢はこのプランが奏功したことが理由です。

でもそれが仇となります。札幌の中盤は守備においても積極的です。これは主力のセットと同様。東京が中盤にボールを入れると、伸二と前が積極的にチェックに入ります。中盤のボールに対して過敏です。リスクを未然に防ぐ意図だろうと思います。ただ、ボールをチェイスするスタイルですと、どうしてもバイタルエリアにギャップが生じます。東京はここに付け入ります。ウタカを前線の真ん中に置いて最終ラインの位置を定めます。そうしておいて、拓馬と翔哉がかわる替わるバイタルエリアに入ってきます。その間ボールは、SBを含めた最終ラインとボランチの間を漂います。前、伸二がこの誘いにノリ、前に出てきます。これでバイタルエリアは横山だけが留守番をする状況になります。当然、横山の両脇にはスペースが出来上がります。こうして拓馬と翔哉がバイタルエリアで基点になることができる状況ができあがります。

なので今日の東京は、普段よりも中央を狙う頻度が高かったです。翔哉が内に絞ったポジショニングをしていたのはこのため。一方右サイドは、永井がほぼライン際に張り付いていました。これで左右でテイストの異なるアタックができます。右は長めのボールに永井自身が反応するだけでなく、ライン際で基点になって室屋を引っ張り上げます。左は右よりもコンサバティブです。今日は宏介が入っていないので、仕掛けの頻度は少なく、翔哉の攻撃スペースを広く取る意図だったかもしれません。なので今日の作戦は、左で作って右で仕掛けるプランだったと思います。

東京のスペースメイクが巧みだったことと、札幌のプレッシングが甘かったこともあって、東京はいつになく高ポゼッションで試合を進めます。なので、ワクワクするようなダイナミックな展開はないのだけど、とても安心して観ていられました。家族連れやお子さんもたくさん観に来ていたので、もうちょっとエンターテイメント性のある試合になっても良かったかなと思いますけど、ファンとしては、たまには落ち着いて観ていたいものですから、これはこれで楽しかったです。そして、東京の支配を決定付ける先制ゴールが生まれます。

31分。東京がアタッキングサードにかかる付近。左ライン際で石井がボールを納めようとするところを翔哉が狙います。翔哉はボールをはじき出し、流れのままドリブルで前進します。札幌は最終ラインとボランチの二人が揃っていますけど、翔哉のドリブルインで下がり基調になります。翔哉はそのままプッシュを続け、ペナルティエリアに入ります。これで局面はペナルティエリア内の勝負になります。進藤を引き付けた翔哉は、ゴール正面のウタカにマイナスのパスを送ります。このボールは内に逸れウタカが触れません。でもこれが幸いしました。ボールが流れる先にいたのは永井でした。永井は左足で浮かせて、ボレーのようなかたちで左足を振り抜きました。東京1-0札幌。

ようやく永井の移籍後初ゴールが生まれました。ひと安心だったと思います。永井は右ライン際だけでなく、翔哉のアタックにタイミングを合わせ、ダイアゴナルにゴールに向かうプレーも見せていました。東京は結果を残すことができるようになってきていますけど、ロースコア勝負を守り切るリアリスティックな闘いで凌いでいる状態です。前線のゴール不足が課題ですから、このゴールが良いきっかけになってくれることを願います。

リードされたことを受け、四方田さんが動きます。シフトを5-2-2-1に変更します。伸二がボランチに回ります。藤村は前とともにシャドウに下がります。どちらかと言うと守備の改善を意図していたと思います。中盤の守備網に厚みをもたらすことを狙ったのだと思います。

これで試合が安定します。自由にバイタルエリアを使えていた東京も、ポストを入れられこそすれ、そこから前を向いて仕掛ける頻度が少なくなってきます。でも今日の闘いかたで秀逸だったのは、むしろここからです。いつもの東京はリードすると極端にリトリートしますけど、今日は真逆で、ポゼッション率をさらに上げることでリスクヘッジする作戦を取ります。これが観ていて安心感を感じた一番の理由です。それもただ漫然と最終ラインでボールを動かすだけではありません。バイタルエリアを使って前後左右の揺さぶりを続けます。なので、仕掛けが失敗してボールロストすることがあるのですけど、チームのかたちを大きく崩すことなく攻撃していますから、そのまま守備に入ることができます。なので札幌の反撃も有効にはなりません。

今日はボールがピッチ外に出る回数がとても少ない試合でした。これは、東京、札幌ともボールを保持することをテーマにしていたためだと思います。目指すのは簡単なのですけど、実現するためには個々の技術力とチームのコンビネーションが必要です。ターンオーバーと言っても豪華布陣の東京はともかく、札幌のパスワークの巧みさには驚きました。ゆったりとした印象になった試合でしたけど、けしてゆるんだ感じがしなかったのは、両チームの選手の技術の高さ故だと思います。

今日の札幌は、ユース出身を9人も揃えました。そのうち試合に出場したのは7人。真ん中のラインに伸二、横山、菊地を据え、チームの軸とすることで、若手の積極的なプレーを支えようとしたのだと思います。リーグ戦でも試合に出ている前や菅はダイナミックな動きで試合に絡めていました。その積極性が仇になった部分はあるけど、プレーそのものは目を引くものがあったので、経験を積むと面白い選手になると思います。今日が公式戦初出場となった藤村は先月二種登録されたばかり。東京の守備陣がほぼ主力を配してきましたから、日本代表クラスの守備の技術と圧力とスピードを体感するとても良い機会になったと思います。チームとして、シュート、CKともにゼロとなったスタッツは残念だったと思いますけど、若手は試合に出ることでつかむことはものが必ずあると思います。

東京がSBを除いて守備陣をターンオーバーしなかった理由は、思い通りの守備がようやくできるようになってきているので、一気にチームディフェンスを作り上げる意図なのだろうと思います。このあたりにも、今の東京が守備を重視しているところが伺えます。今日のように、攻撃と上手く連携した守備ができるようになると、もっと試合が安定しますし、次のステップとしての攻撃の改善にも効果があると思います。前半はリードのまま終了。

後半も東京がオーガナイズする状況は変わりません。ボールを動かしながら札幌を自陣に押し込め、前半よりもいっそうハーフコートマッチのような展開になります。

じっくり構えて耐えていた四方田さんが動きます。一気に二枚代えです。藤村に代えてキム・ミンテを投入します。菅に代えて福森を投入します。同時にシフトを本来の5-1-2-2に変更します。アンカーは横山。IHは右にミンテ左に前。福森は左WB。伸二がトップに上がります。これで中盤にパワーが加わります。前半はクリーン過ぎると感じるほどコンタクトの少ない展開でした。ミンテは、多少強引にでも攻守の基点になることがミッションだったと思います。

それから福森が加わって、セットプレーの可能性が広がります。インプレーでも正確なロングフィードが加わります。札幌は、短いパスは丁寧につむげるけど、例えばサイドチェンジのような長いフィードにミスが目立ちました。風の影響もあったと思います。福森投入でこのあたりの改善をはかったのでしょう。

そして篠田さんが動きます。永井に代えて建英をトップ下に投入します。拓馬が右WGに回ります。建英のJ1デビューとなりました。建英は割合、静かにプレーする印象がありますので、注目度の高いデビュー戦とは言え、落ち着いているように見えました。しっかり技術の高さを表現していましたし、シュートアテンプトもありました。テストとは言えFKも蹴ることができましたから、見せ場を作れたのではないかと思います。J1トップクラスのDFを前にクオリティの高さを見せることができるか、はやく観てみたいと思いました。

篠田さんが続けます。翔哉に代えて慶悟を同じく左WGに投入します。翔哉のコンディションを考慮したのだと思います。それから、翔哉のプレーポジションが建英と少しかぶるので、建英のテストという意味でも周囲の選手の役割を整理したかったのだと思います。

同時に四方田さんが動きます。永坂に代えて荒野を左IHに投入します。左CBには福森が下がります。前が右WB、石井が左WBにそれぞれ回ります。これで中盤は主力に近い布陣になりました。

さらに四方田さんが動きます。ミンテを最前線に上げ、パワープレーに入ります。札幌の中盤は、シフトも布陣もとてもフレキシブルです。そういう選手を集めているのでしょうけど、使いかたもマルチロールをこなせるように配慮しているのだと思います。

最終盤はさすがに東京は逃げ切りモードに入り、リトリートスタイルに移行します。攻撃はほぼ、ウタカと建英に任せます。そして篠田さんが〆にかかります。拓馬に代えてバーンズを同じく右WGに投入します。ロングカウンターに備えた作戦だと思います。

このまま試合終了。東京1-0札幌。眠らない街♪We Are TOKYO♪永井と建英のシュワッチ

カップ戦にはいろいろエクスキューズが付きますので、結構マネジメントが難しいと思います。建英のデビューを演出しつつ、きっちり試合を仕上げて、おまけに勝ち点3まで獲得したのですから、ロースコアでしたけど今日は上々の結果でした。できれば今日のように安心して観ていられる試合を増やしてほしいところです。

これでグループAでは、一試合消化が少ない状況で首位仙台との勝ち点差は3と射程圏になりました。公式戦の連勝は今年三回目。守備陣に主力が入った状況では三試合連続の完封勝利です。安定感が出てきていると思います。五月は試合が立て込みますけど、この安定感を武器に、逆に波に乗っていってほしいと思います。

次はゴールデンウイーク最終日。たまとの再会が楽しみです。