ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2016J1リーグ1stステージ第3節浦和レッズvsアビスパ福岡@埼スタ20160312

2016-03-13 17:13:42 | 加賀さん

桜の便りがそろそろ気になる弥生というのに、寒い日が続きます。

春はスタートの季節。今年の加賀さんにどんな出来事が待っているのか、ドキドキワクワクと楽しい季節です。

昨年は、ファンとしてもしんどい一年でした。でも今年は、その経験があるので、寂寥を抑え臨むことができます。もちろんピッチでの姿を観たい気持ちは強いのですけど、焦っても仕方がないですし、心身にも良くないですから。今年はのんびりと応援していこうと思います。

なんとなんと!。レッズの加賀さんファンのかたが横断幕を作ってくれました。本当に嬉しいです。ありがとうございます。

という気持ちもあり、少しでも姿が観られたらと思って加賀さんシートの近くに席を取りました。ところが今日は、ほとんどの選手は天井桟敷にいたとか。昨年のCSに続いての安定のツンデレに、今年も加賀さんと同じ場所にいられる日が来たんだなと実感しました。天井桟敷は自分の席の真上だったので、残念ながら写真は撮れず。こちらはたかとりぃさんから頂戴いたしました。ご協力いただきまして本当にありがとうございます!。

というわけで、気もそぞろになることもなく、今日はサッカーを楽しむことに切り替えます。本日はひさびさにJ1復帰となった福岡です。

J1トップクラスのクオリティの差を様々見せつけ、浦和の完勝です。

今年の浦和は、航の加入とカピの安定、タカの左サイド起用で、前線だけでなく中盤から後ろもターンオーバーできるようになっているようです。四連戦明けで一呼吸おいて、三連戦の初戦は、難敵広州恒大戦を控えてのターンオーバーかなと思いましたけど、リーグ仕様の常套メンバーです。シフトは今年もおなじみ、ミシャの3-4-2-1です。GKは周作。今日のCBは右からモリ、航、槙野。ボランチは陽介と勇樹。今日のWBは右に梅崎左にタカ。今日の2シャドウは右に慎三左にムトゥ。今日の1トップは忠成です。

福岡は前節、J1復帰で初勝点をあげました。ある程度の手応えがあったのかもしれません。今日も布陣を変えず。シフトは5-3-2です。GKは新加入のイ・ボムヨン。CBは右から千葉から加入のキム・ヒョヌン、濱田、川崎から加入の實藤。WBは右に北斗左に亀川。3センターは右から城後、末吉、惇。2トップは金森と大黒柱ウィリントンです。

福岡のシフトは金森のポジションゆえに一見複雑です。5-4-1と5-3-2のハイブリッドと言えると思います。ただ闘いかたそのものは非常にシンプルです。ようやくすると守ってウェリントンに送ってスペースに金森と城後が走りこんでクロスをウェリントンに供給、です。そしてセットプレー。

まず福岡の守り方です。すべてのスペースを人を配置することで消すことが発想の原点だと思います。攻撃時にはウェリントンの近くを衛星のように動く金森ですけど、守備時には左サイドに入ります。なので守備時は5-4-1になります。浦和は3トップが中央に集まり、さらにサイドもWBと左右のCBが縦配置になります。中央を陽介ひとりに任せることで、前線とサイドに人数をかけるのが闘いかたの特長です。福岡の守備は、浦和対策というわけではないですけど、数的には各エリアでのマッチアップが成立するかたちをとります。

福岡は自陣でぶ厚く敷いた5+4の守備網にひっかけるトランジションプランです。奪ったボールは、末吉を経由してとりあえずウェリントンに預けます。金森と城後がウェリントンの近くでプレーできる状況であれば、ウェリントンの前方へのフリックを推進力に、前線に金森、城後が飛び出し、一気にアタッキングサードを狙うパターンを志向します。昨年後半にJ2を席けんした、ウェリントン大作戦です。

ようするに福岡の攻撃は、ウェリントンのポストを前提にしているといって良いと思います。というわけで、福岡の攻撃がJ1で通用するかは、ウェリントンのパワーにかかることになります。今日の浦和は、このことを前提にした3CBのチョイスです。ウェリントンに対峙したのは、インプレーでは航です。当然単純な高さではウェリントンが勝ります。ですので、中盤の空中戦ではほぼウェリントンが制空権を持っていました。ただ征するには至りません。ほぼすべてのウェリントンと航の競り合いはウェリントンがボールを触っていて、分が悪いなと思っていたのですけど、ウェリントンがフリックしたボールは安定せず、味方に届きません。それに時間を追うごとに明らかにウェリントンの集中が切れていることが伺えました。現場でないとスタンドからではわからないのですけど、空中戦での航の当たり方がとても上手いのでしょう。フィジカルに勝るウェリントンを持ってしても安定させないツボのようなものがあって、航はそこを心得たコンタクトをしていたんじゃないかと思います。今日は槙野でもミツでもなく航を真ん中で使ったのは、誤解を恐れずにいえばガチのマッスルバトルではなく、テクニカルなコンタクトがウェリントンを封じるポイントだと思考した結果ではないかと思います。まずこの点で、今日の浦和の完封は成立していたと思います。

ただ福岡は、ウェリントンが不安定な場合でも、ままよどうにかなるばい作戦があります。左右のWBです。北斗にはアーリークロスがあります。そしてなにより、福岡が信じる三つのストロングポイントの一つ、亀川がいます。ウェリントンのみならず、亀川のスピードとドリブルが通用するかも、J1に生き残る基準になると思います。少なくとも積極性に関しては、亀川はJ1でも迷いなくやれているようです。有効なチャンスメークはほとんどなかったけど、梅崎を守りの体勢に入らせるシーンが何度かあったので、タイミングを掴んだら面白い存在かもしれません。なので、北斗にしろ亀川にしろ、フォアチェックからの中盤のトランジションに成功すれば、ウェリントンを経由せずサイドアタックを仕掛けることもオプションの一つとして持っています。肝心なのはクロスの精度とゴール前の威力ですけど、ウェリントンをペナルティエリア内でフィニッシャーとして使える限りは、ゴールの匂いは濃厚に漂います。これこそ、福岡に希望を持たせる原動力だろうと思います。

繰り返しになりますけど、今日の浦和はウェリントンに対し粘着質かつスキルフルでした。前述の通りインプレーでは航、そしてセットプレーでは槙野がウェリントンの制空権行使を許しません。福岡にしてみれば、すべての試合で勝負ができるわけではないので、結局ウェリントンが通用しない場合は割り切る場合もあるんだろうなと思いました。

さて、今日の彼我を分けたのは浦和のウェリントン対策ではありません。むしろ浦和が仕掛けた攻撃面での巧妙な罠にこそ、J1トップクラスの洗礼が潜んでいたと思います。

まずもちろん、浦和が誇るアタッカー陣のクオリティは、個々のどこをとってもJ2では感じ得ないものでしょう。ただそれを前提に、当然福岡は対処します。編成で違いを生み出し難い昇格チームの多くは、守勢への素早い切り替え、つまり自陣での守備網形成を優先します。加えて、守備のやり方は安定感を得易いマンマークを採用することを基本とするチームが多いようです。福岡もまたしかり。2トップもしくは1トップ+トップ下のチームであれば、3CBの一枚を常にセーフティネットとして余らせることができます。ところが浦和は、周知の通り1トップ2シャドウ。必然的に福岡の3CBは、3on3のガチマッチアップを強いられることになります。予見されたことですから、今日の試合のキーポイントとして、相当な覚悟と緊張感を持って、ヒョヌン、濱田、實藤は臨んでいたと思います。

そして浦和は、おそらくそれを想定して、罠をしかけます。浦和のアタッカーは序盤、梅崎とタカを含めて5人全員が最前線に並びます。陽介は中盤を漂い、積極的に前線に絡むことはありません。アタッカーは最前線でパスを受け、そのまま多少強引にでもしきりに縦を狙います。ビルドアップの基点はサイド基調で、前線から下がるのは梅崎かタカ。3トップはほぼ前線にはりついたままの状態です。ここに罠が仕掛けられていました。

福岡の3CBは、試合が進むにつれ浦和3トップの愚直感のある縦アタックに徐々に慣れてきていたでしょう。浦和らしい3トップのポジションチェンジもほとんどなかったので、マッチアップもし易かったと思います。浦和はある程度の時間までこの罠を引っ張り、福岡が慣れきったところでBプランに移行する腹積もりだったのではないかと思います。ところが、とくに浦和に予想外なことに、モリがたまに繰り出すスーペルエクセレントなプレーが先制点を呼び込みます。

18分。福岡のGKをトランジションしてからのリスタート。周作のパスからビルドアップです。福岡は早々自陣で守備網を敷きます。左サイドを槙野がドリブルで持ち上がって福岡陣に入ります。槙野から右にサイドチェンジ。上がってきた航に渡ります。この時浦和はやはり5人が最前線に並びます。右サイドの最前列にいた梅崎が下がってきます。航は梅崎につけます。これに対し亀川はラインにステイ。金森が寄せる間に時間があり、梅崎は難なくターン。アタッキングサードに入ります。浦和の攻撃スイッチが押されます。亀川は梅崎の前方スペースをケア。金森も梅崎をマークしますので、その外にいるモリがフリーです。梅崎はモリに渡します。モリはルックアップ。この時前線は、ニアから忠成に實藤、慎三に濱田、ムトゥにヒョヌンがそれぞれマンマークです。ただ、北斗が絞っています。つまり左サイドががら空き。そこにタカがどフリーです。陽介は上がっていませんので中盤に選択肢はありません。モリは迷わず、大外にサイドチェンジを仕掛けます。北斗の頭を越しゴールライン付近に落ちるエクセレントなクロスは、タカの左足付近にぴたりと落ちます。この意外性の高い大サイドチェンジに、思わず福岡CB陣はボールウォッチャーになります。その間隙を縫うように、濱田の背後から慎三がゴール前に顔を出します。パスの軌道を確認しながらルックアップしていたタカはこれを見逃しません。左足ダイレクトのグランダーをぴったり慎三に合わせました。慎三は左足ダイレクトでゴール右隅に流し込みました。パス9本をつなぐ、浦和らしいゴールです。浦和1-0福岡。

本性を隠したまま優位に立てましたので、浦和はかなり心理的にリラックスできたと思います。いくら作戦があったとは言え、守備網を優先するチームからゴールを奪うのは容易いことではないですから。その意味で、今日のMVPは意外性の男モリでしょう。

先制した浦和は、お待たせしましたとばかりに獰猛な本性をいよいよ表します。しごく単純なことですけど普段見慣れた浦和の攻撃にモードチェンジします。3トップが替わるがわる、前後の動きを織り交ぜはじめます。中盤に顔を出してビルドアップの基点になります。これで福岡の3CBと時折距離ができるようになります。マンマークに慣れてきていた福岡は、突然マッチアップする対象が消えて、バランスを見失ったのではないかと思います。さらに浦和は、3トップがポジションチェンジをしはじめます。ますます福岡が混乱に陥ります。こうして浦和は、完全にイニシアチブを握り、試合をオーガナイズすることに成功します。バイタルエリアを基点にサイドに展開し、WBやモリ、槙野からクロスがゴール前に次々と供給されるようになります。

いったん自ら形成した守備のかたちをアジャストするには、福岡のチームのクオリティが至っていないのか、浦和の翻弄にただ耐える時間が続きます。前半は浦和リードのまま終了。

後半頭から井原さんが動きます。惇に代えて名古屋から新加入のダニルソンを同じくボランチに投入します。バイタルエリアに圧倒的な存在感を持ってきて、守備の強度を上げようという意図だと思います。ただ、以前のダニルソンならともかくスピードが無くなったいまでは、高アジリティの浦和アタッカー陣を止める手立てとして適当なような気はしませんでした。

浦和の攻撃モードのバロメーターは左右のCBの位置取りです。リードして、しかもイニシアチブを掌握することに成功してからは、モリも槙野もバランスを保ったポジショニングになります。なので、攻撃はショートカウンターが中心になります。浦和の攻撃パターンが少し変わります。抜け出したWBがクロスをGKとラインの間に送り、そこに前線が飛び込むパターンが何度も見られるようになります。前後の揺さぶりに加えてアーリークロスを加えられて、もう福岡CB陣は対処がやっとの状態になってしまっていたでしょう。そしてその流れで追加点が生まれます。

51分。福岡の右CKを航がクリア。後方に残るムトゥがポストになりフリック。そこからモリ、ムトゥ、タカとパスをつないで左サイドの梅崎に渡ります。一気にアタッキングサードに入ります。ロングカウンターになりましたので、さしものの福岡も守備網を整備しきれませんけど、さすがに人数が戻ってます。梅崎には北斗がつきます。ゴール前は實藤とヒョヌンが戻ります。これに対し浦和は、ゴール前中央に忠成、ファアに慎三が上がります。緊張感漂う高速の3on3。梅崎は北斗との間合いを見て、大きく前方にトラップして北斗を引きはがします。そのまま左足ダイレクトでクロス。この時ゴール前は、中央に走りこむ忠成に城後が寄せようとしています。梅崎のクロスはやや後方に流れ忠成を逸れますけど、そこに慎三がいました。慎三は胸トラップでボールを懐に入れ、左足を振り抜きました。シュートは城後とヒョヌンの間を抜け、ゴール右隅に突き刺さりました。浦和2-0福岡。

よく2点差は怖いなどといいますけど、あくまでも流れのなかの産物で、今日の場合はこれで浦和は安泰だと思いました。あえて言えば、福岡の三つ目の希望、末吉のセットプレーです。でもこちらも前述の通り、末吉自身の精度はともかく、ターゲットとなるウェリントンが封じられているのでチャンスは多くありません。一度ヒョヌンの惜しいシュートがありましたけど、現状の闘いかたで残留を目指すのであれば、過去の同様のチームがそうであったように、トリッキーなセットプレーも試みる必要があるように思います。

それでも井原さんはファイティングポーズを崩しません。金森に代えて平井を同じくトップに投入します。スピードマンではなく、フィジカルに優れたシューターを置くことで、ウェリントンの負担を軽減する意図だと思います。

すぐにミシャが動きます。と言っても平井対策ではなく既定通りです。二枚同時代えです。忠成に代えてズィライオを同じくトップに投入します。陽介に代えてカピを同じくボランチに投入します。ともに、過密日程を考慮したものだと思います。

福岡がアタッキングサードに入る時間が増えてきます。槙野が調子に乗って攻め上がるシーンもあり、ちょっとオープンファイトに入りかけます。いくらイニシアチブを握っているとはいえ、サッカーはとても繊細なものですから、マネジメントは細部に至るまで徹底してほしいと思います。今日は事なきを得ましたけど、なんと言ってもやっぱりウェリントンのような油断できない選手がいるチームは怖いですから。

オープンファイトになりかけたのを見て井原さんが動きます。北斗に代えて坂田を同じく右WBに投入します。バランスよりも攻撃力を重視する意図だと思います。攻守の切り替えがはやまるとスピードマンが威力を発揮する可能性もあるという考えでしょう。ただすぐに浦和は安定を取り戻します。カウンター志向で守りに入る浦和を崩すことは普通でも簡単なことではなく、攻め込みつつも福岡が攻め切れない時間が続きます。浦和は人数をかけずシンプルなパスのつなぎでショートカウンターを狙います。

最終盤ミシャが動きます。ムトゥに代えて駒井を同じく左シャドウに投入します。ムトゥのコンディションの考慮とともに、駒井のテストだと思います。駒井は通常のシャドウのイメージに近く、やや下がり目の位置で基点として時間を作れるプレイヤーのようです。シャドウはターンオーバーポジションなので出場機会も多いと思います。ペナルティエリア内での仕事ができれば、面白い存在になると思います。

結局、浦和がイニシアチブを明け渡すことは最後までありませんでした。完勝です。浦和2-0福岡。We are Diamonds♪

埼スタに来れば、ピッチでの姿を観られずともいくばくか加賀さんを感じられることができるのですけど、今日はまったく無く、ちょっと寂しかったです。今年はミッドウィークに不在にすることが多く、それに東京もACLに出ているので日程が被っていて、あんまり埼スタに来ることができなそうです。せめて来た時は、ちょっとでも姿を観られたらいいなと思うのですけど。

また大原には様子を観にお邪魔したいと思います。

今年も加賀さんを応援します。願わくば、観戦できる日に出場してくれますように。