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不明機捜索で中国軍が誇示する「存在感」、周辺国に警戒感 ~マレーシアとの対立~ (ロイター)

2014年03月14日 | 安全保障と南シナ海紛争
焦点 不明機捜索で中国軍が誇示する「存在感」、周辺国に警戒感 (抜粋記事)
ロイター 2014年 03月 14日 16:24 JST

(原文:Greg Torode、翻訳:橋本俊樹、編集:本田ももこ)



[香港 13日 ロイター] -8日に消息を絶ったマレーシア航空機の捜索が難航する中で明らかになったのは、高解像度の衛星画像や新型艦船といった中国が増強する軍事力の一端だ。同国が今後、アジア地域で存在感をさらに誇示する可能性があると、周辺国は警戒を強めている。
  乗客乗員239人を乗せた370便ボーイング777―200型機が消息を絶って6日が経過。中国当局者からはマレーシアの危機対応を批判する声も上がっており、両国の緊張は高まりつつある。中国側はマレーシアに関係者や調査官を派遣し、関与を深めている。

 不明機には中国人150人が搭乗しており、こうした中国側の動きは、乗客の安否を心配する国内の声を一部反映している。その一方、同国が領有権を主張する南シナ海と東シナ海でその軍事力を誇示しつつある中で、今回の不明機捜索は行われている。
同地域に詳しい航空宇宙・防衛産業のある関係者は、中国の対応は近隣諸国に強い印象を与えるだろうと分析。「これは平和的な状況で力を見せつける行為だ」との見方を示した

 中国は艦船4隻と沿岸警備船4隻に加え、航空機8機と人工衛星10基を投入し、中国本土から遠く離れた捜索を支援している。同国メディアによると、救助活動のための船舶派遣としては過去最大だという。
 不明機と航空管制官との最後の交信が確認されたのは、マレーシアのコタバル沖120カイリ(約220キロ)の位置。同機はクアラルンプールから北京に向かっていた。中国外務省の秦剛報道局長は10日、不明機の捜索とその後の調査についてはマレーシアが「主要な責任」を負っているが、中国政府もこれに関与するだけでなく、マレーシア側にさらなる努力を要請する責任があると指摘した。


 マレーシアとの対立
 皮肉なことに、中国とマレーシアは南シナ海での領有権問題にもかかわらず、この地域では最も友好な関係にあった。
しかし、今年1月、マレーシア領のボルネオ島サラワク州から沖に約80キロ離れた場所にある暗礁、ジェームズ礁(中国名・曽母暗沙)で、中国艦船が主権宣誓活動を実施。同暗礁は中国本土から約1800キロの位置にある。

 この暗礁は、中国が南シナ海の9割の海域で領有権を主張するために地図上に引いた9本の境界線「九段線」の最南端に含まれる。この問題をめぐっては、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、台湾も中国と領有権を争っている。
 ジェームズ礁には、中国人民解放軍海軍が3隻保有する最新鋭揚陸艦1隻などが派遣されたが、このうちの2隻は不明機の捜索にも参加している。
 米ワシントンの戦略国際問題研究所で東南アジアを専門にするアーニー・バウアー氏は、捜索をめぐるマレーシア側の不手際に触れ、「中国側は、彼ら(マレーシア)が重大事に対応する体制になっていないと判断しつつある」と見る。

 捜索の成果が出ないことから、マレーシア当局の不慣れな記者会見に注目が集まっているほか、不明機が飛行ルートを大きく離れて飛行していた可能性についての発表が遅れたことも問題になっている。


 以下省略


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