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アジア・オセアニア地域の通信社が配信する記事から『中国の領土紛争問題』を伝え日本の安全保障などのニュースブログ。

不明機捜索で中国軍が誇示する「存在感」、周辺国に警戒感 ~中国海軍の新たなミッション~ (ロイター)

2014年03月14日 | 安全保障と南シナ海紛争
焦点 不明機捜索で中国軍が誇示する「存在感」、周辺国に警戒感 (抜粋記事)
ロイター 2014年 03月 14日 16:24 JST

(原文:Greg Torode、翻訳:橋本俊樹、編集:本田ももこ)

 前文省略

 中国はすでに、領有権を主張する西沙諸島と南沙諸島の施設で聴音哨や港湾、滑走路の整備を進めているが、中国のある専門家は、災害時の人道支援にはさらなる装備が必要になるだろうと指摘する。政府系シンクタンク、中国国際問題研究所の阮宋澤氏は「これが最後にはならない。中国には責任があり、関与したいという希望がある」と語る。

 こうした中国の動きを受けて、長年の領有権問題を抱えるベトナムでは、市民らが早くも懸念を強めている。ソーシャルメディアでは、中国の航空機や艦船がベトナム沿岸近くで活動することについての投稿が盛んで、中には強い疑念を示す書き込みも見られる。

 ベトナムの捜索・救援活動を率いるファム・クイ・ティエウ運輸次官はロイターに対し、中国の船舶や航空機がベトナムの領海や領空に入る際に許可を求めてきたと明かした。同次官は「捜索に当たり、中国機は高い高度しか飛行せず、船舶も領海深くに侵入することはない。このため、主権の侵害については懸念していない」と話した。


 中国海軍の新たなミッション
中国と東南アジアとの関係の専門家である東南アジア研究所(シンガポール)の上級研究員、イアン・ストーリー氏は、今回の中国による艦船派遣について、同地域での軍事力増強と海外の自国民保護などを含む中国海軍の新たなミッションを反映しているとの見方を示す
 また同氏は今回の問題が、海外での国益が拡大するにつれ、その利益を守るために防衛費を増加させるべきだという一部の中国人の考えを助長させると指摘する。

 中国政府は今月5日、2014年の国防予算が12.2%増の8082億3000万元(約13兆4080億円)になると発表。しかし、その内訳の詳細には触れなかった。

 中国の国防費は米国に次ぐ世界2位の規模。これにより、今や東シナ海、南シナ海のみならず、西太平洋やインド洋まで軍事力を示すことができる近代的軍隊の整備が可能になった。前出のバウアー氏は、不明機の捜索をめぐる混乱でアジアの軍事協力のぜい弱さが露呈し、米政府とアジアの同盟国との協力強化の必要性が高まったとする。
 南シナ海での緊張緩和に向け、東南アジア諸国連合(ASEAN)が中国との締結を目指す合意には、捜索・救助活動の協力も含まれてい る。こうした協力体制は現在協議中で、ASEANの代表団によると、より広範で繊細な問題とは別に、話し合いが進展する可能性もあるという。
バウアー氏は、「こうした共同作業を定着させてこなかったために、知ってか知らずか、中国はマレーシアが対応能力のない小国だというメッセージを自国民に送っているのだ」と話した。




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