ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

FC東京2014シーズンプレビュー

2014-02-22 22:28:21 | サッカー

開幕カード発表、全日程発表、日程詳細発表、フェスティバル、開幕戦チケット発売、選手名鑑発売と、小出しにJリーグが繰り出す「ほーら2014年シーズンの水はあーまいぞー」に誘われ、今年もウィンターシーズンを楽しく過ごしております。

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と言っていましたら、あっという間に今週末はゼロックススーパーカップ。関係ないので意識もしていませんけど、これを過ぎればもう、開幕カウントダウンウィークです。春はホントにもうすぐそこ。皆さん、浮かれる準備は出来ていますか?

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2014年シーズンをプレビューしてみたいと思います。今年、国内でPSMがありませんでした。フィッカデンティ東京の初期ロットは、ぶっつけ本番で確認せざるを得ません。

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なんと言っても一番大きな変化は監督の交代です。今年、ランコ・ポポヴィッチさんからマッシモ・フィッカデンティさんに代わりました。ですけど、自分はサッカーは選手が能動的に形作るもので監督はアレンジャーだと思っていますから、まず編成を確認してみます。

OUTは、ルーカスと大志が引退。ネマニャんが退団。アーリア、ヒョンス、北斗が完全移籍。丸山、容平がローンです。

INは、エドゥー、マテウス、圍、陸、よっち、翼が新加入。梶山、羽生、むっくん、志有人が復帰です。

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自分は2013シーズンの振り返りで、広島との勝ち点差9を埋められなかった原因として、下記を上げました。
・モリゲの相棒が定まらなかったこと
・攻撃陣の組合せが定まらなかったこと
・ゲームメイクのキーマンが定まらなかったこと
・精神的支柱になるリーダーの不足
・選手交代の判断の遅さ

それぞれに対して、補強の状況を確認します。
・モリゲの相棒…(マイナス)ヒョンス退団 (プラス)マテウス加入
・攻撃陣の組合せ…(マイナス)ルーカス引退、アーリア移籍 (プラス)エドゥー加入、梶山、羽生、志有人復帰
・ゲームメイカー…(マイナス)ルーカス引退とアーリア移籍 (プラス)梶山復帰
・リーダー…(マイナス)とくに無し (プラス)とくに無し
・監督の戦術力…(マイナス)とくに無し (プラス)未知数

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守備面では、加賀がいますから少なくとも昨年のクオリティまでは維持できる保証があります。ただそれでは加賀の安定感が増さない限り上乗せがありません。マテウスのフィットが当面の課題ですけど、マテウスは日本が初の海外経験でしかもスピードに難がありそうですから、未知数の部分が大きいです。現状では、安心できる補強ができたとは言い切れないでしょう。

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攻撃に関しては、昨年は結果的にルーカス依存度が高いチームになりましたし、加えて攻撃のコンダクターはアーリアでしたから、チームとしての攻撃の仕組みを一度壊さざるを得ません。梶山が長期離脱していますので、攻撃で軸になる選手がいません。エドゥーは純粋なアタッカータイプのようで、しかもサイドを好むようですから、ネマニャんに似たタスクでしょう。慶悟はもともとオフザボールのプレイヤーです。あえて言うならナオか相太ですけど、J1のクオリティ足り得るかは未知数。したがって、必然的にコレクティブな攻撃を志向することになると思います。うまくいかなかったときのオプションが少ないことが大いに不安要素です。

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プラス要素とマイナス要素を総合的に比較して見ると、昨シーズン同等の成績を維持するためには、編成の上ではルーカスの穴をエドゥーが埋めきれるかにかかります。アーリアの移籍は大問題だと思っていましたけど、結局アーリアの適正を見極めきれなかったので、かえってスッキリしたような気がします。多少の負け惜しみを込めてw。

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もしも優勝を目指すなら、勝ち点9以上を誘引するプラス要素が必要です。まず最低でも安定したシーズンを送るため、つまり残留争いに巻き込まれないためには、フィッカデンティ監督の作戦立案力とマテウスの守備力が鍵を握ると思います。ここが崩壊するとかなり厳しいシーズンも覚悟しておく必要があります。ここをクリアし更に上位に絡むためには、千真にしろ相太にしろトップの選手が昨年以上の数字を残すこと。それに、コレクティブな攻撃を志向するなら、セカンドアタッカーである二列目、三列目が得点を上げることが求められます。

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ようするに、編成が大きく変わっていないのでゼロからのチーム再構築ではないにしろ、未知数の領域が広い読めないシーズンになりそうです。願わくば、ポジティブなほうに傾いて欲しいと思います。

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フィッカデンティ監督のサッカーが未知数なだけに、昨年の課題をベースに今シーズンを考えるのはナンセンスなような気がします。もっとドラスティックな変革なのかもしれません。フェスティバルで阿久根さんが仰っていましたけど、広島との差を埋めるテーマとして、現状の攻撃力を維持しつつ、同時に守備に重点を置いているようです。この点については、昨年の課題を踏まえたものですから合理的でしょう。ただ、そのための方法論が大きく異なりますから、課題に基づいたステップ論ではなく、もう少し大きなイメージで課題を捉えたほうがいいかもしれません。

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というわけで、フィッカデンティ監督のサッカーを紐解く必要があるんですけど、残念ながら今年はPSMがなく確認できませんでした。メディア報道とSNSでは、フォーメーションが4-3-3であることしかわからず、サッカースタイルや約束事、総合的なシステムは伺えません。アンカーを1枚置く3センターはJリーグで成功した前例がありません。でも、状況がわからない以上、過剰にネガティブになる必要はないと思います。もちろん、ポジティブに考えることもできないわけですけど。

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とにかく未知数ですから、まずは成績云々ではなくフィッカデンティサッカーを冷静に見ていきたいと思います。今シーズンの展望は3月を見てからでもいいかなと思います。とはいえ、シーズンインとともに戦いは始まりますから、3月中の相手は抑えておかないといけませんね。いきなり柏、川崎、清水という難敵が待ち構えています。勝敗の課題としては、昨年の取りこぼし3試合分を拾えるようにならないといけませんから、甲府と神戸も勝ち点を逃せられません。あらためて昨今のJのどんぐりの背比べ感を禁じえません。その意味では、未知数の分だけ序盤から苦戦する状況も考え得るわけですから、ボクらサポーターもある程度の辛抱を求められる心構えをしといたほうがいいと思っています。

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個人的にリスクテイクは嫌いではないですし、例によってポジティブに考えれば、リスクがある分楽しみもいや増すと思っています。

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リスクについては、ヨネが開幕から離脱する上、練習試合の成績も芳しいものが伝わりません。チームが苦心していることは想像に難くありません。大事なことは、すべての選手、スタッフ、できればサポーターが、チームが取り組んでいる方向性に疑念なく、成績如何を問わず自信を持って信念を貫けるか、にあります。そうであれば、フィッカデンティサッカーが東京にフィットすれば、いずれ必ず成果は出ると信じています。

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ちょっとネガティブな印象をお受けになったと思いますけど、どうかご容赦ください。もちろん杞憂で、開幕から快進撃する可能性もあります。サポートする側にとって大切なタスクは、苦しいときにチームを支えることですから、心の片隅にでも心構えだけでも備えておいたほうがいいと思っています。

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いずれにしても、監督・スタッフを含め、新しい顔ぶれになりましたから、楽しみも十分に用意していただきました。Jリーグ初のイタリア人監督を歓迎します。ちょっと異端とはいえイタリアをベースにするサッカーを間近で、しかも定期的に確認できる環境に感謝です。サッカーファンとして、とってもとっても成長の糧になると思います。とくにやっぱり守備の仕組み作りを勉強できることに期待しています。エドゥーはシャルケ時代にテレビで見ていました。ふと思うと、そんな選手をリアルに観賞できることは至上の喜びです。ディエゴ・フォルラン何するものぞ。青赤にはエドゥーがいる。ブラジリアンCBは対人守備力に突出した印象が強いです。ロナウダンしかりシジクレイしかりジャーンしかりジェシしかり。いまの東京に求められるのはそれだけでなく、安定感に裏付けされたスピードと攻撃力と高さ。マテウスがどんなタレントを持ったDFなのか、とても楽しみです。エドゥーとマテウス以外の新加入は、即戦力というより将来性ですね。東京でしっかりプロとしての下地を作って欲しいです。フィッカデンティ体制に変わってもうひとつ注目しているのは、ちびっ子枠の復活です。羽生、河野、翼が活きる場ができるかな。いずれ、枠というより組合せですから、それぞれの特長のなかで頑張ってほしいです。願わくば、選手、スタッフ、サポーターみんなの思いがいい方向に向きますように。

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個人的には、SOCIOになっていまだ達成していないリーグ戦全戦参戦に挑戦してみたいと思います。今年は極端な遠方が少ないですからチャンスだと思うのですけど。難しいだろうな。注目しているのは、加賀はもとより志有人です。昨年、1試合だけですけど長崎でのプレーを見ました。そのときの印象がとても強かったのです。ずっと右肩上がりだった下部組織出身選手の活躍が、ちょっと踊り場に差し掛かっているような気がします。そんななか、長崎でJ2加入初年度の活躍を支えた志有人は、ホープとして大いに期待したいと思います。

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さあ、いよいよ来週から長い長い2014シーズンが始まります。今年はワールドカップブラジル大会もあります。東京の代表候補選手には、チームだけでなく代表でも頑張ってほしいです。チームとしては、まずは高望みすることなく、ひとつ一つの試合をしっかり戦ってくれるように願いたいと思います。何があってもサポートする気持ちは絶対に変わりません。今年も我らが青赤が生活のなかに居てくれることに、感謝しつつ、いっぱいいっぱい楽しみたいと思います。Vamos 東京!。

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d47落語会第6回「佐賀県」@渋谷ヒカリエ20140221

2014-02-22 16:19:06 | アート・文化

2週続けて大雪の荒天でしたけど、ようやく穏やかな1週間を過ごせました。ようやく鉄道と高速道路は復旧しましたけど、山梨をはじめ、いまも各所でまだまだご苦労が続いています。ヴァンフォーレの開幕戦小瀬開催は中止となり、霞ヶ丘になったようです。1日も早く平穏な暮らしに戻られますことをお祈りします。

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落友(落語友達)の「落語聴かね?」の誘いで、久しぶりに落語会でございます。ずっとお聴きしたかった花禄師匠の落語会にお邪魔することにしました。

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d47落語会第6回「佐賀県」でございます。

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d47は、D&DEPARTMENTさんが主催する、47都道府県にフィーチャーしたイベントプロジェクトの一環です。d design travelという旅行誌を軸に、展示会と落語会で構成されます。落語会は、藤井青銅さんが作るその県にフィーチャーした新作を柳家花禄師匠が板にかける形です。これまで、東京都、山口県、沖縄県、山梨県、富山県で開催され、今回の佐賀県で第6回です。毎回東京と地元の2回開催で、今日は東京回@ヒカリエです。

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ヒカリエ8回フロアのど真ん中にイベントスペースがあります。普段はオープンなのですけど、有料イベントの時はカーテンで仕切られるようです。末広亭をもうちょっと小さくした落語小屋くらいのサイズ。客席はフラットですけど、高座の位置が高いので後ろからでもずいぶん見やすいです。表情が楽しみのひとつである落語は、やっぱりこのくらいのサイズがいいです。

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二番太鼓が鳴り、司会のかたの挨拶のあと、師匠登壇です。

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今回が6回目で、今日がお客さんが一番多いんだそうです(そういえばほぼ満席でした)。最初の回(東京回)は、この辺り(高座の前)のブロックくらいしかお客さんがいなかったんです。60人くらいかな。それもdの職員さんが混ざっているって後で聞いたんです。だいたいそういうことは後で聞かされるんですね。先に話しちゃうと花禄のモチベーションが下がっちゃったらいけねーってんで。尻上りにお客さんが増えてきてまして、47都道府県をクリアするのにだいたい12年くらいかかるんですけど、最後はこの上のOrbでやって2,000人くらい入る予定なんです。毎回スタンプラリーやってるんですけど、今日初めてのかたがいらしたら、スタンプ押しますから、たぶん、後ろにカードありますから貰ってくださいね。2,000人もいると押すだけでいつまでも終わんない。お客さんは果たしていつ帰れるのかなと。私、弟子が10人くらいいるんで、私のお面を被らせてスタンプ押すか、いっそスタンプをどっかにぶらさげといて自分で押してもらおうかと考えています。
今日の会場を見渡すと、とってもカラフルですね。普段落語会に来ないかたもお見えだと思います。だいたい落語会っていうと、こう高座から見るとグレーなんですね。佃煮みたいな色なんです。年上の人ばっかり。今日は年下のかたもいらっしゃいますね。落語のイメージって、どこかとっつきづらいというか古臭いというか。この落語会はD&DEPARTMENTの企画なんですけど、そんな垣根を越えて、まだバレていない人たちに落語って面白いって幻想を植えつけちゃおうって主旨なんです。さっきそこで出番を待ってましたら、コクヨのほうに行く女性連れがね、「落語って何だろう?」って言うんです。私の前でですよ。同じ日本人かと思いました。さっきの人がこの会場を見たらびっくりするでしょうね。こんなに人がいるのかって。秘密クラブじゃないかって怖がるかもしれませんね。
なんつったって、真央ちゃんですよ。この会のお稽古とかなんとかありまして、リアルタイムでは見れなかったんですけど、朝見ましてね。初日はびっくりしました。でも仕様がないんですよ。心が揺れるって誰でもあること。揺れるほど心がピュアってことですよ(会場大拍手)。私もこんな気持ちで話す落語って職業をしてますから、わかるんです。ノーミスなんて無いんです。初日の真央ちゃん、滑走順が一番最後でしたでしょ。あれ、大変なんです。リンクも傷だらけでしょ。私も落語会でトリを勤めることがあるんですけど、荒くれ者の品のない芸人が暴れまわって、お客さんどっかどっか大爆笑でもう笑い疲れてお腹いっぱいって時に、花禄の落語にお付き合いをって、もう辞めてと。そりゃあ受けませんよ。平常心で出ろってできないですよ。ロシアの選手でしたっけ、会場がワーワー言って大変なときに出るのはしんどいと思いますよ。
そこへ行くと今日の落語会は楽なんです。皆さんピュアでしょ。誰にも荒らされてない高座って、皆さん聴き疲れてないから。えー、今日は古典を一席と仲入りがあって新作をやって、その後トークショーという構成です。落語落語でちょっと頑張って、トークショーはもうダラダラと。皆さんもうつらうつらしてていいんですよ。今日は、d47今年最初です。ようこそのお越し。
真央ちゃんを見てると、the日本人ですね。とっても謙虚。好きですねー。メダルがすべてじゃないじゃないですか。メダルなんてどうでもいいんです。楽しそうに頑張ってやってる姿を見られたらそれでいいんです(大拍手)。メディアが騒ぐじゃないですか。あれもthe日本人ですね。日本人はスポーツ選手に技術と人格の両方を求めるんです。相撲なんてそうじゃないですか。モンゴル人やアメリカ人に品格って、日本の価値観の無理強いですよ。
落語の世界も、江戸の頃から今とではだいぶ違っているんです。恋愛なんかも、昔は家柄が一番大事でした。それから奉公というのがあって、小僧さんがお店で下働きをするんですね。年季が明けても御恩奉公っていうのがあって。奉公してる小僧さんの楽しみって、1年に1度だけ実家に帰ることなんだそうです。むかしもいまも、仕来りや規則って大事にされます。という流れから、「おせつ徳三郎」から「花見小僧」。
(定吉が主人に花見でおせつと徳三郎が逢引したいきさつを白状したところで)、ここから徳三郎が追い出され、おせつが無理やりお見合いさせられ結婚するってことになり、それを聞いた徳三郎がおせつとその相手を斬って自分も死ぬって言い出すってこれから面白くなるとこで、今日はおしまいっ。会場から「えー(´Д`)」の声がw。

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仲入り後、ふたたび登場した花禄師匠は、うってかわって珍しい洋装です。白とライトブルーのストライプのシャツに白のネクタイ。鮮やかなブルーのカーデガンとチノパンです。爽やかです。

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えーこんな格好です。新作です。私、同時代落語と呼んでおりまして、何度かお見えのかたはご存知だと思いますけご、もうかれこれ5年くらい、現代物の新作をやるときはこの格好でやってます。最初は戸惑っていましたけど、5年もやるとお客さんのほうが慣れるもんですね。慣れなんです何でも。よく聞かれるんですけど、衣装にテーマはないです。青を来てますけど、佐賀をイメージしたわけじゃない。さきほどピンクの羽織でしたけど桜をモチーフにしたわけじゃなく。ただなんとなく爽やかに出たかったんです。
佐賀県です。私、九州に行くことが多いんです。佐賀は行かないですねー。旅行すればいいんですけど、自分からは行きづらいんですよ。なんか切ない。やっぱり落語家はお呼ばれして行かないと。自分から行って落語さしてくださいなんつっても、何しに来たのって。九州は福岡が一番多いですね。円楽師匠が主催されている博多天神落語会っていうのがあって、私も何度かやらせてもらいました。福岡は北九州にもよく行きます。私の祖父の五代目小さんに縁があるんです。鹿児島も行きます。鹿児島は東京の芸人がビビる場所なんです。ご存知三遊亭歌之介師匠のさつま弁落語が強烈ですから、鹿児島であれをやるとどっかんどっかんなんです。鹿児島の人の基準があれになっていると思うと、とてもじゃないけど東京の落語なんて怖くてかけられない。10年前に南日本新聞さんに呼ばれていったら、意外なことにウェルカムな雰囲気なんです。花禄でも聴いてくれました。スイッチを切り替えてくれるんですかね。まあ歌之介師匠と一緒に出たらどうかわかりませんけど。熊本は昇太師匠との二人会をずっとやっていて、今は
それぞれの独演会がいまも続いてます。宮崎もちょろちょろ行きます。大分は亀の井さんでやります。長崎は、落語好きのおっちゃんが「もってこ~い寄席」ってのをやっていて呼ばれます。もってこいっていうのはもっと持ってこいって意味なんですね。もってこいって言われたら、落語をもっと聴きたいってこと。でも、いっぺんも言われたことないですね。
佐賀県。佐賀は通るだけなんです。ところがこのd47のイベントが決まると、申し合わせたように佐賀からお話をいただくんです。武雄と鳥栖で落語会やりました。どちらも500人くらい。dの佐賀の回が3月27日にあります。その前、ちょうど来週27日に佐賀市で独演会やります。中学校でも落語会やります。スタンプは押さないけど。真打になって20年ですけど、ずーと佐賀とは縁がなかったのに、dをやると連鎖するんですね。富山でもそうだったんです。dの一ヶ月前に米団治師匠、正蔵師匠と三人会やりました。700人くらい来ていただきました。富山では奇跡的なことなんだそうですね。たしかに通りを見たら人っ子一人いない。佐賀はねえ、新幹線通りましたでしょ。佐賀は通過するだけだったんですね。手を降るだけ。むかしから佐賀は、交通の要所だったそうですね。西は長崎、南は熊本、鹿児島。だから佐賀は、旅人が立ち寄る場所で、旅館が多いんだそうです。今日はそんな旅館のお話です。という流れから、「皿美人」。

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「皿美人」は、「左甚五郎」などのパターンをモチーフにした落語です。人気のない旅館に長逗留する風采のあがらない老人に主人が宿代を請求すると、実は酒井田栗衛門って有田焼の絵付け師で、宿代のかわりに有田焼の皿に卑弥呼の絵を書きます。この卑弥呼、夜な夜な丑三つ刻になると皿から出てきます。実は吉野ヶ里にあった邪馬台国から呼んできちゃったとか。これが評判になり旅館は大賑わい。卑弥呼もまんざらではなく、佐賀牛や小城羊羹やブラックモンブランなどの佐賀名物につられて、夜10時と丑三つ刻の2回講演になります。これを妬んだのが、もう一つの邪馬台国伝説を持つ奈良県です。奈良県は卑弥呼に刺客を送ります。刺客はお客を装って旅館に泊まり隙を見て絵に細工をして卑弥呼を皿に閉じ込めます。卑弥呼を出したい佐賀の宿と出したくない奈良の刺客の戦い。勝利の女神はどちらに微笑む?、というあらすじ。

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第三部のトークショーです。花禄師匠に加え、脚本家でd47で県の落語を書いている藤井青銅さんを迎え、ホストはD&DEPARTMENT主催のデザイナー ナガオカケンメイさん。

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d47は東京と地元の2回開催ですけど、それぞれウケかたが違って面白いそうです。地元のほうは割合「ウケ」を取りやすくって、地元のひとしか知らない特産(今日もブラックモンブランが出てました)や、下手な方言(今日も、地元ではないけど超適当な奈良弁が大ウケしてました)を入れたらウケるんだそうです。でも、あんまりやり過ぎると今度は東京でウケないので、汎用性を持たせているそうです。実は佐賀回は一箇所だけ東京回に無いところがあって、台本に赤字で書かれているそうです。舞台は小旅館ですけど、台詞のなかに老舗旅館のあけぼのが登場するんだとか。
毎回県の落語は県に奉納されるそうです。Wikipediaの県のページに、県の花とか鳥とかを紹介するフレームがあるけど、そこに県の落語を入れるのが夢なんだそうです。奉納された落語は、その県のなかだったら誰でも自由にかけられるのだとか。奉納と言っても勝手やっているだけだったのですけど、今回初めて佐賀県に正式に奉納されることになりました。な、なんと、古川佐賀県知事がお見えです。落語を観賞されていた知事の感想は、佐賀をどんな風に紹介してもらえるのか、子供の学芸会を見るようでハラハラドキドキしたそうです。佐賀は合衆国のような県で、佐賀、唐津、鳥栖、有田、伊万里、武雄など歴史と特長を持った自治体が集まったお国柄なので、ひとつでも欠けると困っちゃうんだそうです。藤井さんもそこを配慮され、いちおう満遍なく紹介したつもりだとか。ここで目録が用意されます。奉納されるのは県の落語の台本とDVDと花禄師匠のてぬぐい4枚。DVD用に映像を録画していました。もちろん中身はまだなく、目録だけ。佐賀回で佐賀県に手渡されるそうです。ただ、タダでは渡せないと、なぞかけをして答えがよかったら奉納するってルールになりました。お題は事前に知らせてあって、佐賀県では、なぞかけ会議を開いて日夜議論を重ねたそうです。その模様が5枚くらいのパネルで紹介されてましたw。当然、その間の公務は停止w。なぞかけ会議の結果10本くらい候補ができて、そのうちの最優秀作を披露していただきます。
佐賀県とかけて
パンパースと解く
そのこころは
九州で一番でしょう
見事合格。ちなみにパンパースを日本で最初に販売されたのが佐賀県なんだそうです。
会場のお客さんから、奉納式をフォトセッションにしようって提案がありました。みんなでSNSで奉納式の様子を伝えたら、d47と佐賀県のいいPRになるってことで。花禄師匠、藤井さん、ナガオカさん、古川知事が快く応じてくださいました。普通著作権が壁でなかなか無いことなんですけど、アットホームな落語会ならではですね。

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奉納式が終わると、ナガオカさんが急に静かになってしまいました。大仕事を終えて虚脱感が出たそうですw。奉納された県の落語は、ぜひ県民の皆さんに忘年会の余興とかで使って欲しいとのことです。

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質問コーナーになりました。d47で採用される県の順番は、メディア向けに答えるとランダムなんだけど、実は大人の事情があって、d design travelに予算をいただけることになった自治体が優先なんだとか。そりゃあそうですよねw。自治体さんの惜しみないご協力をお願いしますとスタッフのかたが仰ってました。
佐賀県が用意したなぞかけの答えの残りを聞きたいというオファーは、主催者側がやんわりと配慮されていました。
県の落語を他のプロの噺家さんが地元でかけてもいいのかという所は、事前に花禄師匠に一言くださいとのことです。藤井さんはd design travelの内容を予備知識にしないで県の落語を作るんだそうです。D&DEPARTMENT側も同じで、どんな話になるかは板にかけるまでわからないんだとか。新作落語は初演の噺家さんから離れることがあんまり無いんだそうです。どうしても初演の噺家さんと比べることになってしまうから。新作は初演のひとが作ることが多く、イメージが張り付いてしまっていて、他の噺家さんはやり難いんだそうです。まあでも県の落語は奉納したので自由にやってもらっていいけど、あんまり人気が出るようなら、誰のおかげでって言い出すよ、ですってw。
自分たちも同じなのですけど、初めてd47に来たお客さんから、過去の県の落語を聴くにはどうしたらいいのかと質問がありました。何かの形で発表する計画はあるそうです。その場でいろいろ企画が上がりました。数回分まとめてDVDかブルーレイにすれば、自分の県だけじゃなく他の県のことも知れるから、他の県に興味を持つ機会になるんじゃないかとか、iTunesみたいなダウンロードサイトで一回分だけダウンロードできるようにするとか。スタンプラリーどうするって話になり、DVDを会場に持ってきたら過去のを押すとか、DVDにシールをつけて自分で貼ってもらうとか。いまのところ、スタンプラリーが全部揃ったらどうなるのかは考えてないんだそうですw。30分延長とか(何を?)ヤクルトあげるとか。その前に、12年も経ったらカードなくしたりボロボロになったりするけど、どうする?って問題も見つかりましたw。スタンプは最後に押すんだけど事情で途中で帰った人はどうするってことになり、今日聞き逃した人いますか?ってナガオカさんから質問があったのだけど、いまその場にいる人に聞かれてもねえw。
さっきも話題にありましたけど、東京と地元でウケかたが違うのでDVDが出たらチェックすると面白いかもとのことです。あと、山梨の回は、東京と山梨で師匠はどっちも間違えているんだけど、間違えた箇所がそれぞれ違い、2回で一人前なんだそうです。いっそ背景をブルーバックにして、後で編集でごまかせるようにするかって。
d47は、同時にd design travelをベースにした展示会を併催しています。おなじくヒカリエ8階です。d design travelのページに沿った展示で、面白いです。なにしろ展示されている品のデザインが、新旧いずれもキュートなんです。
最後に次回の告知がありました。次回は福岡県。福岡開催は7月3日(木)、東京開催は7月11日(金)です。

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楽屋はありません。幕を下がると廊下です。

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なんとなーく閉幕しました。花禄師匠はそのままスタンプを押すため会場の後ろに行きます。藤井さんもナゴオカさんもお客さんと話をしていて、いい感じにゆるいですw。お客さんとの距離が近いというか、ほぼありませんw。スタンプカードを貰い、師匠に押していただきました。「つぎの落語会もお邪魔します」とお声がけしましたら、「ありがとうございます。お待ちしてます」と握手していただきましたー!。

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ほんわかとアットホームで、とっても楽しい落語会です。それでいて馴染みの無い県のことを落語で楽しみながら勉強できますから、大満足です。佐賀は毎年鳥栖にお邪魔していてまったく馴染みが無いわけではありませんけど、サッカー旅だけで佐賀のすべてを知れるわけではないです。d47は、地元に密着した魅力を伝えてくれるので、幅も奥行も拡がります。12年間、通い詰めたいと思います。素敵な出会いでした。

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