ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

英国王のスピーチ

2011-03-01 23:38:42 | 映画

アカデミー賞の季節ですね。今年の作品賞をみました。
「英国王のスピーチ」
映画は大好きですが、アワードはあんまり気にしないのでこの作品がノミネートされてることを知りませんでした。別の映画をみたときに予告編をやっていて面白そうだなって。さすが受賞直後だけあって、平日の昼間なのに満席のようでした@TOHOシネマズ府中。
期待どおりの素敵な映画でしたー。
吃音症に悩んでいるヨーク公が、ジョージ6世になり第二次大戦中に名スピーチをするまでの物語。一風変わった方法で治療を施す、オーストラリア出身の言語聴覚士ライオネル・ローグとぶつかりながらも、ドクターの具体的な手法を受け入れ、自信はないのだけれど少しずつスピーチが上手になっていくジョージ6世の苦手克服記。
ところで、この物語のテーマは3つあるんじゃないかと思います。
一つ目は、ジョージ6世をとおして、がんばれば苦手を克服できるという応援歌。
二つ目は、第二次大戦直前の動乱期に、王室にフィーチャーしながら英国が体験した辛苦へのオマージュ。
三つ目は、英国王室の家族愛の物語。ジョージ6世とエリザベス王妃、娘エリザベスとマーガレットの二人の王女(エリザベスはいまのクイーン)、兄エドワード8世、父ジョージ5世、母メアリー王妃を中心とした一家の物語。
予告などをみても、スピーチが苦手な王様というテーマにドラマ性があるので、一見一つ目がメインテーマのように思えますが、おそらく主題は三つ目にあるんじゃないかと思います。英国王室へのやさしい眼差しをそこはかとなく感じました。ジョージ6世ファミリーの愛情はもとより、あまり評判がよくないウインザー公エドワード8世もそれほどダメダメには描かれてなく、権力よりも愛を求めた、ひとつの価値観として尊重しているように感じました。ジョージ5世も、ジョージ6世の吃音症の原因となってはいるけども、伝統の狭間のなかでメディア時代の王室を模索したひととしても感じられます。

でも、この物語は第二次大戦にフィーチャーした歴史物あるいは戦争物にカテゴライズされるのだと思います。ところが、べたに凡庸に歴史を語るのではなく、ジョージ6世の苦手克服という、極めて個人的な問題を通して歴史を透かし見せるところが、この映画の脚本のすばらしいところなんだと思います。
主演ジョージ6世のコリン・ファースの人間味あふれる演技がすばらしいです。

脇もすばらしい。ライオネルはジェフリー・ラッシュ。風変わりだけど一本筋が通った役柄をあったかく演じてます。ジョージ6世が友情をこめ彼をライオネルとファーストネームで呼びますが、王として最高の役をこなしたことに敬意をあらわし、ライオネルが初めて「マイ・マジェスティ(陛下)と呼ぶシーン。感動です。彼の奥さん、ジェニファー・イーリーもすばらしい。家に帰ったら国王夫妻がいた。そんなとんでもないシチュエーションをコミカルに演じます。

なによりも、エリザベス王妃のヘレナ・ボナム=カーター。表情がすばらしいんですよ。ジョージ6世を、ときに労りときに励ましあったかく包んでます。クライマックスのスピーチが終わったあと、ジョージ6世を迎える彼女の表情が愛らしくて。二人の娘も素敵。登場シーンは限られてるけど個性を見せていて、やっぱりエリザベスはしっかり姉さんな感じ。クライマックスのあと、おしゃまにかわいいセリフがクスッと笑わせます。

エドワード8世のガイ・ピアースは、L.A.コンフィデンシャル以来久々にみたけど、やっぱり印象深いです。
ライオネルが吃音克服の方法をいろいろ伝授しますが、テーマは二つ。「自分を出すこと」と「リズムをとること」。クライマックスのスピーチでは、ベートーベンの交響曲No.7第二楽章が使われます。感情を抑えながらもドラマチックかつ厳粛に、聞くひとの勇気を発揚し、一体感を促すイメージとして採用されているのだと思います。ぴったりです。スピーチの状況にふさわしい音楽を選んでリズムをとること、それは良いスピーチをするためのヒントを与えてくれているのかもしれませんね。
「エリックを探して」の感想でも書きましたが、ボクはイギリス映画が好きです。この映画はオスカーの栄誉を得ましたが、ストーリー展開がシンプルで鑑賞後が爽やかな、肩肘はらないイギリス映画そのものです。案外地味です。オスカーだからって過度な期待をしないで、リラックスして楽しんで観てほしいです。きっと素敵な時間を過ごせると思います。スーツやドレスも素敵です。
サッカー好きのひとにもプレゼントがあります。旧ウェンブリースタジアムが登場します。ちゃんと二つのタワーがみつかりますよ。

メガお勧め!


2011大熊東京の船出は、J1制覇の序章なのだーの巻

2011-03-01 02:07:44 | FC東京

梅の香がかぐわしい。
春でございます。やよいですよ。春一番が吹いて冬籠りの外套を脱がせちゃってくれます。
スタジアムへ、いっこ~
今シーズンもやってきました。Jリーグ開幕です。
毎年楽しみにしているこのことば。
開幕まして、おめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
10年SOCIOになりました。金バッチがまぶしいですよ、エッヘン。10年経つんですね。阿久根社長の直筆サインの感謝状はありがたかったです。でも、節目って意識はないですね。ボクのなかにフットボールが続き、東京がそばにいてくれればそれでいいですから。
今シーズンはJ2イヤーでございます。なにはともあれ、昇格。目標はこれにつきます。
開幕に臨むにあたって、いまの率直な興味は、キヨシがどんな戦い方を志向しているのか?につきます。TMをひとつも観てないですし、評判など情報収集をしないズボラものですので、ほぼ白紙の状況です。ま、毎年のことですけどね。
これだけの戦力だから、チーム内の雰囲気として勝利至上主義的な受け身サッカーはできないでしょう。ネームバリューやスタティックにみたスキルの違いで圧倒できるでしょう、みたいなところがメディアの一般的な論調だと推測しますけど、J1であれば上位をもうかがえそうな戦力っていうのは、選手が一番意識しちゃうんだろうなと思います。したがって、戦略的には昨年までの延長線上しか取り得ないと思います。それが吉と出るか凶と出るか。正直なところ、紙一重だろうなとドキドキビクビクしています。まあ、もし想像どおりなら、戦略に迷う必要がないわけですから、腹さえ決まれば集中して取り組めるのではないかとも思いますけども。
補強もがんばりました。豪華です。
レギュラーボランチの不在が混迷の起因でしたから、バックアッパーとしてホベルトの加入は期待大ですね。福岡時代にキャプテンをしていますから、リーダーシップには問題ないでしょう。キャプテンとして昇格も経験してますしね。ボランチのレギュラー争いが厳しくなることも歓迎すべきこと。怪我が伸び悩みの原因であるエース梶山には、とにかく体をケアして選手としてステップアップしてほしい。

リーダー不在が課題視されますが、チームとしてのメンタルな弱さの一因でしかありません。自分の行動基準がはっきりわかっていたら、心は折れにくいものだと思います。行動基準をつくるのは、リーダー、ルール、ビヘイビア、いろいろあります。リーダー不在を補完するホベルト獲得でしょうけど、ホベルト不在のときはどうするのか。プレーに迷いをなくすルールやビヘイビアの醸成こそ、トーキョースピリットを形作っていく種になるんじゃないかと思います。
Jで実績を残している外国人は計算ができます。ペドロJ。実質的な活躍は09の新潟だけなのが不安ですけど、期待してます。
ロベルト・セザー。男前ですねー。カーレーサーに居そうな風貌ですね。ゴツ目な体型で、パワフルなプレーをしてくれるなら心強いな。
谷澤。コンスタントに試合に出ているのに、禁断の柏to千葉を果たしたアグレッシブな選手のイメージがあります。
おかえり、あべたく、カズ、廣永、下田。あべたくは先輩二人超えしていきなりレギュラーですか。SBの争いが激化するのは歓迎。
ウェルカムです、高松、常澤、柳楽、上里。
SBを絡めたビルドアップの組みたては、誰のどんな組合せでもある程度優位にたてると思うのですよ。問題はリスクをおって、縦に攻め込むスキルと勇気を持てるか。それにつきると思います。その意味で、アタッキングハーフが今シーズンの行く末を左右する最も重要なポジションなんだと思ってます。ナオがシーズンを通して確変してくれるなら、それ以上の望みはないのですが、オプションも大事。試合を決める威力をもったハーフは誰なのか? 羽生の役割ではないことはわかっているので、ペドロJ? 谷澤? そうたん? 上里? それともやっぱり大竹?
今シーズンは19番を背負って応援します。がんばれ大竹!
勝利至上がファーストプライオリティなんですが、心のどっかで、2012シーズン以降のことも考えてほしいところもあるんですよ。東京から香川みたいな選手を育ててほしい。育成と結果を両立するのは非常に困難なことはわかっているのですが、東京を象徴するアイドルが出てきてほしいのです。やっぱり攻撃系の選手で。サッカーの華はやっぱりアタッカーですよ。
なにしろ、開幕ダッシュですね。メンタリティを課題視するなら、シーズンの流れとして先取速攻で結果を出すことが、一番の妙薬ですから。
中断のないながーいシーズン。J1制覇に向けたストーリーの序章として、近い将来語れるようなシーズンになったらいいな。
TOKYO SPIRIT!